多摩川オープン
昨日は満員御礼だった連絡バスも、さすがに今日はガラガラ。スマートファルコン圧勝の余韻はほぼ醒めた川崎競馬場では、古馬による地方交流競走の多摩川オープンが行われる。
3枠3番のコロナグラフは、これがJRAからの転入緒戦。オープンクラスで5戦連続の2桁着順に敗れた昨秋、出走レースを選ぶことさえ難しくなってきたところで、関係者は川崎移籍の道を選んだ。
JRAのオープン馬が南関東に移籍することは珍しいことではないが、クラブ馬主のままの移籍を見かけるようになったのは最近のことである。社台サラブレッドクラブでは、2008年度募集馬から会員規約を改定。出資ファンドはそのままに、地方競馬に移籍させることも可能とした。「走れるものならば少しでも長く現役生活を」、というクラブ会員の意向を反映したものだという。
先日の報知オールスターカップを勝ったスターシップも、社台サラブレッドクラブ所有のまま南関東に移籍した一頭だ。この馬の場合は、JRAオープンでの成績が頭打ちになったという理由よりも、輸送が苦手でトレセンから競馬場に輸送するだけでも大幅に馬体を減らしてしまうという事情が地方移籍を後押ししたとされる。
「中央のオープン馬が地方に来て勝つのは当たり前」という意見を耳にすることも多いのだが、移籍の成功例となると案外少ない。実際は南関東オープン馬の大半はJRAからの移籍組なのだから、結果が出ない移籍馬も当然出てくる。むろん看板だけで勝てるほど甘くはない。それを思えば、今日のコロナグラフの3着は決して悪くはない。次走、大井の金盃が楽しみになった。
多摩川オープンを勝ったのは、南関東で重賞3勝の実績を誇るディアーウィッシュ。だがこの馬とて、元をただせばJRAから移籍してきた一頭だ。
JRA時代の成績は(3,5,2,21)。1000万クラスも勝ちきれなかった馬が、南関東に来てから3つの重賞勝ちを含めて(7,3,3,5)である。特にマイル戦に限れば(6,1,1,1)。この距離を滅法得意としているわけだ。
JRAには事実上ダート1600mというコース設定は存在しない。中京では廃止されてしまったし、東京のあれは厳密にはダート1500m+芝100m。単なる能力不足や輸送云々以外にも、移籍を考える要素はいくらでもある。ディアーウィッシュの活躍は、それを教えてくれているように思えてならない。
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