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2012年2月29日 (水)

雪に思うこと

「今日の川崎は中止だそうですよ」

正午頃に川崎競馬中止の一報を受けると、すぐさま電話をかけて、そう伝えた。

電話の相手はプレシャスジェムズの会員氏。ちょうど家を出たところだという。横なぐりの雪が降り続いているというのに、スーツに革靴という格好で競馬場に向かおうとしていたのは、もちろん口取りに備えてのことである。

逃げ馬に有利な不良馬場に加え、鞍上は武豊騎手にスイッチ。クラーベセクレタやミラクルレジェンドといった有力馬が揃って休養明けであることも加味すれば、勝つチャンスはゼロではあるまい。仕事も特別に休みをもらった。あとは現地でプレシャスジェムズが逃げまくるのを固唾を飲んで見守るだけ。……だったのに、この雪は痛恨である。

「そうですか……。う~ん……、残念ですけど。仕方ありませんね。知らせていただいてありがとうございます」

相手はそう言って電話を切った。私自身もやるせない気持ちになって、せめて代替開催があってくれればと願ったのだが、それもないという。

ダートグレードレースが中止になった初めてのケースは、2002年7月10日に同じ川崎で行われる予定だったスパーキングレディーカップ。台風6号の接近により、今日と同じようにこの日の開催全レースが中止となった。が、この時は、スパーキングレディーカップだけが、翌日に出馬再投票の上で実施されており、ジーナフォンテンが優勝を果たしている。

ところが、今回のエンプレス杯は「取りやめ」だという。昨年の震災で、一度は「中止」と発表されたダイオライト記念が次開催で実施された例があるが、エンプレス杯を次の川崎開催で実施するとなれば、同じ牝馬限定重賞の船橋・マリーンカップの翌週ということになってしまう。そのマリーンカップにしても、震災の影響で昨年は中止。今回のエンプレス杯と同じように、延期とするのに適した日程が無いという理由から、代替開催は行われなかった。密集気味の感がある牝馬限定ダートグレードは、別開催に振りわけにくい側面を持つ。

出れば勝ち負け必至と思われたクラーベセクレタの会員氏も、順延ではなく中止という決定に落胆の色を隠せないでいた。ぶっちゃけ、賞金をアテにしていたという。勝てば会員ひとりあたり60万。その賞金が雪のように消えてしまった。「60万をなくした」と思えば、平常心ではいられまい。それでなくとも、昨年のジャパンダートダービー3着の賞金返上の一件もある。

Ashige  

そんなことを考えつつ、窓の外の雪を身ながら午後を過ごしていたら、同じサンデーサラブレッドクラブのレーヴディソール引退の報が届いた。チューリップ賞を圧勝し、桜花賞確実と言われてからちょうど1年。こちらの会員氏も、天国を見たり地獄を見たりたいへんだったことだろう。クラーベセクレタやレーヴディソールの会員でなくて良かった……とまではさすがに思わないが、走る馬の会員というのも、それなりに苦労があるのかもしれませんね。それはそれで羨ましいのだけど。

 

 

 

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2012年2月28日 (火)

千年の奇跡

競馬における「人気」というのは膨大な「知の集積」であるから、意味のないものとして軽視することはない。だがしかし、だからと言ってそれを鵜呑みにして人気上位馬から馬券を買うような真似をすることもない。

長嶋茂雄氏の言葉を借りれば「人気は、信頼すれど信用せず」といったところか。それでも、知の集積度合いが大きいはずの重賞レースで、1番人気と2番人気馬が最下位を争うような展開になれば、さすがに驚かされることになる。

一昨日の中山記念。単勝1.9倍の圧倒的1番人気に押されたトゥザグローリーは、勝ち馬から1秒5も離されたブービーに、そして2番人気レッドデイヴィスは、さらにコンマ4秒遅れた最下位に敗れた。

上位人気馬が大敗することは間々あるが、それが同じレースで2頭揃ってとなると滅多にあることではない。私の知人は、手にしたばかりの給料の半分を2頭の馬連につぎ込んで大炎上。2日が経った今日も会社を休んでいるという。

同じように2頭の奇跡が重なることで、人気と着順が逆転することもある。1989年のエリザベス女王杯。20番人気(最低人気)のサンドピアリスが勝って、武豊騎乗の1番人気のシャダイカグラが最下位というケースは、GⅠの舞台としては百年に一度の珍事であろう。単勝43060円。枠連は8460円。だが、2着が10番人気のヤマフリアル、3着が14番人気のシンビクトリーだったから、もし3連単が導入されていたら史上空前の高配当になっていた可能性もある。

重賞レースで上位人気馬が揃って最下位争いを演じ、しかも同時に低人気馬が人気を覆して激走   。それを出走全馬が演出するするケースとなると、もはや千年に一度の奇跡ではないか。そんな奇跡が過去に一度だけ起きたことがある。

それは今ではすでに廃止された重賞「第9回・中山特別」で起きた。

1955年の暮れの中山競馬場。6頭立てで行われた芝2400mのハンデ重賞である。その結果はご覧の通り。

 1着 ヒデホマレ 阿部 6人気
 2着 クリチカラ 森安 5人気
 3着 カネエイカン 高橋英 4人気
 4着 ホマレオー 野平祐 3人気
 5着 フアストロ 渡辺正 2人気
 6着 メイヂヒカリ 蛯名 1人気

しんがりに敗れたメイヂヒカリはこの年の菊花賞馬。レコード勝ちの勢いを買われて1番人気に押されたが、とはいえ3歳馬が古馬一線級相手に61キロのトップハンデは厳しかったに違いない。

それにしても、人気の正順であっても6着までの入線となると滅多にない。ましてや起こりにくいはずの逆順が出走全頭で起きたのである。フルゲートが当然の現代の競馬では、まずお目に掛かることはないだろう。

 

 

 

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2012年2月27日 (月)

銀座ステークスの謎

「なんで“銀座特別”っていうレースがないんだ?」

Umigohan 

ここは銀座の『海ごはん』。そこで出されたカツカレーうどんのカツの厚さに驚きつつも、旨そうにカツを頬張る知人がそう呟いた。写真では伝わりにくいかもしれないが、中央付近で厚さ4センチほど。つまり丼もそれだけデカい。

Udon  

彼は昨日の東京マラソンに出場。完走を果たしたのちに、中山競馬場に駆けつけ、中山記念を観戦してきたというツワモノである。銀座の街を走りながら、◎シルポートからどの馬に流そうかと、アレコレ考えていたのだそうだ。そのかいあって馬券は的中。走りながら考えると馬券が当たるのなら、私も走ってみようか。

Wako  

「そういえば、秋葉原特別とか日本橋ステークスとかがあってもよさそうなものだけど、ないよなぁ」

そう言って私は考えてみた。「東京」の名を戴く東京競馬場がありながら、そこで行われるJRAのレース名に都内の地名を使っている例はほとんどない。大阪の場合は、心斎橋も、梅田も、京橋も、難波も、淀屋橋もレース名に使われているのに、東京には「丸の内ステークス」も、「六本木ハンデ」も、「渋谷特別」も、「新宿記念」も存在しないのである。

中山競馬場のレース名には、両国、清住、葛飾といった地名が使われているが、こちらはいずれも隅田川の東側。となると「目黒記念」や「浅草特別」、「汐留特別」はむしろ例外的存在と見るべきであろう。

「大井競馬場に遠慮しているのかなぁ」というのが、うどんを食べながらの仮説であった。

23区が主催する大井競馬のレース名は都内の地名を使うことが多く、「お台場特別」も「代官山特別」も「三軒茶屋特別」もある。だけど、そもそもレース名が被って困ることってあるのだろうか? 「おい、悪いけど、目黒記念の馬券を買ってきてくれ」と頼まれた人が、WINS汐留ではなく、間違えてOFFT汐留に行ってしまって、「目黒区特別」の馬券を買ったりしませんよね。「船橋ステークス」と「船橋記念」のように、中央と地方でそれぞれ長くレース名として親しまれた地名だってある。

JRAの特別競走名には一応の原則がある。まず、年齢による原則として、2歳および3歳春のレースには、その時期の花、草木の名称を付け、古馬のレースには、季節にちなむ名称、競馬場周辺の地名、河川、湖沼、海洋、山岳名、さらに誕生石、月名、星座名を付けることが決まっている。

次にレースの格による原則として、上級クラスは「ステークス」、中級クラス以下は「賞」「ハンデキャップ」「特別」の呼称を付与するというものがある。

ただし例外も少なくない。先日京都で行われた「きさらぎ賞」は、陰暦二月の呼称を使っており「賞」も付いているから、原則に従えば古馬の中級以下ということになってしまう。原則はあくまでも原則として、諸事情を勘案して決定されるのだが、特別レースの命名にはJRA担当者も苦労していると聞く。

聞いたこともないような誕生石や星座の名前を使うくらいなら、せめてWINS立地の地名を使えないものか。「水道橋特別」とか「銀座ステークス」なら、さほど違和感を感じないと思う。だが、それさえもないというのは、やはり何か理由があるんでしょうかね?

 

 

 

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2012年2月26日 (日)

ハッピールック

夕べはあのまま館山泊。その帰途にこんな店を見つけました。

Pineki1 

どうやらこちらは、「とんねるずのソフトクリーム」で★★★に輝いた『ピネキ』さんのようですね。

Pineki3 

そうなれば、何はともあれまずはピーナッツソフトです。

Pineki2  

なるほど、これは濃厚な落花生ですな。ノリさんが「店の権利買う」って言い出したのも分からないではない。ソフトクリームだけでなく、お店で売っている落花生はどれも美味いものばかり。特に「手剥き」は出色の旨さです。

ともあれ、昨日がビワソフトで、今朝がピーナッツソフトと来たら、マザー牧場のミルクソフトも食べないわけにいくまいということで、やって来たのですが……、

Mother2  

……写真を撮る前に娘が囓ってしまいました。 

Mother1 

ところで、マザー牧場にはハッピールックという馬が繋養されています。そう、あのハッピールックです。

Happy1  

シンコウラブリイの全妹である母シンコウビューティーに父トニービンだから、血統的には中京記念を勝ったロードクロノスとほとんど同じ。ハッピールック自身も重賞レースこそ2度の2着にとどまったが、オープン特別2勝の実績は素晴らしい。シンボリクリスエスとゼンノロブロイといった2頭の看板ホースを擁した当時の藤沢和雄厩舎にあって、厩舎の看板ステイヤーとしてしっかりとその存在感を示していた。

Happy  

上の写真は2003年目黒記念のパドック。ここで9着に敗れた直後、彼は去勢手術を施されることになる。

「去勢」と聞けば気性難を思い浮かべるが、彼(でイイのか?)の場合、太りやすい体質でそれが脚元に悪影響を及ぼしていたのを、去勢によって解消しようと試みたのである。実際、去勢後してから20キロ以上もスリムになって、みなみ北海道Sと札幌日経OPの2つのオープン特別を勝ったのだから、一定の効果はあったと見るべきなのだろう。

14歳になった今も入念にウオーミングアップを施してから……

Happy2 

お客さんを乗せてます。

Happy3  

元オープン馬なので上級者でなければ乗せてもらえない……などということはありません。父トニービン、母の父カーリアンという血統からは想像もできないくらいおとなしい性格の持ち主ゆえ、初心者でも全く問題ないそうです。

 

 

 

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2012年2月25日 (土)

ビワざんまい

千葉の市原まで馬を見に行ったついでに、富浦までやってきました。ビワの殿堂「枇杷倶楽部」です。

Biwaclub_2  

2000年に「道の駅日本一」に輝いた観光名所。併設されたカフェや売店ではビワを使ったメニューがずらりと並んでいる。

ビワカレーライスは、裏ごししたビワピューレがルーに溶けて、辛さの中にもビワの甘味を感じる一品。美味いです。

Carry  

ビワカレースパは、そのビワカレーをパスタに絡めて目玉焼きを乗せたもの。実は最近の私はカレースパにハマり気味なのですが、その話はまた後日に。

Spa  

ビワハヤヒデは1993年の菊花賞馬。今年で22歳ですが元気にしているようですね。

Hayahide  

ビワシャーベットは、ビワ独特の上品な酸味が強調されて、なかなかイケる。懐石料理のデザートでも使えそう。

Sharbet  

ビワハイジの2009は、すなわちジョワドヴィーヴル。来週のチューリップ賞でいよいよ3歳緒戦を迎えますね。

Jowado  

ビワソフトクリームは、「みなさんのおかげでした」で紹介されたのをきっかけに一気にブレイク。ビワのペーストが練り込まれていて、ビワと牛乳の2種類の甘みが口の中に広がります。

Soft  

ビワシンセイキは、韓国で種牡馬になっています。産駒は結構活躍しているとのこと。我が国に残された産駒には、2008年の岩手2歳チャンピオン・ワタリシンセイキがいます。

Shinseiki  

そんなわけで、ビワざんまいの一日でした。

 

 

 

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2012年2月24日 (金)

申告の季節

今日も「控除に関する報道」について。でも競馬法改正の話ではありません。

やってきたのは税務署です。

Zeimusho  

実は昨年、馬券の的中で5億円ほどの一時所得があり、さらに所有馬たちが20億円ほど稼いでくれたので、まあほんの僅かだけど国家に貢献するため税金を納めにやって来た……というのはもちろん嘘。まあおわかりでしょうけど諸々の還付申請ですよ。そりゃ。

ともあれ世の中は確定申告の季節である。この時期、騎手たちも御多分に漏れず頭が痛い。騎手の収入は、賞金の5%と騎乗料(約3万)が主だから、税務署から見れば“明朗会計”だ。一流アスリート共通の悩みとはいえ、常に命を危険にさらしている割に、収入の歩留まりは悪い。

1997年春。岡部幸雄、武豊、横山典弘ら東西の有力騎手たちが一斉に国税の税務調査を受け、過去3年間に遡って申告漏れを指摘されるという事態が発生した。追徴税額額はそれぞれ2千万円~5千万円にも及び、TV・新聞は「有名騎手たちが申告漏れ」という見出しで、これを報じたのである。

だが、本来これは税務当局の非が問われるべき案件であった。先ほども書いたように騎手の収入はガラス張りである。申告のポイントは経費算出ということになるが、「35%の経費率を以て算出する」という税務当局が認めた慣例があり、騎手たちはそれに従って申告していたに過ぎない。

だが、この年突然当局は税務調査に踏み切った。その理由は、「騎手によって収入が大きく異なるのに、経費率が同じであるはずない」というもの。

そりゃそうだ。だが、それをいうなら、事前に次の申告からはこの慣例は適用できない旨を通達するべきであった。それなのに、唐突に掌を返して税務調査を行っただけでなく、過去にも遡って税金を搾取するなど話にもならない。他人の申告漏れを指摘する前に、自らの指導漏れが問われるべきだ。

しかももっとひどいのは、それをTVや新聞各社にリークして、報道するよう唆したことだ。普段、競馬関係者には努めて優しく、役人にはことのほか厳しい姿勢で臨むはずのマスコミも、このときはなぜか国税の言いなりだった。「中央競馬の××騎手の申告漏れが判明し……追徴課税○千万円を……」。

そして、申し訳程度に騎手本人の談話を添えるのである。

「税務署で認められてきた通りに申告してきたので、驚いている」

経費率35%の慣例はマスコミ関係者にしてみれば周知の事実であり、ちょっと調べれば……、いや普通に考えても当局の言っていることのほうがおかしいと気付いたはず。なのに、まるで騎手が意図的に所得隠したかのような印象を与えてしまうような報道姿勢に終始した。

この件に限らず、TV・新聞は、税務当局との対峙はなるべく避けたがる。たとえ自らの社が税務調査を受けても、反論記事を掲載したりすることはなく、広報のコメントとして遺憾の意を示す程度だ。

まあ、税務署とイザコザを起こすのは誰だって嫌なもの。大の大人たちが寒風の中わざわざやってきて、文句のひとつも言わずに長々と待たされている光景をこうして眺めてみると、それも良くわかる。

 

 

 

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2012年2月23日 (木)

地方の裁量

昨日今日と競馬法の一部改正案に関する報道が相次いでいる。

「馬券の払戻率が現行の75%から70%に引き下げられるかもしれない」とした上で、

苦境に陥っている地方競馬を経済的に救うためとはいえ、払戻率が引き下げられれば、深刻なファン離れを引き起こすかもしれず、払戻率引き下げは両刃の剣だ。払戻率引き下げに頼るばかりでなく、よりいっそうの経費削減努力と、ファンサービスの向上が求められる。

……というのが概ねの報道基調だ。

だが、先月19日に行われた農水省の会見で、岩本農林水産副大臣の口からまず最初に出てきたのは「地方競馬支援措置の延長」ではなかったか。この“措置”とは2004年の競馬法改正で創設された「競馬活性化計画事業補助金」のことを指す。投票システムの整備や広報などの費用に補助金を支給する制度が今年12月で終了してしまうが、相変わらず地方競馬は台所事情が苦しいのだから、制度延長のための法改正しましょう   という話だ。

続いて副大臣からは払戻率の話があり、さらに競走馬輸出事業への支援についても言及があった。すなわち今回の改正は3本柱なのである。だが、報道では払戻率だけがクローズアップされ、しかも「払戻率が下がる」というシチュエーションばかりが独り歩きしているように思えてならない。「安易な払戻率引き下げは許さん」というメッセージなのかもしれないが、実際には70~80%という狭い範囲の中で、払戻率を主催者に決めさせようという内容に過ぎないのである。

それにしても、払戻率が下がる(控除率が上がる)ことって、そんなに切実な問題なのでしょうかね? 普段から「控除率100%」の馬券ライフを過ごしている身には、あまりピンと来ないのだが(笑)

そもそも払戻率の計算はJRAと地方とでは異なる。単複を除けば「一律75%」と思われているフシもあるが、JRAに限れば「74%」と言う方が正しい。そもそも複勝式の払戻金計算ができる経済記者が、果たして何人いるのだろうか? 払戻率というのはそんなに単純なものではないのである。

ファンが払戻率を気にして馬券を買っているなら、単複の売り上げがもっと伸びるはずだが、実際にはそのようなことはない。また、JRAでは払戻率を約80%に上乗せした「プレミアレース」を実施しているものの、これまでのところ目に見えた効果は報告されていない。

宝くじやToToを見れば分かるように、配当が高いギャンブルに群がるファンは払戻率を気にせぬ傾向がある。だから、もし「3連単を買うファンは払戻率を気にしない傾向がある」という経営判断がなされれば、3連単の払戻率を少し下げて、逆に単複馬連の払戻率を上げればよい。地方では単勝元返しなんて決着は珍しくもないが、そんなみっともない配当を減らす効果くらいはあるだろう。

 

 

 

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2012年2月22日 (水)

ユングフラウの話

ユングフラウ賞には行けなかったので「ユングフラウ」の話を。

「ユングフラウ」はドイツ語で「若い女」の意だが、スイスアルプスの山の名称ということで「乙女」という訳語を充てられることが多い。その意味からこの時期の3歳牝馬限定レースの名前として冠された。すなわち「乙女賞」ですね。ところが、「乙女」を英語で表すと「Maiden(メイドン)」である。その「Maiden」が競馬場で使われると、それは「未勝利戦」の意味。ちょいとややこしい。

未勝利戦以上にややこしいのが条件戦だ。英語で「Allowance(アローワンス)」と呼ばれるレースは「条件戦」と訳されるケースがほとんどだが、この「条件」というのが、JRAのように勝利数だけとは限らないのである。

「1着賞金20万ドル以上のレースの勝ち鞍が2つ未満」とか「この3か月間未勝利」とか「芝のレースで2勝未満」とか「距離1800m以上で未勝利」とか、とにかくいろんな「条件」がある。逆に、こうした条件さえ満たせば、どんなに強い馬でもそのレースに出走することが可能となるわけで、GⅠ勝ち馬がこうした「条件戦」に出走ということも決して珍しくない。「アメリカではGⅠ馬でも降級すんのか!」などと驚く人もいるが、ここで言う「条件」はいわゆる「級別」とは別物。それを一律に「条件戦」と訳すこと自体に、そもそも無理があるのだろう。

邦訳に無理があるといえば「Lsited(リステッド)」も同じ。日本語では「準重賞」と訳されることが多いが、実際に我が国で「準重賞」という名称を使ってレースを実施しているのは南関東地区だけで、しかもレースの性格はLsitedのニュアンスとは若干異なる。

「Listed」とは、その単語の意味通り、競走馬セールのカタログにブラックタイプ(太字)で競走名を載せることができるという意味である。ところが、中にはオープン馬が出走できない準重賞というのもあり、ブラックタイプの価値と必ずしもリンクしない。

今日のユングフラウ賞も数年前までは「準重賞」だった。重賞に格上げされて4年目。今日のアスカリーブル圧勝で、早くも川島正行調教師が連覇である。それにしても川島正行厩舎の3歳馬の勢いはすごい。昨年をしのぐ勢いがある。

 

 

 

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2012年2月21日 (火)

バーバーインザコース

ずいぶんと髪が伸びてしまっているのだけど、散髪に行く時間がなくて困っている。

子供のころからいわゆる床屋さんに通っていたのだが、あのマッサージがどうも苦手で、長じてからはいわゆるカットサロンのお世話になっていた。うつ伏せから仰向けへの変革。ただ、長年通い続けた馴染みのカットサロンが昨年閉店してしまってからは、千円のクイックカットで済ませることもしばしば。他人に髪を洗ってもらうあの感覚を忘れて久しい。

Qb  

私が行くクイックカットの店は決まっている。大井町駅2F、川崎駅東口前、南浦和駅改札脇、そして船橋ららぽーと内の4か所。すなわち、競馬場に行ったついでに髪を切っているわけだ。競馬場に向かう途中とか、レースの合間とかに髪を切るので、とにかく早く済むことが大事。なので料金はあまり問題ではない。2千円払って5分で終わるならそっちを選ぶ。

そういう意味では、競馬場内に理髪店があるのが理想だ。椅子に座ると目の前にモニターがあって、パドックとか返し馬の様子を映してくれるとありがたい。さらに、実はカットスタッフが予想屋も兼ねていて、髪を切っている間、レースの見解や買い目などを教えてくれれば言うことはない。

床屋さんの会話って下手をすると苦痛にも感じられるものだけど、「お客さん、実はここだけの話ですけどね。こないだ××調教師が散髪に見えて、『●●●●●は次が勝負だ』って言ってたんですよ」、なーんて話なら悪くないじゃないですか。まあ、買う買わないは別にしても、「あたしゃ消費税アップには反対ですねぇ。お客さんはどう思いますか?」なんて話をされるより、よっぽどマシだと思う。

戸田競艇にはちゃんとした床屋さんが入っているのだから、競馬場でやれないこともあるまい。他場発売&JRA場外発売により、ほぼ年中無休となる南関東の競馬場なら、商売になるのではあるまいか。私の髪が肩まで伸びる前に、ぜひとも設置をご検討いただきたい。

 

 

 

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2012年2月20日 (月)

あとの祭り

GⅠレースでは、出走馬の関係者がパドックの内側で談笑するのが慣わし。さらに頃合いを見てジョッキーがその輪に加わる。愛馬の仕上がり具合やこのあとのレース展開などについて言葉を交わすうち、祝賀的なムードの中にも徐々に緊張感が高まってくるのである。そういえば、この緊張感、ここ数年味わってないなぁ。

Feb  

昨日のフェブラリーSでも、パドックの中にできた人の輪を目指して、三々五々ジョッキーが歩み寄っていった。リラックスした表情の騎手もいれば、思いのほか緊張した表情を浮かべている騎手もいる。ここでの騎手の表情をチェックするのは、私のパドックでの楽しみのひとつにもなっている。

ところが、ひとりの騎手が人垣をかき分けるようにして、こちらに戻ってきた。首を捻り、苦笑いを浮かべながら「いないんだよ」とポツリ。「赤黄縦縞、袖緑二本輪」の服を身に纏った岩田康誠騎手である。

Iwata  

オーナーの吉田和美氏も、夫の勝己氏も、オーストラリアへ出かけて不在だという。だが、いま思い返せば、これは陣営にとってある意味吉兆だった。ジャガーメイルが勝った天皇賞でも、キンシャサノキセキが勝った2度の高松宮記念でも、オーナーである和美氏は現場にいなかったのである。ゲンや占いを気にせぬ私とはいえ、7番人気での圧勝ともなれば、そういうところに勝因のひとつを求めたくもなる。

Testa2  

もともと能力が高い馬であることは承知している。3歳夏に勝ったジャパンダートダービーを指して言っているのではない。2歳秋に芝マイルの新馬戦を勝ったテスタマッタは、しばらくクラシック路線を歩んでいたが、ダービー当日の5レースで初めてダート戦に出走してきた。もともとダート血統なのだし、ダービー出走が絶望となったのだから、芝にこだわる必要もないだろう、という程度のことだったのだろう。

ここで彼は1400mを1分22秒8という破格の時計で優勝してみせたのである。同じ日の富嶽賞を勝ったコンティネントは1分23秒6。前日の欅Sを勝ったダイショウジェットは1分22秒1だった。

3歳5月にして、既に古馬オープン並みの時計をマークした以上、次走ジャパンダートダービーでの彼の快走は保証されたも同然だった。なのに、あのJDDで私は彼を買ってないのである。1ヶ月の間に忘れてしまったのだろうか。今回のフェブラリーSでも、「吉田和美オーナーが不在の時は買い」というセオリー(なのか?)を思い出したのは、帰宅して、夕食を摂って、風呂に入って、寝ようと布団に入ったその瞬間だった。

思わず「ああっ!」と声を出したのだが、あとの祭りもイイトコ。今さらながら思うに、こういう忘れっぽい人間は、馬券なんか買うものではないのかもしれない。

 

 

 

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2012年2月19日 (日)

晴れ、のち土砂降り

駅に着くとちょうど電車が到着するところ。パッと適当に乗ったら目の前の席が空いた。

Kairo 

東京競馬場の正門をくぐるとこんなカイロをもらえるし、吉野家で牛丼を頼んだら、牛肉の割合がやたらと多い。

Don 

スタンドの自席に着くと、後ろの人が「買い過ぎちゃったんで」と温かい缶コーヒーをくれた。場内も昨日と違って今日は暖かくて助かる。しかも、さほど考えずに3点ほど買った1レースの3連単馬券が、いとも簡単に当たるのである。

普段から縁起・占い・運勢の類はいっさい信じぬ私ではあるが、ここまで続けば今日はツイているぞと思わずにはいられまい。そのツキを確定するかのように、その後のレースでは知人の馬が見事優勝。馬券的中に加え、口取りの栄誉にも授かることができた。

Zekken 

「ひょっとしたら、今日は一生に一度のラッキーデーなんじゃあるまいか?」

ついさっきまでは半信半疑だったのが、優勝ゼッケン(※業務連絡:馬主様、後日写真と一緒にお送りします)にジョッキーのサインをもらっているうちに、その思いは確信に変わった。今日勝負せずに、いつするのだ?!

そんなわけで、この設備に初めてお世話になりました。ここからは普段の10倍の額で勝負である。

Atm 

直後の7レースは発走直前。検討している余裕はないので、前走で馬券のお世話になったメジロカトリーヌの複勝をささっと購入。すると、メジロカトリーヌはポンとハナを奪うと直線に向いても内ラチ沿いで粘る。粘る。粘って、3着! ほら、今日は何買っても当たるゾ!

7r  

……と思ったのに、カメラから顔を離してビジョンを見たら、なんとハナの4着でした。ありゃ? おかしいな。

やはりちゃんと検討しなきゃダメだよな、と思って自席に戻ったら、さっきまでの暖かさはどこへやら。冷たい風がびゅーびゅーと吹き付けて、とても予想どころではない。

9r  

案の定8レースはここに書くのもはばかれるほどの歴史的大敗。続く9レースは4番人気ロジメジャーの頭固定で勝負するも、またもハナ負け。突然強くなった北風同様、ツキの方も風向きが変わってしまったのか。だが、もはや後へは引けないのでメインのパドックを真剣に見る。

エスポワールシチーは6キロ減らして500キロ。一昨年にこのレースを勝った時の498キロとほぼ同じ体重に戻してきた。

Espo 

トランセンドは2キロ減の518キロ。肩の筋肉が相変わらず素晴らしい。

Tran 

そんな2頭を絡めた私の大勝負馬券は、この馬が直線で抜け出した時点で完全に紙クズと化したのでありました。テスタマッタの弾むような走りっぷりに、声も出ず。

Testa 

思っていた以上のハイペースになったことがテスタマッタの勝因とされているけど、この激流でもテスタマッタはしっかりと引っ掛かっていましたよ(笑) 根岸Sでも引っ掛かるほどの馬が、ドバイワールドカップでいったいどんな競馬を見せるのか? まだ選出されたわけではないけど興味は湧いてくる。

今日の私の運勢は晴れのち雨。しかも、その変わり目が極端過ぎた。やはり「運」なんてモノを意識しちゃいけないんでしょうかね。

 

 

 

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2012年2月18日 (土)

競馬場の哲学者

競馬場に着くとまず一杯のコーヒーを飲むことにしている。

Coffee  

特に1レース発走前に、東京競馬場スタンド6Fのレストラン『ときわ家』で飲む一杯がことのほか美味い。朝の競馬場は空気も澄み渡っており、天井のスピーカーからは抑制された音量でホルストなんかが流れてくる。ひょっとしたら、夕方には億万長者になっているかもしれぬ。ポケットから溢れる札束でいったい何を買ってやろうか。思案が深まるひとときである。

若い時分は、競馬場に着くなり生ビールをごくごくとアオっていた。だが、トシを重ねることで、競馬場での一日をもっと大事にせねば、と思うようになったのかもしれない。今はコーヒーの方が嬉しい。

Hit1   

馬主席に入らぬ時も、3Fの『ヒットカフェ』で朝の一杯を必ずいただく。隣の『エクセルシオールカフェ』のコーヒーも美味しいのだが、イスもテーブルもゆったり配置されたこちらの方がお気に入り。そこはホテルオークラの経営にかかる一店。多くの人が行き来する通路のすぐ脇にありながら、なぜかゆったりとくつろげる。

Hit2  

自分がコーヒーを飲むのは、どうもコーヒーを飲むためにコーヒーを飲むのではないように思われる。うちの台所で骨を折ってせいぜいうまく出したコーヒーを、引き散らかした居間の書卓の上で味わうのではどうも何か物足りなくて、コーヒーを飲んだ気になりかねる

というのは、物理学者で文学者でもあった寺田寅彦の「コーヒー哲学序説」の一節だが、これには大きく肯かされる。ようは、コーヒーの味わいというものは、そこに付随する風景にも左右されるのである。

さらに「コーヒー哲学序説」からの引用を続ける。

コーヒー茶わんの縁がまさにくちびると相触れようとする瞬間にぱっと頭の中に一道の光が流れ込むような気がすると同時に、やすやすと解決の手掛かりを思いつくことがしばしばあるようである

コーヒーに自律神経を活性化させる効能があるのはご存じであろう。すなわち馬券検討にも少なからぬ効果が期待できる。赤ペンがマークカードに相触れようとする瞬間にぱっと頭の中に一頭の馬が流れ込む……なんてことになれば、もう馬券での勝利は約束されたようなものだ。

「コーヒー」は日本語で書けば「珈琲」だが、もっと古い表記になると「可否」というのもあるらしい。こうなるともはや哲学的な趣きさえ漂うが、その一方で馬券検討の「取り捨て」にも通じて親近感も覚えるから不思議だ。

ところで、今では誰もが使う「天災は忘れた頃に来る」というフレーズを最初に使ったのは、誰あろう寺田である。が、「逃げ馬は忘れた頃に来る」を最初に使ったのはいったい誰であろうか? まさかの15番人気ケイアイドウソジンの逃げ切りに打ちのめされ、反省コーヒーをすすりながら、ついついそんなことを考えた。

Nt  

宗教は往々人を酩酊させ官能と理性を麻痺させる点で酒に似ている。そうして、コーヒーの効果は官能を鋭敏にし洞察と認識を透明にする点でいくらか哲学に似ている

人それぞれ思いはあろうが、競馬場の風景には宗教より哲学が似合う。そう思えば、競馬場のコーヒーというのはあながち間違った選択ではあるまい。明日も朝イチでコーヒーをいただくこととしよう。

 

 

 

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2012年2月17日 (金)

マリエンバードの代表産駒へ

先日の大井・金盃は、中団を追走したトーセンルーチェが直線で力強く抜け出すと、後続に3馬身差をつける完勝で重賞初勝利を飾った。

Tosen  

「いつも良い脚で追い込んでくるのに、あと一歩足りない」というイメージがあった彼だが、今回はスタートが決まり、好位置での競馬ができたことがまず勝因のひとつであろう。母はファーザ。言わずと知れたフリオーソの弟である。お互い人気を背負っての兄弟対決も、いよいよ現実味を帯びてきた。

フリオーソの父はブライアンズタイムだが、トーセンルーチェはマリエンバードの産駒。マリエンバードは、クラシックにこそ縁がなかったものの、5歳になって本格化。ベルリン大賞、バーデン大賞、そして凱旋門賞とGⅠを3連勝して一躍欧州古馬戦線のトップに上り詰めた2002年の秋シーズンは、まだ記憶に新しい。

その凱旋門賞で負かした相手がまた素晴らしい。世界6か国のGⅠレースを制したスラマニを筆頭に、英愛ダービー制覇&BCターフ連覇のハイシャパラル、ジャパンカップや香港カップを制したファルブラヴ、そしてわが日本のマンハッタンカフェである。世界中のチャンピオンをまとめて負かしてみせたその能力や、日本で実績のあるカーリアンの直子ということで、鳴り物入りで我が国に輸入され種牡馬となった。

ところが、06年にデビューした初産駒が期待ほど活躍せず、人気が低迷。07年は34頭、08年は16頭と種付頭数が激減し、ついに08年の暮れにアイルランドに再輸出されている。

当初は、ダーレーの欧州拠点であるキルダンガンスタッドで繋養されることになると報じされていたが、実際にはキルバリーロッジスタッドという小規模のスタッドに繋養されているようだ。ここには、同じゴドルフィンの服色でステイヤーとして活躍したクラシッククリシェなどがいる。

これまでにJRA重賞制覇を果たした産駒が出ていないのは残念だが、大井金盃の1着賞金2200万円は、現在のレートでざっと21万ユーロ。これはアイルランドの2000ギニーにも匹敵する高額タイトルである。ぜひともキルバリーロッジスタッドにおかれては、此度のトーセンルーチェの快挙を宣伝し、優良牝馬をどんどん集めていただきたいところだ。

 

 

 

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2012年2月16日 (木)

雪の雲取賞

大井10レースはC1三組の風花特別。だが、灰色の空から落ちてくる白いものは“風花”などではなく、まごうことなき雪である。こうなると、もうストーブのそばから離れられなくなりますな。

Hearter  

横なぐりの雪をついて1着ゴールは、石崎隆之騎手のモンテチェルビーノ。

10r  

気温3度ともなれば、人も馬も身体が固くなる。今日は4、7、9レースで計6頭が落馬。騎手たちに骨折者が出なかったのは不幸中の幸いだろうが、昨日からやたらと故障や落馬が目立つのは、この寒さと無関係ではあるまい。

Kion  

そんなことを考えつつ、迎えた今日のメインは牡馬クラシックへの一里塚、準重賞'12雲取賞。

1番人気は前走で'12桃花賞を楽勝した川島正行厩舎ゴールドキャヴィア。持ち駒豊富な厩舎ゆえ、来週のユングフラウ賞ではなく、敢えて大井の牡馬混合戦にぶつけてきた。栄えある準重賞連覇を目指す。

Kta  

2番人気はやはり川島正行厩舎のベルモントシェリー。使い分けてしていながらも2頭出し。しかもその2頭が人気を分け合うってんだから、思わず溜め息。その溜め息もあまりの寒さにたちまち凍りいた。

Shun  

ちなみに彼は重賞4勝ベルモントストームの全弟。お母さんのホープフェアリーは、2000年誕生の初一仔から11年連続でアジュディケーティングを付けられていたのだけど、昨年はついにアジュディミツオーの牡馬が生まれました。それにしても、12年間で不受胎1年というのは凄いですね。

雲取賞はゴールドキャヴィアが圧勝。

11r  

戸崎騎手が後を振り返って確認したその着差は5馬身。直線でも持ったままだった。圧勝には違いない。だが、走破時計は桃花賞の方が優秀。上がりも今回の方が若干かかった。つまりは牡馬相手とはいえ、相手関係はラクになっていたのかもしれない。永らく続く牝馬優勢の時代。今年もそんなクラシックになりそうな予感がする。

 

 

 

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2012年2月15日 (水)

タクログ

我が家ではクルマを持たぬが、その分タクシーのお世話になることは多い。大井町駅−大井競馬場間とか、川崎駅−川崎競馬場間のように歩こうと思えば歩ける距離であったり、あるいは同じ区間に無料バスが運行しているような場合でも、結構ためらわずにタクシーを止めてしまう。

「贅沢」の謗りを受けることもしばしば。だが、保険や税金、駐車場代などを勘案すれば、こちらの方が倹約にはなっているはず。ガソリン代の価格変動に気を揉むこともない。

思わぬ話が聞けることがあるのも、タクシーの魅力のひとつ。まさに鮨屋とタクシーはネタの宝庫だ。

今でこそネット上で口コミサイトが賑わっているが、インターネットが登場する前は「タクシー運転手の口コミ」は貴重な情報ソースだった。「タベログ」のように不正な情報操作に気を揉むこともない。

かつて飲食店を紹介する雑誌の編集を手伝っていた頃は、タクシー情報にずいぶん助けられた覚えがある。特に京都と大阪ね。土地勘が無い場所となれば、まずタクシードライバーを頼る。ただし、昨今のタクシードライバーはコンビニで済ませる人が多数派らしく、かつてほどの知識を持ち合わせていないようだ。これも時代の流れか。

「タクシー利用なら事故を起こさないで済む」という思いも、私がタクシーに乗る理由のひとつだったが、それでもまったく事故と無縁というわけにはいかない。つい最近も騎手が乗ったタクシーが事故を起こして、騎乗予定レースが乗り替わりになるというという出来事があったばかり。競馬カメラマンの今井寿恵さん(故人)は、乗車していたタクシーが事故を起こし、視力を失ったことがきっかけで馬を撮るようになった。タクシーは人生をも変えてしまう。

タクシー利用の大きな問題点は、技術的にはともかく、人間的に問題がある人がハンドルを握っている場合があること。大半の方はご同意いただけるだろう。かつて私は中島公園に隣接するホテルでタクシーに乗り、「札幌競馬場までお願いします」と伝えたところ、「道が分からないから案内してくれ」と言われて絶句したことがある。こういう時は黙って降りるしかない。

個人タクシーの☆マークもアテにできぬ昨今である。「タベログ」みたいな口コミサイトをやるくらいなら、いっそ「タクログ」でもやってくれないものか。タクシーの評価採点が車外から読み取れるようになっていて、「うわっ、あのタクシー2.81点だからスルーしよう」とかいうことができれば助かるじゃないですか。飲食店と違って、タクシーの場合はその外観からでは当たりハズレがほとんど分からないのが問題なのである。

ハズレがあるから当たりの喜びも大きい。数年前の2月、娘と二人で日高に行った帰りのこと。猛吹雪で飛行機が大幅に遅れて、羽田空港に到着した時は24時を過ぎていた。日曜の深夜である。娘は明日は学校。私だって仕事だ。そんなことを考えて、うんざりしながら乗り込んだタクシーが   これが!   大当たりだったのである。最後の最後に救われた。あの感動は一生忘れまい。

逆にもし、あそこでハズレ引いてたら、もう一生北海道に行くもんか!と決めていたかもしれない。そしたら、今とはずいぶん違う生活を送っていたでしょうね。今井さんほどではないが、タクシーが人生を変えてしまうことって、ホントにある。

 

 

 

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2012年2月14日 (火)

嗚呼、勘違い

なんとなく昨日の続き。

勘違いや思い込みに対するチェックが厳重なはずの報道機関でも、人間がやっていることであれば間違いから逃れることはできない。それは主催者にとっても同じことである。

1986年5月31日阪神4レースの珍事については、前にも裁判絡みのネタの中で紹介したことがあるが、今一度再掲させていただく。

ダート1200mの4歳未勝利戦である。勝ったのは4角先頭から押し切った5枠7番ムーンダツァー。頭差の2着は同じく5枠8番ロングヘンリー。そしてクビ差の3着が4枠6番グレートパスカルの順。だが、あろうことか入線馬番は7,6,8の順で発表された。しかもそのまま枠連4−5、8590円で確定発表されてしまったのである。

「判定に間違いがあったので5−5も的中馬券として払い戻しの対象とする」と発表があったのは、レースが確定してから3時間も経ってからのこと。これが騒ぎを大きくした。

それにしても、クビ差もあれば観客が肉眼で見ても見当はつくもの。天候も晴れだった。それなのに、3人ものスペシャリストが、写真まで参考にしていながら間違えてしまったのである。怒りとか呆れというより、もはやミステリアスな印象さえ感じる。

実は、阪神競馬場は、この手の逸話に事欠かない。1957年10月20日の重賞・神戸杯では、一度発表した着順をあとから訂正して混乱を招いたし、クラシックレースでただ一度記録に残る「1着入線馬の失格」が起きてしまった第2回オークスも、当時は阪神での開催だった。

1962年3月21日の阪神最終レースは、メムロトツプ、フロリアン、グツトタイムの順に入線。実際その通りに着順表示されたのだが、2着入線のフロリアンに進路妨害が認められた。ところが、裁決委員は審議中の青ランプではなく、誤って着順確定の赤ランプのボタンを押してしまう。あわててボタンを押し直したものの、時すでに遅し。「的中していたはずなのに馬券を捨ててしまった!」として、ファンが開催事務所に押し寄せる騒ぎにまで発展している。

ところで、この「ランプ」。交通信号のルールを考えると、順位が確定すれば「払い戻しOK」となるわけだから、「禁止」を示す赤色灯よりも、青色灯の方が適切な感じがする。なぜ、赤が「確定」で、青が「審議」なのだろうか?

これについては、「厩舎歩き50年」(小堀孝二著)の中で、「手本とした英国の規則では勝馬確定の信号が緑、審議中が赤となっているが、日本で初めて近代競馬を行った横浜競馬場の係員が勘違いして色を逆にしたため   」という説が紹介されている。

こんなところから既に「勘違い」が登場していたと知れば、もはや微笑ましくもなってこないか。勘違い、間違いの類は、あってはならぬのがタテマエ。とはいえ人間のやることに100%はあり得ない。

 

 

 

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2012年2月13日 (月)

誤報

2月4日付「そこはレバーの町」に書いた「レバーズタウン競馬場」の話を読んだ方から、「新聞が間違うなんて、ひどいですね」というご意見をいただいた。

まあ、外国地名の発音表記の誤りならよくあることかもしれない。少なくとも「誤報」とまでは言えないレベルでしょう。かつてはこんな記事だってありましたよ。1991年7月1日付の某一般紙の切り抜き。

Kiji  

いやあ、ツッコみどころ満載じゃないですか。なんとこの当時、アイルランドダービーは2000mだったんですねぇ(笑)

その割にべらぼうに時計が掛かっている。さすが欧州の馬場は厳しい!(笑)

あと、「ソーベダンサー」っていったい何者だ?(笑)

フランスダービー馬だからってんで、Suave Dancerの「Suave」だけ無理やりフランス語読みしようと頑張ってみたんだろか?(笑)

かように、通信社でさえもいい加減なニュースを配信していたのだから、当時の外国の競馬情報での間違いなど笑って済ませるのがいちばん。実際それで済んでいたのだから、ある意味では良い時代だったのかもしれない。

そんな時代を象徴する出来事が、ソーベダンサー事件(なのか?)と同じ1991年の夏に起きている。この年の8月初旬、リーディングトップをひた走る岡部幸雄騎手は、夏の恒例となっていたアメリカ遠征のためシカゴに旅立った。

すると8月7日、さっそくアーリントン競馬場の3レースの未勝利戦でバーアイルという馬に騎乗し、4馬身半差で圧勝したとの連絡がJRAに届く。JRAはさっそくそのニュースリリースをマスコミ各社に配信。翌日の新聞に、「さすが岡部。早くも勝利!」などという題字が躍ったのである。

だがコレ、なんと誤報であった。岡部騎手は、そのレースに乗っていなかった。だから勝つことなどありえない。ただし、競馬場の公式成績表「デイリー・レーシング・フォーム」には、「1着」とはっきり明記されていたというから余計に謎は深まる。JRA担当者も首を捻るばかりだ。

このエピソードは、当時の情報伝達がいかに不安定なものだかったのかを象徴するエピソードとして、私はとても興味深く記憶している。海外の競馬というものは、あらゆる意味で今よりずっと遠い存在だった。

それにしても岡部騎手はさすがだ。レースに乗ってもいないのに「勝って」しまうなんて、並のジョッキーにできる芸当ではない。

 

 

 

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2012年2月12日 (日)

ついに芦毛馬が優勝

晴れていてもやっぱり寒い東京競馬場です。う~、ぶるぶる。

Stand  

あ~、あまりの寒さに風邪がぶり返してきた感じ。これはヤバいゾ。どうにかせねばなるまいが、横になる場所もないし薬も持ち合わせてない。あー、こうなると府中本町のイトーヨーカドーが無くなったのって、痛いですね。

せめて身体を温めねばと、よろめきながらスタンド4Fへ。

Udon1  

『馬そば深大寺』とくれば「鳥ソバ」だが、今日は「牛スジカレーうどん」です。カレーが身体を内側から温めてくれ、温泉卵が栄養を補給し、うどんは、まあ、病人が食べるイメージで、もうこれ以外ないでしょう(笑)。

Udon2  

うん、美味い! この店でうどん食べたのは初めてだけど、案外コシがあって美味いですね。これは今度から迷うなぁ。

……なんて、食っている最中は良かったのだけど、熱が上がってきた感じ。あちゃあ、カレー裏目ったかなぁ……。

そんなわけで、今日は早々に撤収です。申し訳ありません。共同通信杯の写真はありませんが、TVで見たゴールドシップは強い競馬でしたねぇ。二枚腰を使って伸びる相手をネジ伏せるように抜き去って、突き放すというのは並大抵の芸当ではない。

共同通信杯は数えて46回目となるが、この伝統あるレースを芦毛馬が勝ったのは、実はこれが初めて。かつて朝日杯を勝ってここに臨んだフサイチリシャールはアドマイヤムーンに完敗だったし、単勝1.3倍の圧倒的支持を集めたビワハヤヒデでさえもマイネルリマークにアタマ差及ばなかった。

Tokino  

共同通信杯に「トキノミノル記念」という副題が付いているのはご承知の通り。デビューからの10連勝で1951年のダービー制し、その17日後に破傷風で急死したトキノミノルは、芦毛の快速馬ザテトラークの3×4という血統構成を持っていた。母も父方祖父もザテトラーク譲りの芦毛。トキノミノル自身に芦毛は発現しなかったが、ほんのちょっとばかり遺伝子の組み合わせが違っていたら、ゴールドシップのような真っ白な馬になっていたかもしれない。

……なんてことより、この風邪が問題ですね。早く治さねば。

 

 

 

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2012年2月11日 (土)

ディープな春へ

馬産地では、まもなく春の種付けシーズンを迎えようとしているが、春のクラシック戦線ではディープインパクト産駒の快進撃が続いている。

Di_3  

当然クラシックを意識する血統だから、使い出しはそう早くならない。2歳戦の勝ち鞍数で目立たないのはそのためだが、それでもクラシックに重要な意味を持つ東京スポーツ杯2歳S以降に行われた3歳重賞8鞍のうち6鞍をディープ産駒が勝っているのである。しかも、取りこぼした朝日杯とフェアリーSにディープ産駒の出走はなかった。つまり出走機会に限れば6戦全勝。いよいよ産駒爆発の予感も漂う。

今日の東京5レース。芝2000mの未勝利戦も、ディープインパクト牝馬ラスヴェンチュラスが大外から豪快に差し切って2戦目の初勝利。2着のジェームズバローズもディープインパクト産駒でワンツーフィニッシュとなった。

5r_2  

勝ち時計は2分01秒7は、古馬1000万特別の9レースと全く同じ。しかも、ラスヴェンチュラスの方は上がりを33秒7でまとめてみせた。オークスを狙うなら、まだまだ時間はある。

そして11レースのクイーンカップでも、ただ一頭のディープ産駒ヴィルシーナが完勝。佐々木主浩氏の所有馬ですね。

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逃げるアラフネを見ながら道中は2番手。直線では内ラチ沿いから、早めに抜け出す積極策が功を奏した。強気の競馬が出来たのは、エリカ賞で牡馬に勝った勝負根性とスタミナによほど自信があったのだろう。このあとは桜花賞に直行とのこと。

ともあれ、これで3歳世代のディープ産駒は重賞出走機会7連勝を達成。さらに、明日の共同通信杯の前売りでも、ディープブリランテが2倍を割る人気を集めている。この春のクラシックは、ディープ一色に染まりそうな勢い。さあ、桜花賞まで残り2ヶ月を切った。

 

 

 

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2012年2月10日 (金)

もやしソバ

風邪の具合は変わらないので、とりあえず「もやし」の話です。もやしは好きですか?

もやしは植物の種子を暗所で発芽させた発芽野菜の総称で、原理的にはどんな種子でももやしになる。一般には大豆の種を使った「大豆もやし」が知られているが、最近は極細のもやし「アルファルファ」なども人気が高い。これは別名「ムラサキウマゴヤシ」。その名の通り、馬に与える牧草で、現場では「ルーサン」の名で呼ばれている。サラダやサンドイッチなどに使うとシャキシャキした食感が楽しめる上、馬の気持ちも分かるようになる……わけないか。

ともあれ、こちらは銀座4丁目『ヤンヤン』のもやしソバ。たっぷりのもやし炒めの下には、名物の手打ち麺が醤油味のスープにタプタプと浸っています。

Yamyam  

学生の時分より、雀荘で注文する食事は必ずこのもやしソバであった。「勝っているから今日は寿司にしよう」などということはない。勝っても負けても、もやしソバ。今日は麻雀をしていたわけではないのだけれど、20年以上の付き合いであるから、今も注文することは多い。こちらは、先ほど出前を取った自宅近くの名もなき店のもやしソバ。これはトロみをきかせたタイプですね。アツアツです。

Moyashi  

もやしソバを食べるようになったきっかけは覚えていない。もやしが特別な好物というわけでもない。たまたまもやしソバを食べたその日に役満をアガったので、以来ゲン担ぎに食べ始めたのだろうか? 分からない。

ただ、「好きなラーメンは?」と聞かれて「もやしソバ」と答えられることで助かっていることも事実である。

なにせ、ラーメン一杯に店も客も能書きだらけの昨今である。うかつに「長浜系が好き」とか「チャーシュー麺にはうるさい方です」とか答えると、面倒くさい思いをすることもしばしば。ラーメンにこだわったり、人生を賭けたりするのは勝手だけど、その熱を手当たり次第に他人に押し付ける風潮はいかがなものか。単純に「あー、うまい」程度でライトに楽しむラーメン観というものだってちゃんとあるはずだ。

ともあれ、そんなときに「もやしソバ」と答えると、それ以上会話が膨らむケースはあまりない。「もやしソバに命を賭けるラーメン店」というのは、あまり聞きませんものね。あ……、どっかにいらしたらごめんなさい。

Araku  

大井町駅東口近くの路地「東小路商店会」に店を構える老舗ラーメン店『永楽』でも、たいていもやしソバを注文する。ここのラーメンは、刻んだ長ネギを真っ黒になるまでラードで揚げた、焦がしネギがスープ一面に浮かんでいることで有名。昨今ではメジャーな焦がしネギの先駆的存在が、ここ永楽のラーメンだそうだ。

……なんてあまり調子に乗って書くと、さっきの「能書き云々」になってしまから、これ以上は控える。ぜひ、大井競馬のついでに立ち寄って、自身の舌で味わってほしい。昭和のまま時計が止まったような文化財的店内に、シンプルだけど確かうまい一杯が存在している。

 

 

 

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2012年2月 9日 (木)

更新遅れ

朝から「なんかダルいな~」と思いながら一日を過ごした。

実は東京新聞杯の当日に上の娘のインフル罹患が判明。ただちにリレンザを処方され、ようやく落ち着いてきたのだが、最近の情報によれば、熱が下がっても7日間はウィルスを撒き続けるという。となれば私も感染した可能性があるが、少なくとも私は熱発していない。よく分からんから、ブログの更新などはさておきもう布団をかぶって寝るしかない。

そうこうするうち朝になり、1時間おきに体温を測っているのだが、10日午後になっても熱発の徴候は無し。でも、ダルさは変わらず、鼻水も出る。困りましたね。いっそガッツリ39度くらい熱が出て、「はいインフルです!」と宣告してもらった方が、行動を起こしやすいのだが、これでは何もできない。

ともあれ、そんな事情でブログ更新が遅れました。申し訳ありません。ところで更新遅れと言えば、今日は木曜日ということでJRAの確定出走馬が発表になる日だったわけだけど、予定時刻の16時を過ぎてもホームページの情報が更新されませんでしたよね。気づかれた方も多いと思う。

以前、馬インフルが蔓延した時期も、検査に時間を取られたりして、出走馬の確定発表が遅れることがありましたよね。ということは……、まさか馬インフル再発か? と思い始めたら、16時22分頃に何事も無かったようにホームページが更新された。

それでも、50音別出馬表欄をクリックすると、先週の出走馬が表示されたりして驚かされることも。きっとWEBサーバー側のトラブルか何かだったのでしょう。

それにしてもこの風邪には困ったな。

 

 

 

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2012年2月 8日 (水)

引退したら

今年初めて芝・大門の『なかい』を訪れた。元読売巨人軍の中井康之さんが経営する居酒屋。護国寺にあった当時から競馬関係者の常連客も多いことで知られるが、私も20年来の付き合いになる。

Nakai  

「キャンプ始まったね」

「今年の巨人はどうですかねぇ?」

そんな話が続くうち、話題は日本野球機構が先月発表したとあるアンケート結果に及んだ。若手プロ野球選手を対象とした引退後の生活設計に関するアンケート。昨秋の二軍教育リーグに参加したの223人が回答を寄せたのだが、うち70%が「引退後に不安を感じている」と答えたのだという。

「オレの頃は、誰もそんな心配してくれなかったけどなぁ」

中井さんは苦笑いした。引退は1984年。プロスポーツ選手が引退後に飲食店を開くケースは少なくはなかったが、TV解説者やタレントに転身する場合に比べて「落ち目」と見られることは多かったという。とはいえ、実際には飲食店で成功することは簡単ではない。「元巨人選手」の看板だけでは、客はすぐに離れてしまう。

アンケートで「不安」と答えたその理由は、「進路」が43.4%、「収入」が43.0%を占め、引退後の生活維持という根元的な問題に不安を抱えていることが明らかになった。

「今じゃ解説の仕事もないし、景気も悪いからこうした商売だって簡単じゃないよ」

毎年2月は騎手の引退の季節でもある。今年も、水出、安藤光、高橋亮、そして伊藤直人の4騎手が、2月いっぱいで鞭を置くこととなった。

昨今では騎手を引退しても、すぐに厩舎スタッフの仕事に就けるとは限らない。厩舎制度改革の影響で、競馬学校の卒業生が空きを待っている状況だ。夢を追い求め、苦労に苦労を重ね、ようやくプロ騎手という職業を手に入れても、引退後には路頭に迷うかもしれないのである。将来に不安を抱いているプロアスリートは、なにも野球に限った話ではない。

数年前、安田康彦元騎手が恐喝罪で逮捕され、有罪判決を受けるという事件があった。ブゼンキャンドルで1999年の秋華賞を、メイショウドトウで01年の宝塚記念を勝つなど活躍したが、06年に33歳で引退。その後は定職に就くことなく、退職金で暮らしていたという。判決は「騎手として成功を収めたが、引退後は酒、マージャンの生活で時間を持てあまし、いらだちをため込んで犯行に及んだ」と指摘。これは決して極端な例ではあるまい。引退後の騎手を待ち受ける状況のひとつと考えるべきであろう。

前述のアンケートはプロ野球だけを対象にして行われたが、引退後の進路や生活手段の確保は、あらゆる競技に共通した問題でもある。競技の垣根を越え、我が国スポーツ界全体の問題としての議論が待たれるところだ。

 

 

 

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2012年2月 7日 (火)

明日は佐賀記念

第39回目となる佐賀記念が明日行われる。

佐賀記念としては珍しい水曜開催。前売りが行われないので人気は分からないが、昨年のNAR最優秀3歳牡馬に選出された園田のオオエライジンにとっては、初タイトル獲得のチャンスかもしれない。

デビューからの10連勝は、サラブレッド導入以後の兵庫では初めての快挙。連勝が止まった兵庫ゴールドトロフィーでは、向こう正面で一気に先頭に立つも、スーニの決め脚に完敗。だが、相手はGⅠ級であることを考えれば悲観する内容ではない。一気に2000mに距離は伸びるが、黒潮盃を1分51秒9のレースレコードで勝った能力からすれば問題はなかろう。JRAのタイトルを目指すからには、ここでモタつくわけにもいくまい。

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シルヴァーデピュティ、ブライアンズタイム、メダーリアドーロ、キングヘイロー、フレンチデピュティ、トーホウエンペラー、マヤノトップガン。

佐賀記念の出走馬の父欄を眺めれば、やたらと非サンデー系の種牡馬が目につく。サンデー系は3頭。だが、うち2頭はスパイキュールやマーベラスサンデーといった社台スタリオン繋養ではない種牡馬だ。こういうバラエティーに富んだ種牡馬たちの子が走るのが、ダートグレードの醍醐味のひとつなわけだが、こうなると逆にただ一頭の主流派サンデー系ネオユニヴァース産駒のタカオノボルの存在も気になってくる。

昨年JRAリーディングサイヤー9位のネオユニヴァースの産駒は、芝では44勝だったのに対しダートでは倍近い84勝をマーク。そのダート適性が広く知られるところとなったが、なぜかJRAのダート重賞にはまだ縁がない。タカオノボルがその第一号を狙うなら、やはりここは獲っておきたいところだ。前走平安Sは最下位に敗れたが、佐賀記念通算5勝を誇る武豊騎手を鞍上に迎えたことで、一変があるかもしれない。

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でも、地方で行うダートグレードはやはり地元の馬に勝って欲しいとも思うもの。そういう意味での注目はレイズミーアップでしょう。父トーホウエンペラーも、母の父エイシンヒエンも、決してメジャーとは言えない種牡馬。エイシンヒエンってご存じですか? ミルジョージの子で東京ダービー馬ミルコウジの全弟。現役競走馬ではこのレイズミーアップの血統表でしかその名前を見かけることはなくなっている。

そんな彼らに少しでもスポットが当たってくれれば、と願ってしまうのである。

 

 

 

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2012年2月 6日 (月)

喜びも悲しみも300戦

先週金曜の高知11レースで、セニョールベスト(父ロドリゴデトリアーノ/牡13)が国内最高となる300戦目の出走を果たした。結果は10頭立ての9着。それでもスタンドからは大きな歓声な湧いたという。

だが、それを「競馬の日本記録」と呼ぶ向きがあるのはいかがなものか。かつて、中津競馬のカンテツオーが37勝目を挙げて、「日本記録ではないか?」と騒がれた時にも、やはり同じような違和感を覚えたものだ。

少なくとも戦前のコイワヰは82戦45勝の記録を残していたはず……。いや、それ以前に地方競馬の   それも中津競馬の   記録を、「日本記録」と言い切ることに大きな疑問を抱いたのである。カンテツオーは1986年のオールカマーに招待されるも、勝ち馬から4秒も離された殿負け。その事実も、こうした思いを後押しした。

国や地域によって、レベルやルールに差違がある競技間の記録を同一視すべきではない。イチロー選手が日米の通算記録を「ナンセンス」と切り捨てるはその象徴だろう。王貞治氏の通算本塁打数を「世界記録」と世界に向かって叫ぶのも大人げない。競馬も同じ。開催日数や賞金体系が大きく異なる競馬場間の記録を、画一的に扱うのはそもそも無理がある。

セニョールベストの前に300回出走記録を保持していたのは、同じ高知所属のダイナブロス。ちなみに16歳の最高齢出走記録を作ったオースミレパードも、コイワヰに並ぶ45勝の記録を持つオリジナルステップも、連敗記録で話題になったあのハルウララも、揃いも揃ってみな高知の所属馬だ。

背後には高知競馬の厳しい現実が見え隠れする。主催者が経営難なら関係者だって経営難。細かくレース出走を重ねて、出走手当を得なければ厩舎の運営は立ちゆかない。様々な記録が次々と生まれる背景には、そんな苦しい台所事情がある。

ところで、セニョールベストを紹介する記事に、「通算300戦31勝」と「通算300戦32勝」の2パターンがあることが気になった。

おそらく、2008年1月2日初夢特別の「1着」が組み入れられているかどうかの違いであろう。この時はレース後に彼の検体からカフェインが検出されて、最終的に失格の裁定が下っている。従って正解は「31勝」。300回も走っていれば、実にいろんなことが起きる。

もちろん、セニョールベストの記録も、カンテツオーの記録も、むろん王貞治氏の記録も、その枠内においては、誇るべき偉大な記録であることは言うまでもない。偉大であるからこそ、その扱いにはけじめを忘れて欲しくないのである。

 

 

 

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2012年2月 5日 (日)

「ウインズ」で結婚式

昨日の話。

中学時代の同級生の結婚式に出席するため、人も疎らな都心の一角へ。なんと会場は「ウインズ」だという。馬券売場のワンフロアを借り切って、パーティー会場にしてしまうのだろうか?

普段はサラリーマンや学生で賑わうであろう通りも、土曜とあって人通りはまばら。渡された地図に従ってトコトコと歩く。

Road  

むむっ? 道の彼方に小さく見える緑の看板は……。

Wins  

おお! ウインズ水道橋のビルではないか! となれば会場はあそこだろうか?

小倉大賞典に知り合いの牧場の生産馬が出るので、単勝を買おうと思っていたのである。ちょうど良かった。それにしても、ウインズのフロアでパーティーが出来たとしても、料理はどうするのだろう? 煮込みとチューハイだけの結婚披露宴など聞いたことがないゾ。

そんなことを考えながら歩くうち、地図で指定された式場に到着。そのレストランの名は……、

Winds  

そう、『ウインズ』なんですね。たしかに「ウインズで結婚式」ですな。ここで小倉大賞典のトップゾーンの単勝売ってくれますかね(笑)

一般に、世間では土日に結婚披露宴を行うもの。だから、結婚式に出席すると、レースを欠席しなければならない。ナリタブライアンの朝日杯やフジキセキの弥生賞では、式場の片隅で必死にラジオに耳を傾けていた記憶がある。それが今では携帯でTV中継見れちゃうんですもんねぇ。時代は変わった。

そういえば、ネーハイシーザーが勝った天皇賞・秋でも、披露宴の喧噪の中、必死にチューニングしながらラジオの中継を聞いていたなぁ(遠い目)

「ビワハヤヒデは伸びない!」

「ジョッキー下馬しました。ビワハヤヒデは故障。故障発生です!」

ビワハヤヒデの大ファンだった新郎にレース結果を教える約束になっていたのに、この結果をどう伝えてよいのか分からずひとり苦悩したものである。それが、私の1994年秋天の思い出。ネーハイシーザーには申し訳ないけど。

さて、15時になってウイニング競馬が始まったところで、シャンパンを飲みながら京都10Rエルフィンステークスのロゼシャンパーニュ(父ゼンノロブロイ)を応援。これなら競馬場のレストランでモニター見てるのと変わらん。

Glass  

そしてこの日の眼目(でイイのか?)の小倉大賞典がスタート。

個人的注目のトップゾーン以外にも、蛯名正義騎手のJRA全10場重賞制覇や、異例と言っても良いクラシックホースの参戦や、11歳馬の重賞勝利の期待がかかるなど、注目ポイント目白押しの一戦だったわけだけど、その結末は「川須栄彦騎手の重賞初制覇」というメモリアルレースになりました。おめでとうございます。ぱちぱちぱち(拍手)。

新郎新婦様もホントにおめでととうございます。ぱちぱちぱち(拍手)。近々また中目黒で一杯やりましょう。

 

 

 

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2012年2月 4日 (土)

そこはレバーの町

唐突に宅配便が届いた。ま、宅配便というのは、たいてい唐突なモノですけど。

それにしても、けっこうな重さである。箱には「酒」の文字。飼い犬も中身が気になる様子。

Sake  

ドキドキしながら開けてみると……

Hoisu  

なんと、幻の酒『ホイス』ではないか! しかも専用グラス付き。犬と二人して、思わず万歳三唱を唱えてしまった。ばんざーい!ばんざーい!ばんざーい!

早速作ってみることに。

Glass 

あ~、ホッとする味わいですね。ビールのように「かぁ~っ、やっぱこれだぜ!」みたいなインパクトはないけど、いくら飲んでも飽きないし、いくら飲んでも(なぜか)酔わない。そんな安心感に満ち溢れた味がする。

やはりアテには鶏の素揚げといきたいところだが、そう都合よく手元にないので、鎌倉『Terra Deli』から取り寄せたショコラレバーを合わせることに。ショコラのように濃厚な風味で、まったりとした口当たりが極旨です。昨年10月に惜しまれつつ閉店した大船『小山』が我が家に再現されたようで、これは嬉しい。

Reba  

レバーと言えば、レパーズタウン競馬場で先週行われた愛チャンピオンハードルは、ハリケーンフライが楽勝したそうですね。これでハードルGⅠレースの連勝記録を「7」に伸ばした。月末の大一番、チェルトナム・チャンピオンハードルで連覇がなるか、注目したい。

……えっ?

「レバー」と「レパーズタウン」を引っ掛けるのは無理がありますか?

でも、ちょっと昔までは「レバーズタウン」て間違える人も結構いたんですよ。その昔、エルコンドルパサーの記事をマメに切り抜いていたのだけど、ほら、新聞でもこのザマ。

Shimbun  

間違い、勘違いオンパレードの私が、他人の間違いを指摘できるはずもないのだけど、エルコンドルパサーの当時は、世界の果てみたいなとこにある競馬場の名前なんて、誰も気に留めていなかったのでしょう。それにしても「レバーズタウン」なんて町があったら、一度行ってみたいですよね。町中いたるところにレバー専門店があって、レバ刺し、レバカツ、レバニラが食べ放題。レバー好きにとってはパラダイスのような町かもしれない。

 

 

 

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2012年2月 3日 (金)

冬の除外に思う

「待ちに待ったデビューです」

知人が社台レースホースで出資するカラドリウス(父ゴールドアリュール)の出走態勢が整ったと本人から聞いたのは、先週のことだったか。2月5日東京の第2レース。ダート1400m戦だと言う。

1400m  

「それはおめでとうございます。ぜひ見に行きます」と返事をしていたのだが、驚くことにそのレースに投票した馬は、実に50頭以上にも及んでいた。もちろん除外。この頭数では仕方あるまい。

今週も東京・京都・小倉の3場開催。美浦所属の調教師が毎年頭を悩ます開催形態である。3場のうちの2場が西日本エリアでの開催ということもあって、レースの選択肢が限られる上、この時期は芝コースのフルゲート頭数が縮小される。数少ない新馬戦に出走投票が集中すれば、除外馬が溢れるのも当然だ。

今週末に東京で行われる新馬戦2鞍の除外馬は合計57頭。これが京都ではたった5頭で、小倉ではゼロである。一度除外されれば次は優先的に出られると思われがちだが、既に先週から待たされている馬もたくさんいるから、この状況だと2回の除外で済めば良い方かもしれない。

ところで、昔はレースの出走頭数に制限など無かった……と聞けば驚くだろうか?

それはなぜか。今のようなゲートを使った発馬ではなく、バリアー式だったから。つまり「後列発走」というワザが使えたのである。むろん前列より後列は圧倒的に不利。だが、戦前の競馬は、ファンのためではなく軍馬育成のためにあった。ゆえに公正確保より、忍耐強い馬の発掘の方が優先されたのであろう。

むろん現代では事情が異なる。JRAの出走可能頭数に18頭の上限が設けられたのは、人馬の安全および公正の確保。そして馬券発売システムの運用性などを考慮した末の結論だ。

だが、それは主催者の一方的な都合に過ぎない。競走馬にかかわる人は、目標となるレースを定め、そこへ向けて体調がピークになるように緻密な仕上げを施すのが仕事。それなのに、主催者の都合で出走が延ばされれば、彼らの技術も努力も水泡と化す。調整の難しい厳寒期はなおさら。ましてや、デビュー前の新馬となれば、その影響は計り知れない。

Gate  

冒頭の知人のみならず、多くの馬主にとって最大の喜びは自分が所有する馬が走ることであり、デビュー戦はその最たるものであろう。なのに、予定されたデビューがかなわず、新馬戦をナマで観戦することも難しいとなれば、なんとなくシラケてしまっても無理はない。せめて新馬戦だけでも除外を緩和する妙案はないものか。この時期になると、いつも考えさせられる。

 

 

 

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2012年2月 2日 (木)

GO! GO!! 『ゴーゴーカレー』

今日のお昼はコチラでした。

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実は、先日ふと思うところがあって買った5−5の枠連が10万馬券に化けたので、それにあやかって……というのは真っ赤な嘘で、今日ヨドバシカメラに行ったら、たまたまこの店が目に留まったので、立ち寄っただけのこと。

ともあれ、バナナマン設楽さんも絶賛の『ゴーゴーカレー』。

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ドロッと濃い目のカレールー、ソースがかけられたトンカツ、そして千切りキャベツといういわゆる「金沢カレー」のチェーン店。ステンレスの皿に盛られたこれらをフォークで食べるのが金沢スタイルだというが、ゴーゴーカレーはこのスタイルを忠実に踏襲している。

ここんとこ私がハマっている銀座『ポール』のカレーも、実にこのスタイル。

Pole  

最近の私の食事のルールに従って、まずお代わり自由の山盛りキャベツをまず先に食べてから、やおらカレーと向き合う。月曜限定のビーフカレーは、トロけるような牛肉の煮込みが絶品。大きな牛肉の塊を頬張ると、まず赤ワインの風味が鼻腔をくすぐり、しかるのちに口の中でホロホロと肉が崩れる。これを至福と言わずに何と言うのか? ダイエットなんかクソくらえという気がしてくる……と書くと叱られるから、「ダイエット中でもこれだけは譲れない」とでもしておこうか。

これ以上書くと家人から怒られそうなので、ゴーゴーカレーに話を戻す。

「ゴーゴー」というネーミングは、「GO!GO!」という意味のみならず、メジャーリーグで活躍中の松井秀喜選手の背番号にちなんでいる……というエピソードは、世間に広く知られているようなので割愛。むかし大井にいたゴーゴーゴジラも同様。ま、どうでもよいですけど。

ちなみに1994年の京成杯3歳Sの覇者「ゴーゴーナカヤマ」のネーミングの由来は、中山馬主協会の役員「5人」で共同所有するという話があったからだとか。その昔私が一口を出資した某馬のお母さん「ゴーゴーイチ(父ミスターシービー)」の場合は……やっぱ豚まんですかね?(笑) 馬の世界にもいろんな「ゴーゴー」がある。

 

 

 

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2012年2月 1日 (水)

女傑と名門牧場

日本のクラシックレースを4走した記録を持つ馬は、スウヰイスーやミスオンワードなど5頭いる。もちろんすべて牝馬。なかでも盛り上がったのは、無敗の牝馬2冠馬ミスオンワードがダービーと菊花賞に出走した、1957年のクラシックだろう。

前年の2歳牝馬チャンピオンのミスオンワードは、桜花賞とオークスの2冠を制して通算成績を8戦全勝とすると、その勢いのまま翌週のダービーに駒を進めた。近年で言えば、ブエナビスタがオークスを勝った翌週にダービーに出てきたと思っていただければ、その盛り上がりぶりが想像できるだろう。サドラーズウェルズやヌレイエフの近親という良血の持ち込み馬という血統的背景も後押しして、連闘になるにも関わらずダービーでは3番人気に推されるが、結局はヒカルメイジの17着と惨敗してしまう。

それからちょうど半世紀後の2007年。ミスオンワードと同じく2歳牝馬チャンピオンとなったウオッカは、桜花賞では2着に敗れたものの、オークスではなくダービーに的を絞って同世代の牡馬に挑む道を選ぶ。ミスオンワードと同じく3番人気に支持されると、のちの菊花賞馬アサクサキングス以下を相手にせず、戦後初めてとなる牝馬のダービー馬に輝いた。

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先週末から今週にかけて、日高の牧場の売却話が相次いだ。オンワード牧場とカントリー牧場。いずれも、オーナーブリーダーとして日本の競馬界にその名を刻んできた名門である。

オンワード牧場はミスオンワードとオンワードゼアが活躍したのを機に、衣料メーカー「オンワード樫山」創業者の故・樫山純三氏が1960年に開場した牧場だが、ここへきて後継者がいないことを理由に売却を決意したそうだ。所有する繁殖馬と育成馬は既に他の牧場に売却済みで、牧場自体も2月末に別の牧場へ売り渡す予定だという。写真は2002年の東京ハイジャンプを勝ったオンワードメテオ。その4代母がミスオンワードだ。

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一方のカントリー牧場は1963年の創業。タニノハローモア、タニノムーティエ、タニノギムレット、そしてウオッカでダービーを勝ち、一昨年の菊花賞もビッグウィークで勝った。比較的コンスタントに活躍馬を送り出しているようにも思えたのだが、既に売却先として岡田スタッドの名前が挙がっているという。

2008年秋の天皇賞では、大激戦の末にウオッカがダイワスカーレットをハナ差で退けて優勝した。

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牝馬の天皇賞制覇は、ヘヴンリーロマンスやエアグルーヴなど近年にもいくつか記録が残る。だが、天皇賞での牝馬のワンツーフィニッシュとなると、1958年のセルローズ&ミスオンワード以来のこと。これまた50年ぶりの出来事だった。

半世紀もの年月を隔てて似通った活躍ぶりを見せた2頭の女傑。オーナーブリーダーという形態の維持が難しい時代であることは承知しているし、それゆえに牧場売却の話にも驚くことはなくなった昨今だが、ミスオンワードとウオッカのゆかりの牧場が揃って消えると聞けば、やはりそれなりの衝撃を覚えるもの。時代の転換点だと割り切るのは容易いが、3冠馬の誕生だとか海外遠征での勝利といった華やかな話題ばかりに気を取られ、浮かれている場合ではないのかもしれない。

 

 

 

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