夜逃げの方がまだ…
牧場の求人難は今に始まったことではないが、最近のそれは昔に比べて若干の違いがあるようだ。
かつては「北海道で働ければどんな仕事でも構わない」とか「馬に携われるのであれば、仕事内容はなんでも良い」という“憧れ系”の若者がやってきて、牧場に住み込んで働いていた。もちろんその大半は、仕事のキツさに音を上げて辞めていくわけだが、夜逃げ同然に消えてしまう輩も珍しくはなく、そこにはある種の後ろめたさというものがあった。逆に、その仕事こそが、かつての“憧れ”を何かの形に具現化させるための修練だと考えることができた人たちは、今日の日高を支えてる一人として活躍しているのである。
しかし昨今の若者は違うという。
給料や休みといったシンプルな条件のみならず、社会保険や各種手当についてまで細かい説明を求める若者が増えたというのだ。つまりサラリーマン感覚なのである。そして辞める時もコソコソと逃げたりするのではなく、堂々と「この仕事は私が就くべき職業ではなかった」と言い残して辞めてしまうのだという。「私はこの仕事に向いてない」ではない。彼らの主張は「仕事の方が私に合わない」のである。そこには後ろめたさの欠片さえも存在しない。
前に、日高の牧場を労務面から支えているのは、実は東南アジア系の外国人労働者であると書いたが、一昨日のBTCでも外国人のライダーを何人か見かけた。彼らは母国でジョッキーのライセンスを持つプロであり、技術的には申し分なく、何よりよく働く。
良い人材の確保は、業界全体が直面する吃緊の課題である。しかもそれは、出来上がりの人材をかき集めて済むような単純な問題ではない。
ゆとり教育のぬるま湯にどっぷり浸かりきった世代の連中は、大半がぬるま湯から上がることができないまま身体だけ大人になってしまった。見方によっては気の毒でもあるが、それは彼らの問題であり、彼ら自身で解決しなければ、結局はぬるま湯地獄から抜け出すことはできない。
「この業界で知識を溜め、技術を磨き、いつか絶対成功するんだ!」
こんな気概を持った若者は、もはや絶滅寸前なのだろう。なにも生産業界に限った話でもないのだけれど。
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コメント
初めまして!
お馬さんの一生には、実に多くの人々のお世話を
ありがたく受けつつも、諸種の事柄に遭遇して、
良かったり・イマイチだったりの結果で、けなげに
人と世のために奉仕してくれている、と思っている
老フアンです。
ある馬・ある騎手・ある厩舎・ある血統・
ある距離・あるレース等々をまるごと
巨視化・統計化して、社会科学的絶対として
80%の出目の出現確率を研究しています。
人間と同様で、お馬さんのレースにも
運命的なある種の力が加わっているように
感じつつも、全馬の無事の完走を祈って、
馬券をニンジン代わりに買って、楽しんで
おります。
( ^ω^)おっおっおっ
投稿: 月読 遊子 | 2009年6月23日 (火) 12時09分
それはゆとり教育とは無関係だと思いますが……。
昨今の就職難を考えれば、社会保険や各種手当について説明を求めるのは当然かと。労働基準法は最低限守るべき法律であって、それについて説明するのは会社の義務です。
夢を追い求めるのは大いに結構な事ですが、終身雇用という概念の崩壊した今の若者に、慎重さを欠けというのは酷でしょう。新卒で無ければまともな職に就けないとすらいわれる時代なのですから。
投稿: うまなり | 2009年6月23日 (火) 19時13分
発言が、かなり牧場の社長よりですよ。
サラリーマン感覚もなにも、実際、手取り12万円くらいの保障もなんもないところで働いてみれば、同じこと書けなくなりますよ、間違いなく。
日高の場合、経営者側に人を使う感覚が欠落している場合が多いんです。日高ではなぜ人材が定着しないんだろう?とか、考えてみた方がいいですよ。
投稿: NM | 2009年6月23日 (火) 22時33分
大体その外国人ライダーにまともに賃金払って保険も加入
させているんですかね?まさか今の時代に至るも言葉が通
じないのをいいことにピンハネしてはいないと思いたいので
すが。
投稿: _ | 2009年6月24日 (水) 00時05分
彼らは母国でジョッキーのライセンスを持つプロであり、技術的には申し分なく、何よりよく働く。
読んで思いっきり笑わせていただきました。
表しか見てないから、こう書くのでしょうけど
知っている東南アジア人は、前の育成場を
仕事がきついから逃げて、楽なほうへ転職しましたよ。
技術だって、ぜーんぜん、
使いものになりません。
東南系でこいつは凄いと思った人間は
私はいません。
他の国ならいますけどね。
投稿: ruru | 2009年6月24日 (水) 00時05分