2009年12月18日 (金)

麺ならいくらでも食える…はず

昨夜、私が会長職を務める「小麦会」の忘年会が、神田神保町界隈にて盛大に執り行われた。

忘年会といっても「コース料理+2時間飲み放題」みたいな、いわゆる宴席ではない。神保町周辺の「麺」の評判店を次から次へとひたすら食べ歩くのである。お腹がいっぱいになった時点で即終了。その判断基準は会長たる私の胃袋が握っている。

会のメンバー3名は、18時に『丸香』前の路上に集合した。まず一軒目は小麦に敬意を払ってうどんからのスタート。

Noren  

18時の時点で我々の前に5人の客が行列。とはいえ回転は早いから、5分も待たずに着席。それぞれ好きなうどんを注文し、茹で揚がるまでの間はビールを飲んで待つ。これでなんとなく忘年会的な雰囲気にはなる。

Maruka  

私はいつも通りカマタマを注文したが、先々を考えて初めて「小」をオーダー。だが、もう少しばかり知恵を回して、カマタマではなく冬限定の「カレーうどん」にしておけば良かったと後悔している。香辛料は胃腸を活発にしてくれる。後の結果を見れば、ここでカレーうどんを食べたメンバーだけが、最後まで余裕を持っていた。

とはいえカマタマが食べたかったのだから仕方ない。食べ終えたらすぐに席を立つのも小麦会のルール。店を出て、靖国通りを九段へと向かう。2軒目はラーメンの『斑鳩』である。

19時前に到着で6人が店外に行列中。これは空いている方であろう。胃袋の具合を考えれば、20人くらい並んでいていて欲しかったのが正直なところだが…。

Ikaruga  

ずるずるずる~っ、と「特製本鰹」を味わって、再び神保町の交差点を目指す。

が、あろうことか、私がこの時点でかなり満腹になってしまった。よもやの19時半解散も頭をよぎる中、ここはひとまず胃袋休憩ということで『さぼうる』へ。

おつまみは取らず、ビールだけを注文して、JRAで再来年に導入されるという「重勝式馬券」の話題でひとしきり盛り上がる。“億”の配当がかかるレースで、降着を伴うような事案での審議となったらどうするのか。的中が胴元の主観的に委ねられる形態は今に始まったことではないが、額がデカくなれば泣き寝入りでは済まない事態も起こり得るのではないか   

なんて、競馬の話をしているうちに胃袋に隙間もできたようなので、雄躍本日の4軒目へ。『さぼうる』から歩いてすぐの蕎麦『満留加・静邨』の暖簾をくぐる。

まずは、板ワサに冷酒だけで、胃袋の隙間を広げる作戦。愛馬が関西地区のGⅠレースに出た際、馬主が旅費節約のため夜行バスとか「こだま」の格安プランで応援に行くってのはアリか?みたいな話で盛り上がる。アリもナシも、実際の話なんだけどね(笑)

ほどよく胃袋もこなれてきたところで、「田舎蕎麦」をオーダー。見た目は十割を思わせるが、うどんにも似た強靭なそのコシを味わえば、俄に十割とは信じがたいものがある。でも十割なんだよね。凄いな。蕎麦は噛むものではないと言うが、がっしりとしたその歯応えが逆に心地良く、噛む度に新蕎麦の豊かな香りが鼻をくすぐる。

Soba  

惜しむらくは、いい加減満腹だったことか。「うどん3玉」とか「せいろ3枚」なら別にどうということはないのに、店が替わって、メニューも替わると、胃袋の都合も替わってくるということが分かったところで満腹終了。こういう忘年会は楽しい。

 

 

 

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2009年12月 8日 (火)

攻めよ若人

昨日「忘年会」についてネガティブなことを書いたばかりだが、今日はその忘年会に顔を出すことになった。

忘年会であれ新年会であれ10人を超えるような宴席に自ら進んで足を運ぶことはほとんどない私だが、河豚だと聞いて、その信念をあっさりと曲げた。河豚は機会を逃すと食べる機会に恵まれぬもの。向かった先は銀座8丁目の『北大路』である。

Fugu_2   

河豚は美味い。テトロドトキシンとかいう猛毒を体内に有していながら、その美味さを諦め切れずに身体を張ってトライアンドエラーを繰り返してくれた先人に感謝しながら有り難く味わう。

リスクのあるものほど美味であり、人はその美味さから逃れられぬものだ   。と、誰かから聞いたことがある。

河豚や牡蠣がその代表例だが、競馬や不倫なんかもそこに含まれるらしい。有難いことに不倫の味は知らぬが、競馬、すなわちギャンブルの味わいを支えているのは、何よりそこに潜む避け難いリスクである。

しかし、その一方で最近の若い世代は「どんな小さなことでも負けるのは嫌」という傾向がことのほか強いという。

だから、彼らは10回に1回の大勝利ではなく、10回中8~9回の小さな勝利を目指す。競馬においてもそれは同じこと。最近のファンは、下位人気馬を進んで買うような真似はしない。勝負の場にいながら、勝負をしないのである。

近年の競馬で、1番人気馬のオッズがやたらと低くなるのはそのせいではあるまいか。一時期競馬場を席巻したディープインパクト・フリークに代表されるように、勝つと分かり切っている馬をみんなで応援し、みんなで勝利の気分を味わいたいのである。

だが、ギャンブルという一皿からリスクという調味料を取り除けば、その味わいはひどく薄っぺらいものになる。もし「河豚なんか食べる必要はない。鱈で十分」という人ばかりだったら、我々はこのような味を知ることはできなかった。若者が本命にすがりつく姿は、傍から見てて切なささえ覚える。もっと攻めて欲しい。

 

 

 

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2009年11月24日 (火)

素揚げパラダイス

「鶏の素揚げ」が密かなブームを迎えつつあるように思う。特に目新しい料理というわけでもないのだが、ここへ来てメニューに載せる店が増えているような気がするのだ。

Aoyuzu_2   

二子玉川の『青柚子』では、おすすめメニューとして北海道産地鶏の半身揚げを提供している。まず半身がそのまま載せられた大皿を見て「わぁ!」と盛り上がり、客自らがナイフとフォークを使って各部位に切り分ける作業をすることでさらに盛り上がり、最後に食べて盛り上がる。身の取り分け方を指南する写真付きの説明書が各テーブルにあるから、誰でも簡単にバラせるが、こういうのは少しくらいの失敗があった方が楽しい。

間もなく始まる中山競馬場の帰途に重宝するのが、京成立石駅近くの『鳥房』だ。

Torifusa  

戦前からの歴史を誇るこの店の名物は、若鶏の半身を使った素揚げ。やはり解体は自分の手で行うが、こちらも店員さんが教えてくれるから問題ない。割りばしで身を押さえながら、手羽やもも肉などの各部位を手づかみでぐいっと引っ張ると簡単に取り分けることができる。若鶏を使っているだけあってとてもジューシー。ひと口頬張れば、旨味をたっぷり含んだ肉汁がじゅわっと広がる。

自由が丘の『とよ田』は、素揚げの草分け的存在。砂肝、手羽、モモの3種の素揚げと、焼きおにぎり、焼きおにぎり茶漬け、お新香というメニューは1962年の創業当時から変わらぬが、店内はいつもにぎわっている。分かりづらい場所にある上、1時間待ちの行列も覚悟。予約にも制約があるから、十分なリサーチをしてから出掛けたい。

Toyoda  

競馬のついでに立ち寄るのは至難だが、わざわざ電車に乗ってでも出掛けたい店のひとつに大船の『ひな鶏・小山』がある。

ご主人は、若くして二子玉川、渋谷、青山と舌の肥えた客の多い街で和食店を任された経歴を持つが、その当時から「鶏は素揚げがいちばん旨い」とおっしゃっていた。そんな“信念の素揚げ”の盛り合わせは、骨付きの胸肉とモモ肉のセットで1300円。外身はカリッと香ばしく、中身はとことんジューシーである。塩とレモンだけの味付けとは思えぬ味の深さに驚き、「鶏は素揚げがいちばん旨い」という言葉に深い共感を禁じ得ない。

Momo  

鶏料理といえば水炊きが旨い季節である。だが、私は根っからのビール党。そんな人間には、揚げたてアツアツの素揚げの存在がなんともありがたい。

 

 

 

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2009年11月 9日 (月)

讃岐うどん『喜三郎』

東京競馬場に比較的近い立地にありながら、競馬場の行き帰りに立ち寄るには若干不便であることから、思うように足を運べぬうどん店がある。

Kisaburo1分倍河原の住宅街にひっそりと佇む讃岐うどんの店『喜三郎』。もしこの店が、隣の府中駅界隈にあったならば、東京競馬開催時におけるランチ事情は激変していたであろう。少なくとも私に限って言えば、これは誇張ではない。

競馬場の行き帰りには行きづらいから、競馬のない今日行ってみた。

こないだチラッと書いたが、たいていの店ではオーストラリア産ベースの小麦粉を使っている中にあって、こちらでは北海道産100%の粉にこだわり続けている。カマタマ一杯600円と値が張るのは、そういう事情にもよる。

だが、やはりその分だけうどんは美味い。

例によっていちばん端のカウンターに座り、例によって「カマタマ大盛りネギ抜き」を注文して待つこと10分。運ばれてきたうどんがこちらである。

Kisaburo2  

温泉玉子を崩し、醤油を少なめにかけ回してから、一気にうどんを掻き混ぜる。もわっと立ち上がる湯気から溢れ出る小麦の香りの、そのなんと芳しいことか。北海道産の小麦だと思うと、その香りがいっそう親密に感じられるのである。

湯気が収まるのを待って、ひと口すすってみる。麺にはほんのりと薄い塩味がついていて、醤油は少なめで十分。聞けば、海水から精製した自然海塩を使っているそうだ。塩はうどんのコシを生み出す原動力にもなるが、あまり多いと風味に角が立つ。その絶妙なバランスを舌で感じ、しかるのちに痛快な喉越しを味わう。まさに至福の瞬間である。

Umeya東京競馬場には『梅屋』という店があって、私はよくそこで肉うどんを食べるのだけど、「かくも正攻法のうどん店が、わずか駅ひとつ隔てた場所にある」と思うにつれ、私の心は千路に乱れるのである。

いや、でも『梅屋』の肉うどんも美味いんですよ。

 

 

 

 

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2009年11月 5日 (木)

うどん祭りを競馬場でも

最近はうどんにまつわるニュースを欠かさずチェックしている私であるが、つい先日、香川県自らが開発を進めてきた香川県産の讃岐うどん専用小麦について、『香育21号』という品種が選ばれたと発表があった。11月上旬にも農林水産省に品種登録を申請し、2013年の収穫分から独自ブランド『さぬきの夢』として売り出すという。

Komugi小麦粉はうどんの命と言っても過言ではない。

”うどん通”の会話を聞いていると、「スズメ」とか「金魚」とか「アヒル」という単語が出てくるが、実はこれは小麦粉のブランド名である。「アヒル」は日讃製粉の、「スズメ」や「金魚」は日清製粉の商品名で、オーストラリア産の小麦粉をベースに細かなブレンドが施されている。ちなみに、香川県内に限れば、他県にはない香川県特別仕様のブレンドもあるそうだ。凄いですね。

 

神田小川町の讃岐うどん店『まるか』では「雀」を使用している。粘りと風味に優れ、讃岐うどん特有の強いコシを生み出してくれる小麦粉だそうだ。「雀」の25キロ袋が店内に山積みになっているその様は、なかなか壮観である。

Maruka  

その『まるか』に入り、例によってカマタマを注文。小麦粉の香りを楽しむには若干ネギが多いような気もするが、こちらの店ではネギを入れられた状態で供されてしまうので、オーダー時に「ネギ抜き」とか「少なめ」などと指定しよう。

Kamatama  

香川県の『さぬきの夢』に話を戻す。

同県は自他共に認めるうどん王国だが、実はそこで使われる小麦粉の大半は前述したようにオーストラリア産である。地元では「香川の風土で育った小麦でうどんを」との声は強くあり、県の農業試験場などが2000年、粘りと弾力に優れた「さぬきの夢2000」を品種登録したが、うどん店や客からの評判がたいそう悪く、自然消滅してしまったという経緯がある。

なにせ丸亀競艇の開催期間中には、県内の人気店が日替わりで場内で営業する「うどん祭り」も開かれるほどのお土地柄。誰もがうどんには一言持っている。

そうした反省から、今回の『さぬきの夢』選考に際しては、うどん店主や製麺業者を中心にプロジェクトチームを編成。先月には1000人規模の無料試食会も開催した。王国の威信をかけた試みは、いよいよ本格化するわけだが、それにしても丸亀競艇の「うどん祭り」は羨ましい。ぜひどこかの競馬場でもやってもらいたいイベントである。

 

 

 

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2009年10月31日 (土)

蒸すもまたよし

Musmus健康志向の高まりに伴い、蒸し料理専門店が繁盛していると聞く。過日訪れた新丸ビル内の『ムスムス』は、季節の野菜の蒸し料理を本格的に楽しめるということで女性客でほぼ席は埋まっていた。男といえば、我がテーブルの数名のみといった風情。これを”異様”と書いては誤解を与えるかもしれないが、まあ不思議な光景ではある。

丸いせいろに、トマト、ジャガイモ、カボチャなどの野菜がぎっしり詰まっているのが「旬野菜のせいろ蒸し」。蒸されることで野菜の味が濃厚に感じられるというのは、どうもピンとこないのだが、実際に食べればそうなのだから、これは「食べてくれ」と言うほかはない。

実際には、蒸すという調理法においては、失われる旨味がほとんどないということなのだろう。それは野菜ではなく魚のせいろ蒸しにおいてより顕著になる。日本海から直送された様々な魚を使っているそうで、腹に刻んだショウガを詰め、せいろに利尻昆布を敷いて丸ごと蒸された甘鯛は出色の味わいであった。

「蒸し料理ブーム」の波はしゃぶしゃぶ専門店にも及ぶ。一昨日の夜は、銀座の老舗「しゃぶ通」で「蒸ししゃぶ」なるメニューを見かけてひっくり返った。

Shabu湯気の立ち上るせいろの中には、キャベツや白菜などが敷き詰められていて、既に下蒸しされている状態。そこに、しゃぶしゃぶ用に薄切りした牛肉を広げて載せて、せいろのふたを閉じる。ほどなくして食べ頃を迎えたら、肉で野菜を巻いて ポン酢かゴマだれでいただく。うむ、旨い。

自称「しゃぶしゃぶの権威」でもある同行者によれば、蒸すことで、余計な脂が取り除かれるから良いのだそうだ。

いや、ちょっと待て。ジャストモーメント。こういう時に必ず使われる「余計な脂」とは、いったい何を指してのことか? 脂が余計なら、サシの入った霜降り牛など食うな。さらに、落ちた脂は下の野菜が思い切り吸収している。それを巻いて食べるのだから、結局同じことではないか!

なんて、酔っぱらいの戯言に、高貴な蘊蓄は無惨にもかき消されてしまうのである。もちろん好みの問題だが、私個人は、赤い色をした肉が、鍋に浸かるや瞬く間に淡いピンク色に変わってゆくあの姿こそがしゃぶしゃぶの醍醐味と思う人間なので、しゃぶしゃぶはやはり鍋で食いたい。いや、蒸ししゃぶも相当旨いけどね。

ところでデムーロ騎手もしゃぶしゃぶが大好物。最近の彼は冬にしか来日しないけど、よもやしゃぶしゃぶが旨い季節に合わせているわけではあるまいな。

 

 

 

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2009年10月15日 (木)

ノルウェイの馬

昨日の「サーモン問題」について、さっそくコメントをいただきました。ありがとうございます。近所の寿司屋さんから届いたメールにも「ノルウェー・サーモンに代表される輸入養殖魚に由来するものだろう」とある。

鮭という魚は、体内に寄生虫を宿していることがあるので、そのままでは生食に適さない。ためにいったん凍らせてから食べるルイベが主流。寿司ネタにも向いているとは言えなかった。

そんな中、鮭の養殖を国家事業として営むノルウェーなどでは、寄生虫ゼロの鮭を養殖して世界中に販路を広げている。手軽に生食にができることから、通常の鮭とは区別して「ノルウェー・サーモン」というブランド名のまま流通し、いつしか「ノルウェー」の部分が消えたというのである。

「安全性の問題はあるが、ノルウェーの水産技術とマーケティング戦略は見るべきものがある」と、そのメールは結ばれていた。

ふ~む。ノルウェー凄いですね。わざわざ教えていただいてありがとうございます。お礼に明日お店に行きます。

さて、そんなノルウェーにも競馬はある。モンジューとエルコンドルパサーがマッチレースを繰り広げた1999年の凱旋門賞には、ノルウェーからアルバランという馬が参戦していたほどだから、レベルは決して低くはない。わざわざイギリスやドイツからノルウェーまで遠征する馬だっている。

ノルウェーでもっともメジャーな競馬場は、間違いなくオーヴレヴォル競馬場。なぜここがメジャーかというと、ギャロップレースを行う競馬場はここ一カ所のみで、他はすべてトロット専用だからだ。ちなみに、オーヴレヴォル競馬場は、ディック・フランシスの競馬ミステリーシリーズ「暴走」の舞台にもなったことでも知られる。

競馬場を紹介するサイトを見ると、何が書いてあるのかはまったく読みとれないが、写真を見る限りとても楽しそうなところだ。機会があれば行ってみたいですね。

 オーヴレヴォル競馬場:http://www.ovrevoll.no/

 

 

 

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2009年10月14日 (水)

鮭 Or サーモン

Salmon2寿司の話が続いてしまって恐縮だが、純然たる日本食の寿司において、どうして鮭のことを「サーモン」などという異国語で呼んだりするのであろうか?

もともと「サーモン」なるネタは主に回転寿司においてよく見かけるものであり、ネタとして扱っていない寿司店も多い。だが、こないだ訪れた築地の(ちょっとばかり名の通った)店には、しっかりとあったのである。

カウンターに独り寂しく座り、いよいよ今週末に迫った秋華賞についてあれこれ思索を巡らせていたところに、突然目の前の職人さんが「へい!サーモン一丁!」なんて叫んだもんだから、思わず吹き出しそうになってしまった。もうこれで秋華賞が当たる気はしないですよ。困ったもんだ。

鮭という魚は、過去から現在に至るまで我々日本人の食生活を支えてくれている功労者である。そんな鮭様を軽々に異国語で呼び捨てにするのは、鮭の尊厳を脅かす愚行に思えてならない。(大袈裟)

ともあれ、「鮭」でダメな理由でもあるんですかね? コンビニのおにぎりだって、ちゃんと「鮭」となってるではないですか。

回転寿司特有のネタゆえ輸入品がほとんどだから、という推測もできる。だが、それなら鮪もイカも海老もみんな英語で呼ばれるべきである。

鮭だけが「サーモン」と呼ばれる理由として考えられるのは、

1.「酒」とのオーダーミスを避けるため
2.「蛙」と勘違いする客がいて騒ぎになるから
3.もともとアメリカで寿司ネタとして定着した名残り
4.実は鮭ではない

といったあたりが浮かぶのだけど、実際のところどうなのだろう。

北海道のお寿司屋さんでは、堂々と「鮭」と書かれていることが多くて、そういうお店でいただく鮭の握りはとても美味しい。そんなお店が東京にもたくさんあれば、落ち着いて秋華賞の予想に没頭できるのだけど…。

 

 

 

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2009年10月13日 (火)

ばらちらしの誘惑

Bara東京記念の大井競馬場で「ばらちらし寿司」の話題が出たのを思い出したので、今日のお昼は大手町『今よし』のばらちらし(数量限定・1000円)です。

マグロ、カンパチ、タコ、小柱、イクラ、玉子、キュウリといった具材が上品に散らされた一品(注:具材は日によって異なる)。シャリの分量は好みに応じてくれるので、女性でも若い男性でも注文しやすい。

ちなみに私の場合、普段は何も言わずに「大盛」が供されるが、妻を伴って訪れた時には、黙っていても「少なめ」になって出てくる。こういったあうんの呼吸こそが、良い店かそうでない店かの分かれ目であろう。寿司屋に求めるのは、なにも高級ネタばかりではない。

ちなみに、「ちらし寿司」というのはシャリの上に様々なネタを散らした寿司の総称で、「ばら寿司」は「ちらし」とほぼ同じだが、食べる前にシャリとネタをよく混ぜる(ばらす)ものを指すそうだ。西日本では、家庭で作るのは「ばら寿司」で、店で供されるものを「ちらし寿司」と使い分けたりするが、そう聞けばそれも頷けるものがある。

ところで、私は江戸前のいわゆる「生ちらし寿司」というものを好んで食べることはない。シャリの上に大きなネタの切り身がただズラズラと並べてあるのが苦手なのである。刺身でご飯を食べたいなら刺身定食を頼めば良いのだし、酢飯にこだわるなら握ってもらえば良いと思ってしまう。

私が本来こうあるべきと思う「ちらし寿司」に刺身のイメージはない。シイタケのみじん切りを混ぜ込んだシャリに金糸卵を敷き、きゅうり、エビおぼろ、酢ジメした小肌や春子、蛸の桜煮、そして焼き穴子といった具材を彩りよく飾ったもの。これぞ「ちらし寿司」である。本来、寿司の美味さというのは、混ぜたり、押したり、締めたりするところから生まれるのであるから、敷き布団(シャリ)の上に掛け布団(切り身)を敷き詰めるだけでは足りないわけだ。

東京でよく見かける「ばらちらし寿司」という呼び名は、刺身を並べた「生ちらし寿司」と区別するためものであろうが、実はこっちの方が本来の「ちらし寿司」に近いと思う。

Barachira呼び方はどうあれ、東京で「ばらちらし」と言えば、神楽坂『二葉』を置いては語れまい。こちらは、昼だと16種類(1500円)、夜はなんと21種類(2500円)もの具材が大ぶりの椀の中で踊る圧巻のばらちらしが有名。昼食時だけで一日50食は出るという超人気店だ。

もちろん、あらかじめすべての具材に下味がつけてあるから醤油をかけ回すような野暮をしないで済む。その味付けも、季節や客の年齢を見て微妙に変えているという。これはありがたい。ありがたいが、先に触れたように「ちらし寿司」というのは元来がそういうものなのである。

 

 

 

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2009年10月 5日 (月)

恐るべし香川県

香川の名物といえば「讃岐うどん」と、あともうひとつはいったい何   

こう聞かれたら「骨付鶏」と答える人は多いのではないかだろうか。香川ではそれくらいポピュラーな料理だそうである。

3年前に公開された映画『UDON』の中で、主演のユースケ・サンタマリアが骨付鶏にかぶりつくシーンもあったが、私などはこのシーンにうどん以上のインパクトを受けた。ここのところ完全に讃岐うどんにインスパイアされている私だが、「骨付鶏を知らずして讃岐うどんを知ることはできぬ」との思いを胸に、過日青葉台にある『一鶴』を訪れたのである。

新鮮な鶏を塩、胡椒、ガーリックで味付けして一晩寝かせておき、客の注文を受けてから調理を開始。旨味を逃さぬよう専用の窯で300℃の高温で15分ほど蒸し焼きにする。窯から取り出した鶏に、窯に残った肉汁をジュジューッとかけて完成。写真はランチセットで、キャベツとスープと鶏飯(白飯も可)が付いてくる。

Tori  

ひと口かぶりついてみれば、なるほど皮はパリっと香ばしく、対照的に柔らかい身はたっぷりと肉汁を含んで噛めば噛むほど旨さが溢れ出る。生姜を利かせた鶏飯も意外にさっぱりしていて、思わずお代わり(無料)。

う~む、それにしても旨いですね。「大井競馬場に手羽先専門店を実現する若手カメラマンの会」のメンバーとしては、いろいろ思うところもある。なぜに香川県には競馬場がないのであろうか?

 

 

 

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