« 2009年5月 | トップページ | 2009年7月 »

2009年6月30日 (火)

紙面から姿を消す競馬ネタ

Dream昨日朝の読売新聞(東京発行所)を見て「えっ?」と思った。いや、実際にそう口に出してしまったかもしれない。

それというのも、昨日の宝塚記念の結果を報じた記事がの長さがたったの25行。文字数にして300文字足らず。勝ったドリームジャーニーの写真も掲載されていなかったのである。

以前、大井に集まるカメラマン同士の会話の中で、「以前に比べてマス媒体における競馬コンテンツの占める割合が減った気がするよね。気のせいかな?」なんつう話題が上がったことを思い出した。50回の節目を迎えた歴史ある古馬G1でもこんな扱いを受けているのである。決して気のせいなどではない。

90年代初頭に比べればTV地上波の競馬中継は減っているし、G1レース翌日の一般紙の扱いも小さくなっていることは動かしようの無い事実。土曜の夕刊に馬柱を掲載しているところもあるが、これは土曜の夕刊に書くネタが枯れていればこそで、段数を稼げる馬柱で紙面の穴埋めをしているに過ぎない。そもそも一般紙の夕刊そのものが、いつ消えてもおかしくない状況にある。

暇だったのでちょっと調べてみた。

トウカイテイオーが2冠を制した1991年に行われたG1レースは合計16。これらのレースを報じた翌日の読売新聞(東京発行所)の記事を文字数で見ると15974文字であり、1レースあたりの平均は998文字ということになる。

対して2008年の実績では、22のG1レースに対して、それを報じた記事文字数の総計は15928。1レースの平均文字数724のみならず、G1レースの数そのものが増えているにも関わらず、合計文字数は減少していたのである。

こうした傾向の原因を探れば、いくつか思い浮かぶことはある。

サッカーJリーグ創設前の91年当時、新聞のスポーツ欄と言えばプロ野球と大相撲と国内男子ゴルフ程度のコンテンツしかなく、競馬の入り込む余地は多分にあった。それはTVも同じこと。メジャーリーグやヨーロッパのサッカーリーグの情報がメディアを席巻する日が来ようなどとは、よもや思ってもいなかったことだろう。それが今では、クラシックレースであっても、紙面の片隅にひっそりと結果だけが報じられるという惨状である。

さらに先日も書いたように、新聞業界には広告段数激減による減頁の嵐が吹き荒れている。紙面が減ればニュースも削られるのは理の当然。かくして月曜の朝刊からG1レースの記事が姿を消しつつある今の流れが生まれた。

まあ、いくら減頁という事情があったにせよ、真っ先に競馬ネタが削られている現状を見れば、スポーツコンテンツとしての競馬に一般紙の編集者はそれほどの魅力を感じないのであろうと推測される。実際、通信社から配信される着順と払戻金だけを淡々と載せておけばそれでよい、と考えるエディターは少なくない。

しかし、レース結果や配当金といった客観的な情報はネットで誰でも入手できる時代。むしろ必要とされるのは、記者の、あるいはその題字を背負う新聞社の、あくまで主観的な観点に基づく論調だ。

そう考えた時、マス媒体から競馬コンテンツが姿を消しつつあるその理由の中で、ひときわ真実味を帯びてくるひとつの「仮説」に気がつく。すなわち競馬を優良コンテンツとしてメディアに送り出す能力そのものが、今まさに失われつつあるのではないか?

競馬ジャーナリズムの世界(そんなもんがあるのかどうかも怪しいが)では、他のスポーツに比べて新陳代謝の進行が驚くほど遅い。40歳を過ぎた「若手」が下っぱ仕事に追われている業界など、他にそうはないだろう。20年前と変わらぬメンツが未だにレギュラーを張るチームでは、「変革」もそう簡単な話はない。

 

 

 

| | コメント (0)

2009年6月29日 (月)

【訃報】イブキマイカグラ

イブキマイカグラが死んでしまった。

輝く栗毛に、ペンキを流したような大流星。その派手なルックスのみならず、常に最後方から豪快に追い込む彼の競馬スタイルを愛するファンは多かった。彼のような、頑迷なまでに「後方一気」を貫き通せる馬も最近は見ない。古典的と書いては失礼かもしれないが、それは確かに彼の魅力でもあった。

また、彼は最後の関西3歳(現表記なら「2歳」)チャンピオンでもあった。

今のように東西の垣根が低くはなかった当時、牡牝混合の3歳G1レースが関東と関西にそれぞれ用意されていた時代があった。3歳のうちは東西でそれぞれチャンピオンを決めて、その2頭が翌春のクラシックで雌雄を決しなさい、という番組屋の思惑である。だが、それはそれで楽しかった。

Ibuki_21990年の関西チャンピオンとなったイブキマイカグラは、前年の朝日杯の覇者リンドシェーバーと弥生賞で激突。東西3歳チャンピオンの対戦は、大いに盛り上がったと記憶している。(いや、私ひとりが盛り上がっていただけの可能性もある。なんせ当時は若かった)

ともあれ、レースぶりにしても、またその戦績においても、イブキマイカグラは我ら昭和の競馬ファンの心をくすぐる何かを持った最後の馬だったように思う。名馬論に興味を持たぬ私は、こうした馬の訃報に触れるたび、いつも考えさせられてしまうのである。

 

 

 

| | コメント (0)

2009年6月28日 (日)

折り込みチラシの魔力

自宅を離れられないので、家に閉じ籠もってひたすら依頼された書きモノ。ネタは競馬から遠くかけ離れた「折り込みチラシ」のハナシである。

とはいえ、私は毎朝の折り込みチラシを熱心にチェックする性分ではないし、広告業界の事情に明るい人間でもないので、書く内容としては「チラシにまつわる何かのハナシ」ということになる。いったい何に載るモノなのかも知らされないまま、私のところに転がり込んできたのだが、書き出しからまったくと言っていいほど筆が進まず若干焦り始めたところで犬が啼いた。

家人は皆出掛けてしまっている。となれば、私が福島にも阪神にも行かず自宅でジッとしているのは、実は親類縁者のトラブルや書きモノなどではなく、単に「犬の世話」だったのかもしれない。そう思うと、ますますテンションが下がってきた。

あらかじめ教えられた量の餌を計り、それを犬に与えながらぼんやり考えた。

府中市の中河原界隈に暮らす知人から1枚の折り込みチラシをもらったことがある。フロントに「Go!多摩川競艇」と大きく印字されたそのチラシは、A2サイズを真ん中で折ったA3・4ページの全面フルカラー。競艇場の案内や、競艇の楽しみ方などが丁寧に記されており、場内のレストランで使える500円分のクーポンまで付いていた。

最初は「へぇ、ちゃんとしたモン作ってんだねぇ」とか、「やっぱ競艇は地域密着路線なんだね。競馬は方向性が定まんないよな」とか言い合ってるだけだったんだけど、そのうち「せっかくだから行ってみよう」という話になり、実際に日程まで決めていた。

最終的には、私が体調を崩して寝込んでしまったため実現には至らなかったが、広告としての効果が(暇な2人相手とはいえ)あったことは間違いない。

中河原在住の彼によれば、最近は東京競馬場の馬券発売窓口従業員の求人チラシを見なくなったとのこと。アレですかね。自動券売機ばかりになったから、補充の必要がないんですかね。

10年くらい前、東京競馬場で200人募集したときは1800人の応募があったと聞く。倍率9倍と聞けば、かなりの人気職業だ。

 

 

 

| | コメント (1)

2009年6月27日 (土)

厄年なんて気にしない

今日明日の福島には知人友人の関係馬が大挙出走するので、ぶらりと行ってみようかと思っていたのだが、金曜になって親類縁者にトラブルが続出。結果的に福島行きは断念せざるを得なかった。

付き合いの濃度からすれば「友人知人>親類縁者」であることは明白であったが、その親類縁者のトラブルというのがことごとく健康状態に関わる案件であったことから、「健康>競馬」という座標軸の判断となった。

このトシになると「突然の入院」とか「家庭内のゴタゴタ」なんつうトラブルが、何の前触れもなく襲い掛かってくるモンですね。仕事は厳しくなる一方だし、徐々に身体も無理が聞かなくなってきた。良いコトなんて何ひとつ無い。厄年なんつーものは、先人の経験の累積から導き出された単なる経験則に過ぎないと思うが、こういうことが続くと経験則以上の「何か」を真剣に考える人がいても不思議ではないと感じるものである。

ともあれ、東京から離れることができない事態になってしまったので、電話を手元に置いてひたすらTVで競馬中継を見続ける土曜日となった。

ひとつのレースが終わるたびに、馬主や牧場主にメールを出したりもらったりするのだが、そういうメールの合間にトラブル系のメールが割って入るので、テンションが上がることはない。さらに厄年についてアレコレ考えてしまい、レースにもいまひとつ集中できないまま札幌12レースを終えた。

厄年を迎えた私だが、どこぞに厄除けに行くよりは人間ドックに行った方が遙かに有益と考えるタチなので、実際に先月は人間ドック行った。ただ、アレですな。「厄」というのは、なにも自らの健康にのみ降りかかるものではないから、人間ドックに行くだけでは防ぎようがないんですね。

ただ、繰り返すようだけど、「厄」云々を気にするタチではないので「こういうこともある」と飲み込むしかない。南井調教師がナリタブライアンで3冠と有馬記念を勝ったのも、古くは故・吉永正人さんがミスターシービーで3冠を制したのも、厄年での出来事。

厄になんか気にするもんか!   なんて言いつつ、明日あたり川崎大師に行ってたりして(笑)

 

 

 

| | コメント (0)

2009年6月26日 (金)

薄っぺらい新聞の小さな写真

「朝日新聞社、夏のボーナス4割カットを組合に提案!」

こんなニュースが巷を騒がせてから1ヶ月。斜陽が囁かれていた新聞業界ではあるが、ついに本格的な波が押し寄せて来ようとしている。読売も日経も、新聞各社の夏のボーナスは大幅カットが決定した。

業績低迷の理由は「広告不振」に尽きる。全国紙に限れば、実は部数はそれほど落としてない。

広告が減ればそれに合わせて記事も減るから、最近の新聞は薄くなる一方。それでも、一定の情報を載せなきゃならんのはメディアの使命である。見出し文を短くしたり、写真の掲載を減らすなど、記事文に割くスペースを確保するためにどこも苦心している。

写真の掲載サイズが小さくなったり、掲載そのものがなくなってしまうと、カメラマンがワリを食う。そもそも、単純な撮影に限れば、特別な技術など必要とされない時代である。かつては、記者にカメラを持たせても、まともな写真などとても期待できなかった。だが今のカメラ事情では、ピンぼけ、露出不正、フィルムの入れ忘れ、フィルムの装着ミス(空回り)、フィルムの取出しミス(巻き戻さずに裏蓋を明けてしまう)…等々の事故はほとんど起きない。プレビューで確認してイマイチだなと思えば、撮り直せば良いのである。

かくして写真部員たちは、撮り直しが出来ない現場専門となりつつある。もちろん、そこを任されるのはプロたる所以だが、彼らが持つ本当のプロとしての技術は、実は「失敗しない」という部分にあるのではない。

ChaserTVのニュース映像と、新聞に載せられた一枚の写真とは、そも何が違うのか?

記録性という視点で見れば、「音声」という要素を持つ映像の優位性は動かない。だが写真には、見る側の「思考」を呼び起こすという希有な特性がある。一枚の動かぬ写真をじっと見つめれば、おのずとそこで起きていることを自らの頭で考えるし、さらには撮影者の意図にまで思いを馳せることもあろう。よりたくさんの思いを巡らせしめるような写真は、一般に「よい作品」であることか多く、そこに「技術」の差が現れる。もちろん新聞に限った話ではない。雑誌ならば、その傾向はより顕著になるかもしれない。

最近の新聞は写真が少なくなったばかりでなく、掲載サイズも小さくなった。これは、小さな写真でも美しく印刷できる、いわば機械的な「技術」の為せる業だが、そのおかげで撮影の「技術」を感じる機会が減った感は否めない。

しかし、逆に写真を大きく載せると、「写真ばかりデカくしやがって! 手抜きじゃねぇか!」というクレームが来るらしい。難しいですね。

 

 

 

| | コメント (0)

2009年6月25日 (木)

大井に餃子店を

昨日の話。

どうしても昨日のうちに35万を工面したい事情(「工面しなきゃならん事情」ではない)があって、ヴァーミリアンとフリオーソを外した大穴3連単をベタベタと買った。いやあ、こんな文面だと、下の広告リンクがキャッシング一色になりそうだな。

とにかく、今の私にはさほどの元手があるわけでもない。レースのあと競馬仲間と食事に行く約束があったのだが、その飲み代さえも窓口に突っ込まざるを得なかった。

だが、冷静に考えれば、このメンバーの中に、フリオーソとヴァーミリアンに勝てそうな馬が3頭もいるはずもなく、結果が出る前ではあるが、食事の誘いは丁重に断った。当たるはずがないのである。先方には悪いが、夕食は場内で安上がりに済ませることにした。

ところが、その夕食が決らない。以前なら迷わず吉野家であったが、今はそれもない。どこかの店に座って食べている時間もない。

で、結局はL-WINGスタンド1Fのモスバーガーという結論に至った。

帝王賞で混雑するスタンドの片隅で、なけなしの金で勝ったチキンバーガーをモソモソと噛りながら考えたのである。なぜ大井には「餃子専門店」がないのであろうか…?

Gyoza餃子ほど万人ウケするメニューは、そうそうあるまい。ご飯のおかずになる上、値段も安い。しかも何よりビールに合う。

実は、大井で餃子店をやってみたいという若者が身近にいて、カメラマン仲間がいろいろ相談なんかにも乗っているのである。屋台のデザインや、仕入れルート。果てにはプロモ戦略にまで踏み込んだ話は、帝王賞の発走直前まで延々続いた。

我々がなぜここまで真剣に相談に乗るのか? 答えはシンプルである。競馬場で、安くて旨い餃子が食べたいのだ。

 

Teio2ヴァーミリアンの完勝で帝王賞が終わり、私の「35万作戦」は夢と消えた。もとより、レースがマズかった。来週のゴールドカップなら、まだ波乱の目もあったと思うのだが、しかしそれでは間に合わないのである。

餃子店を開くにも、それなりにまとまった金が必要となろう。ために、餃子店開店に協力する我々も、資金援助のために大穴馬券を買い続けている。必要な金を馬券で購おうとすることは、決して誉められたものではあるまいが、なんとなく夢があって良い。

いつかこうした努力が結実し、餃子店がオープンする日を夢見て、微力ながら応援を続けていきたい。

 

 

 

| | コメント (0)

2009年6月24日 (水)

またもフリオーソ完敗で

めでたく雨はあがったが、蒸し暑さは尋常ではない。冷房の効いたスタンドからいきなり屋外に出ると、あろうことかカメラのレンズが曇った。そんな大井競馬場では、まもなく帝王賞の発走を迎える。

ヴァーミリアンvsフリオーソ、という構図は衆目の一致するところ。道悪競馬となったが、逆に能力の差が浮き彫りになると考えれば、人気2頭にはむしろ有利に働くことだろう。

そんなことをぶつぶつ考えているうちに、レースはスタートした。

隊列はアジュディミツオー、フリオーソ、ヴァーミリアンの順。だが、フリオーソとヴァーミリアンとの差は半馬身もない。これではフリオーソの勝ち目はないと思われた。瞬発力でかなわないことは、東京大賞典で証明済み。勝つためには、早めに動いて相手の瞬発力を削ぐほかはない。

そんなことは百も承知とばかりに3コーナー手前からフリオーソが仕掛けた。が、ヴァーミリアンも馬なりのままピッタリ着いてくる。後ろに怖い馬がいないのだから当然なのだが、直線でアッサリ交わされると、最終的には3馬身の差をつけられてのゴールとなった。

Teio  

とはいえ、東京大賞典では5馬身半あった差が縮まったのも事実。レース直後、私はとある人に「馬は頑張った」と言ってしまった。

何気ない発言ではある。

だが、いま帰宅の大井町線に揺られながら思い返すに、仮にもディフェンディングチャンピオンに対して投げ掛けるべき言葉としではなかったと、いたく反省している。3馬身も負けたのに「頑張った」はなかろう。

そんなことをいじいじと考えていたら、逆にそのフリオーソにも矛先を向けたくなってきた。

Furi  

今日を含めてフリオーソはヴァーミリアンと相まみえること実に7戦。だが、その戦績は一方的でフリオーソの全敗である。その負け方も判で押したかのごとく、先行→差され負け。今回に限れば、同厩のアジュディミツオーの存在もあり、好き勝手なレースが許されなかった可能性も捨てきれないわけだが、ボチボチ何か工夫を見せて欲しい!と思わずにいられない。

蒸し暑い競馬場の空気そのままに、なんかモヤモヤした思いが残る一戦でもあった。

 

 

 

| | コメント (0)

2009年6月23日 (火)

再びのライバル喪失

帰京した途端にアグネスタキオンの訃報に触れ、驚いているところである。

Tachyon2_2なんと言っても、つい3~4日前に元気そうな姿を見たばかりなのだから、にわかには信じがたい。11歳の若さを聞けば言葉も失う。馬の冥福を祈ると共に、関係者にはお見舞い申し上げたい。

僅かながらジャングルポケットに縁があったこともあり、私にとってのアグネスタキオンは「偉大なる種牡馬」という存在に留まらない特別な一頭だった。早来界隈を訪れる機会があれば、必ずアグネスタキオンとジャングルポケットの2頭は見ることにしているし、2頭の産駒を同じレースで見つければ、お互の着順を気にしながらレースを見るほどである。

 

今でも思い返す2001年の日本ダービー。

Jp 

もしアグネスタキオンが出走していたら、果たして結果はどうなっていただろうか? 

「そりゃあ、もちろんアグネスタキオンが勝つさ。皐月賞でジャングルポケットとの勝負付けは着いているからな」

   という意見はおそらくたくさんあるだろう。

「いや、それでもジャングルポケットが勝っていたよ。東京なら全能力が発揮されるし、それはJCの結果が証明しているからね」

   という意見もかなりあろうかと思う。

Tachyon1  

実現しなかった対戦の結末をあれこれ論じたところで、さほどの意味もないことは分かっている。だがそれを承知で、なお未知の対戦に思いを巡らせてしまうのは、競馬ファンの性(さが)ではないか。

あの日、東京競馬場でジャングルポケットの関係者の口から、「アグネスタキオンがいなくて本当に残念」と聞かされた時、私は自分の耳を疑った。ホースマンなら、何を差し置いても勝ちたいのがダービーである。最有力馬の回避は、まさに天が授けてくれた絶好のアシストパスだ。だが、私の目の前の人物は、それを残念がっているのである。

Tachyon4_2ほどなくして私はその意味を知った。

たとえダービーを勝ったとしても、皐月賞でアグネスタキオンに負けたという事実が消えることはない。しかも相手はサンデーサイレンス産駒にして、前年のダービー馬の全弟という超良血馬。ジャングルポケットの能力が、アグネスタキオンのそれを上回っているのだと証明するには、ダービーでアグネスタキオンを負かす必要があった。が、ジャングルポケットにその機会は与えられぬまま、2頭の競走能力の比較は完全にコミットしてしまったのである。それはジャングルポケットがJCを勝ったところで、変わるものではなかった。

Tachyon3 

ジャングルポケットに残されたリベンジのチャンスは種牡馬成績である。昨年はオークスと菊花賞を獲ったものの、皐月賞、NHKマイル、日本ダービー、そして有馬記念を勝ったアグネスタキオンには及ばなかった。

しかしそれでも、配合相手の質を考えれば大健闘と考えてよく、逆転の日は近いと思われていた。今回の訃報は、そんな矢先の出来事だったのである。種牡馬としても、ついに評価の逆転を見ぬまま、ライバルは戦いの舞台を去ってしまったわけだ。

アグネスタキオンの訃報に接し、もっとも悲しい思いをしているのは、同じ牧場内に暮らすジャングルポケットではないか。そう思えてならないのである。

 

 

 

| | コメント (0)

2009年6月22日 (月)

夜逃げの方がまだ…

牧場の求人難は今に始まったことではないが、最近のそれは昔に比べて若干の違いがあるようだ。

かつては「北海道で働ければどんな仕事でも構わない」とか「馬に携われるのであれば、仕事内容はなんでも良い」という“憧れ系”の若者がやってきて、牧場に住み込んで働いていた。もちろんその大半は、仕事のキツさに音を上げて辞めていくわけだが、夜逃げ同然に消えてしまう輩も珍しくはなく、そこにはある種の後ろめたさというものがあった。逆に、その仕事こそが、かつての“憧れ”を何かの形に具現化させるための修練だと考えることができた人たちは、今日の日高を支えてる一人として活躍しているのである。

しかし昨今の若者は違うという。

給料や休みといったシンプルな条件のみならず、社会保険や各種手当についてまで細かい説明を求める若者が増えたというのだ。つまりサラリーマン感覚なのである。そして辞める時もコソコソと逃げたりするのではなく、堂々と「この仕事は私が就くべき職業ではなかった」と言い残して辞めてしまうのだという。「私はこの仕事に向いてない」ではない。彼らの主張は「仕事の方が私に合わない」のである。そこには後ろめたさの欠片さえも存在しない。

前に、日高の牧場を労務面から支えているのは、実は東南アジア系の外国人労働者であると書いたが、一昨日のBTCでも外国人のライダーを何人か見かけた。彼らは母国でジョッキーのライセンスを持つプロであり、技術的には申し分なく、何よりよく働く。

良い人材の確保は、業界全体が直面する吃緊の課題である。しかもそれは、出来上がりの人材をかき集めて済むような単純な問題ではない。

Bokujo  

ゆとり教育のぬるま湯にどっぷり浸かりきった世代の連中は、大半がぬるま湯から上がることができないまま身体だけ大人になってしまった。見方によっては気の毒でもあるが、それは彼らの問題であり、彼ら自身で解決しなければ、結局はぬるま湯地獄から抜け出すことはできない。

「この業界で知識を溜め、技術を磨き、いつか絶対成功するんだ!」

こんな気概を持った若者は、もはや絶滅寸前なのだろう。なにも生産業界に限った話でもないのだけれど。

 

 

 

| | コメント (5)

2009年6月21日 (日)

ライトレジーナ4勝目

このブログで何度かとりあげているライトレジーナ(牝3)が、本日の大井8レース矢車草特別を勝ちました。

1600mで勝ったこともそれなりに意義はありますが、それにも増して、ここで賞金を加算できたことが何より大きい。今後のレース選びにゆとりが生まれた。

ちなみに、私はまだ札幌にいます。レースには駆け付けることができませんでした。関係各位には優勝のお祝いだけでなく、あわせてお詫びも申し上げます。

 

 

 

| | コメント (0)

予想中

予想中

ちょっと変わったところに場所を移して、馬券検討中です。

マーメイドSが箸にも棒にも引っ掛からん結果だったので、追い詰められました。

 

 

 

| | コメント (0)

札幌競馬場です

札幌競馬場です

札幌競馬場は薄日がさしていますが、雨も降るおかしな陽気です。第1レースは10時40分なので、まだまだ時間があります。

 

 

 

| | コメント (0)

2009年6月20日 (土)

海老・いくら・ウニ発見!

BTCを9時に出発。門別の広富に到着したのは10時45分。

曇り(ひょっとしたら雨も)の予報も、この一帯は薄日も漏れる好天。当歳馬たちが草を食む姿を、のんびり見つめているうちにあっという間に時間は過ぎて、もう16時。慌てて出発して、17時半に札幌・豊平の「大喜寿司」に到着。

こちらにはJRAの某調教師がよく来店するということで、その調教師の管理馬がGⅠレースを制した時の写真をお渡しするためにやってきた。

……それだけ。

このあと人と会う約束をしているから、時間はない。もとよりクルマなので酒も飲めない。

Image_3_2なのに、「ちょっとだけでも」ということでこんな感じに握っていただきました。これは嬉しいですね。この3勘を頂いただけでも、「札幌まで来たかいがあった」と思う。

 

 

 

 

 

| | コメント (0)

ワカタカ号発見!

Ima_2 

 

 

 

 

 

 

 

浦河で見つけました。

私はいま、一路札幌に向かっております。輪厚SAはどしゃ降りです。

 

 

 

| | コメント (0)

今度は馬に

今度は馬

今度は馬に行く手を遮られましたが、これは当然のこと。

 

 

 

| | コメント (0)

BTCに向かってます

BTCに向かってます

急いでいるときに限って、めったに来ない日高本線に行く手を阻まれるんだもんな……。

 

 

 

| | コメント (0)

2009年6月19日 (金)

浦河です

Joe浦河のホテルイーストからこれを書いてます。

気温28度、湿度65%の羽田から、わずか1時間半のフライトを経て降り立った千歳は、なんと気温13度。雨であった。

しかし、札幌は晴れ。18度。そのなんと爽快なことか。明日より始まるJRA札幌開催は、関東の人間にしてみれば天国のごとく快適な環境であろう。環境が良ければ頭も冴える。頭が冴えれば、馬券にも結びつくに違いない。

明日からJRAは再び3場開催態勢となる。ファンが互いに金を奪い合うのが馬券というギャンブルであるのだとすれば、気温30度を越える炎天下で頭を絞る福島、阪神のファンに比べ、札幌に陣取ったファンは多少なりともアドバンテージがあるはずだ。もちろん福島も捨てがたいが、やはりこの時期は札幌ではないかという気がする。

車を南下させ、夕闇迫る浦河に到着。

ホテルにチェックインして、育成業を営む友人と酒を飲む。

案内されたホテルイースト近くの寿司店は、ネタといい、酒といい、大将の腕といい、いずれも出色であった。ただ悔やまれるのは、あまりに酔っていたため、その店の名前を失念してしまったこと。2人で、1升近く飲んだからなぁ。明日朝起きられるだろうか?

 

 

 

| | コメント (2)

2009年6月18日 (木)

ナマラスゴイ11戦目

ナマラスゴイ、2ヶ月半ぶりの出走は自身11戦目。JRAの未勝利馬相手の交流レースである。

久々ゆえ、ナマラスゴイのことを忘れてしまったという読者諸氏のため、若干の説明を加えておく。

■極めてズブい

ゲートは1、2を争う速さなのに、1コーナーに差し掛かる頃には、いつのまにか最後方をトットコ追走している。ために、スタートから追い通しの競馬の繰り返し。騎手泣かせの一頭である。

■でも成績は堅実

通算成績は10戦して2勝8敗だが、掲示板を外したことは2度しかない。まあ、これはズブさの裏返しでもある。

■私が見に行くと勝たない

私はこれまで8回ほど彼のレースをライブで見ているが、首尾よく口取りとなった例がない。すなわち、やむにやまれぬ事情によりどうしても私が競馬場に駆けつけることができなかった2度の機会に、きっちり彼は勝っているわけだ。不本意ではあるが、これは巡り合わせと割り切る他はない。それ以外に原因があるのだとしたら、いろいろ面倒くさいことになる。

そんなわけで、今日もスタートから追っ付け通しの競馬。……で、結果は5着。

休み明けで、しかも追走に苦労する1400m戦。ふたつの不利が重なった今日の結果は、ある程度仕方ないと思える。いくらズブいとはいっても、普段なら最後はもう少し伸びて来るはず。やはり、1400mではよほどペースが狂わない限り勝つのは難しいよ。14000mなら自信が持てるんだけど。

一度右回りの競馬も見てみたい気もするが、ともあれ「次」に期待を抱かせてくれるのは、この馬の長所のひとつでもある。

 

 

 

| | コメント (0)

2009年6月17日 (水)

関東オークス

昨年はユキチャン・フィーバーに沸いた関東オークスである。梅雨時の重賞は雨との戦いでもあるが、今宵はどうにか持ちこたえてくれた。

Rappa  

今開催から御披露目の「川崎ドリームビジョン」。JRAと違って、フルサイズの実況映像が挿入されるので迫力は圧倒的。また、デカくなった分だけ、画質の良さも際立つ。

Vision  

その一方で、「正面からの映像ばかりで、各馬の位置取りがわかりにくい」との声が背後から聞こえてきた。「迫力」と引き換えに失ってしまうには、あまりに大きな要素であろうが、私個人としては「位置取りは肉眼で追い、それで見えぬものをビジョンで見る」というスタイルがあっても良いと思う。が、それも1Fスタンドからではそれも難しいか。

勝ったのは単勝1.3倍の圧倒的1番人気ラヴェリータ。JRAダート3勝はダテではなかった。

Koaks  

Moere_2地元期待のモエレエターナルは6着。桜花賞から、羽田盃、東京プリンセス賞、東京ダービー、そしてこの関東オークスと、南関東3歳クラシック皆勤賞の達成は珍しい。だが、さすがにお釣りがなかったのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

Roma私が注目し続けるロマも、賞金上位馬の回避のおかげで、晴れて出走の運びとなったが10着と大敗。

「出走メンバー中、2000m以上の距離で勝ち星があるのは、ロマをおいて他にない。タフなレースになれば台頭の余地もあるのではないか……」などと勝手な皮算用をしたのがマズかったのかもしれない。反省。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | コメント (0)

2009年6月16日 (火)

ポーカーアリスついに帰厩

ポーカーアリスが船橋競馬場に無事入厩したというので、早々に馬見へと繰り出した。

川崎在住の私にとって、実は市原(放牧先。アクアライン利用)も船橋もさほど違いは無いのだが、それでも「ずいぶん近くまで来てくれた」と思わずにいられないものである。まずはひと安心。

Tsumeただここで言う「安心」とは、あくまでも輸送に際してトラブルがなかったことを指すもので、これで前途が揚々だと言うつもりはない。ここに至るまでのひとつひとつのステップがとてつもなく大きく、それを登るのに途方もなく長い月日を要したもんだから、ついつい入厩がゴール地点のような錯覚に陥ってしまいがちだが、本当のゴールはまだずっと先にある。来月の調教試験に合格し、レースへの出走を果たすこと。そしてそこで勝つこと。そこまで到達できなければ、それはゴールではない。

「無事に走ってくれればそれでヨシ」という思いが大事であることは、もとより承知。だが、この一年余りの間、この一介の地方2勝馬に携わった人の多さ、そしてその労苦の厳しさは、「無事ならそれで…」などというきれいごとで購えるレベルではとてもない。

社台ファームの古参スタッフをして「こんなひどい蟻洞は見たことがない」と言わしめ、いつ再発するか分からぬこの蹄を、休む間もなくケアし続けた牧場スタッフの方々の心労たるや察するに余りある。そして何より、激しい痛みを伴う治療に耐え、ややもすれば命をも落としかねない病を克服した馬自身の頑張りも、見逃してはならない。

普段より「勝ったら驚く」を己の脳裏に刻み込み、負けを前提として競馬に臨むスタイルを貫く私ではあるが、ことこの馬に関しては「絶対に勝つ!」と強く意識してレースに臨みたい。

なんて、よもやこんなことを書いた数日後に、また放牧に逆戻りなんてザマにはなるまいな。有りそうで怖いんだけど……。

 

 

 

| | コメント (1)

2009年6月15日 (月)

夏のボーナス

日本経団連が発表した今夏のボーナスの妥結状況によれば、大手企業67社の平均妥結額は前年同期比19.4%減の75万4009円。前年からの減少率で言えば、デフレ不況時の1999年に記録した6.8%減を大幅に上回り、調査を開始した1959年以来、最大の落ち込みとなったという。

暗くなりますね。

折しも、各クラブでは募集馬のラインナップが出揃う時期でもある。世間のボーナス相場が、果たしてどれほど影響を与えるものなのか分からないが、全体で見ればネガティブだろう。ただ、より堅実な一口馬主ライフを楽しみたいという方向に意識が向けば、特定のクラブに応募が殺到するなんて現象も起こり得る。

JRAのレース体系の中にも、様々な「ボーナス」がある。

クラシック3冠を制した馬には1億円、同一年の天皇賞秋・JC・有馬記念を勝てば2億円がそれぞれ至急されることになっており、前者は2005年にディープインパクトが、後者は2000年のテイエムオペラオーと2004年のゼンノロブロイが、それぞれ手にしている。

Di  

これらはある課題をクリアする馬が現れない限り発生しないボーナスであるが、一方で毎年誰かが受け取るボーナスもある。

今週から始まる夏競馬を舞台とした「サマースプリントシリーズ」(函館SS、アイビスSD、北九州記念、キーンランドC、セントウルS)、「サマー2000シリーズ」(七夕賞、函館記念、小倉記念、札幌記念、新潟記念)のシリーズ優勝馬には、5000万円のボーナスが支給される。七夕賞の1着本賞金よりちょいと高い程度の金額とはいえ、騎手への進上金とかご祝儀とかが発生しないのは結構でかい。調教師には発生しているのかもしれないんだけど…。

 ~歴代サマーチャンピオン~

Sun 2006年
  サマー2000 スウィフトカレント
  スプリント シーイズトウショウ

 2007年
  サマー2000 ユメノシルシ
  スプリント サンアディユ

 2008年
  サマー2000 ミヤビランベリ
  スプリント カノヤザクラ

さて、今年あたり、2年連続のサマーチャンピオンが出るのだろうか。

 

 

 

| | コメント (0)

2009年6月14日 (日)

ホース・エキスポ

引き続き八ヶ岳より。

Kanban小淵沢は馬の町である。

それは乗馬クラブの多さや、南アルプスを望む「山梨県馬術競技場」の威容だけが証明するものではない。そこに住まう方々の馬への思いが、まず違うのである。

そんな小淵沢の方々の「馬と人の新しい文化を広く発信したい」との思いが先月末についに結実。「ホース・エキスポ」という形で花開いた。

馬と人との触れ合いの文化をテーマにしたイベントは、欧米では珍しいものではないが、ここまで大規模なイベントは、おそらく日本国内では初の試みである。あいにくの雨空ではあったが、成功裏のうちにイベントは無事終了。既に次回開催への準備も始まったという。 

Chirashi  

イベントの目玉は、アメリカから乗馬インストラクターを招き、自然の顔料で馬体に色を塗った馬の動作から骨格や筋肉の動きをビジュアル化するいわば「動く解剖学」。興味津々だが、これは有料で前売1万円の参加料を要する(当日発売だと1万2千円!)。普段からこういった料金には鷹揚なつもりの私でも、1万円はちと太い。「どうしても必要である」という人ならともかく、「興味がある」程度の理由では購いきれぬ額であろう。

ただし、無料イベントも様々用意された。日本在来馬の紹介、障害者乗馬のデモンストレーション、さらには小淵沢に伝わる馬にまつわる民話のライブ(語り部さんによるお話)などなど。

今回は初回ということもあり諸処のアクシデントもあったらしいが、それを次回以降へのステップとし、ゆくゆくは日本を代表するホースイベントに育て上げてもらいたい。

ただ、私は今回このイベントに参加することはできなかった。(今回、たまたま小淵沢に来て、関係者に話を聞いただけ)

5月末の週末といえば、言わずと知れた日本ダービーの週末である。どれだけ馬学に興味があっても、また、どれだけJRAと仲違いをしていたとしても、さすがにダービーをソデにするわけにはいかない私にとって、5月最終週に行われるホース・エキスポへの参加は難しい。たとえそれが前後の週にずれたところで、そこにはオークスや安田記念が待ち構える。

競馬とは無縁のイベントだから、仕方ないと言えば仕方ないのだが…。

 

 

 

| | コメント (0)

2009年6月13日 (土)

八ヶ岳でした

八ヶ岳のふもと、小淵沢界隈に来てます。当地では「第14回甲信馬術大会」の真っ最中。

Yagyu馬の前に1枚。八ヶ岳と言えば柳生博さん。ちなみに柳生さんの隣に立つ男性は、私ではありません。

 

 

 

  

 

Uma1続いて小淵沢の馬たちの前髪特集。

 

 

 

 

 

 

 

Uma2っても、2カットだけですが。

 

 

 

 

 

 

 

 

Jidori食事は例によって大泉の「中村農場」で。

 

 

 

 

 

 

Oyakoこちらでは、親子丼、おまかせ焼き鳥、水炊き+雑炊の3点はまず必ず注文して、それ以外に食べたいものん追加オーダーするんだけど、最近は基本3点セットすらも食べきれないようになってしまった。いかんですね。いや、この腹をみればそれくらいでなきゃいよいよマズいかもしれん。

 

 

Zosuiともあれこちらの店、水炊きに着いてくる野菜盛りの量が尋常じゃないよね。ちなみに、雑炊セットのご飯の盛りもかなり多い。知らずに「2人前」とか頼んでしまい、運ばれてきた飯の量に圧倒されて会話が途絶えるテーブルもたまに見かける。写真の雑炊で1人前。ご注意あれ。

    
 
   
   
 

 

 

| | コメント (0)

2009年6月12日 (金)

今こそ「遊び」を考えよう

昨日もちょろっと書いた帯広ばんえい競馬の話。

帯広市から競馬事業を受託している「オッズパーク・ばんえい・マネジメント」(OBM)の2008年度の純損失が、6560万円になる見通しであるとの報道があった。

OBMは市との合意に基づき、ばんえい競馬財政調整基金からの赤字補てんを求め、市は基金全額の5000万円を取り崩す議案を市議会に提出した。極論すれば「市民の血税を競馬運営の赤字補填に充てる」という提案。曲折は避けられまい。危機感を抱いている人。抱くべきなのにそうでない人。様々である。

OBMの藤井社長は「結果として単年度赤字になったが、ばんえい競馬の存廃にただちに結びつくものではない」と話しているが、それと同時に「ばんえい競馬が地域に必要なのかそうでないのかを、地域の人が考えて欲しい」とも語っている。

市議会に先立って発表された帯広市の「第6期総合計画(2010~19年度)」の原々案には、「ばんえい競馬振興」の一項が盛り込まれた。「ばんえいを残していかなければ、将来の十勝の馬文化が消えていく可能性がある」というのである。

「ばんえい」が文化的に貴重な存在であることは疑いようもない事実ではあるが、それなら別に公営ギャンブルとしての「ばんえい競馬」でなくても良いと考える人もいる。事実、道内はもとより日本全国で祭事としてばんえいは行われており、あまり文化的側面を強調するとかえって逆効果になる危惧もある。

その一方で、役人、議員、そして厩舎関係者の大半は、存廃問題イコール雇用問題と考えている。雇用問題として扱われるが故に、肝心の競馬の話が置き去りにされてしまうことで話がややこしくなるのである。「ばんえい文化論」はこうした空気に抗らうための、苦肉の策なのかもしれない。

しかし、本来真剣に考えるべきは、馬券発売を伴う公営ギャンブルとしてのばんえい競馬は、果たして必要なのか、否か? この一点であろう。

そも競馬とは大人の遊びであり、競馬場は大人の遊び場に他ならない。

日本人は「遊び」を禁忌とする気質の民族であるから、役人、議員どもが「遊び場」の是非について真剣な議論をするはずもないのだが、本質に立ち返ればそれこそがキモなのである。イギリスで経営不振の競馬場が潰れたなどというニュースを聞かないのは、彼の国の国民性として「遊び」というものをことのほか重要視していることの表れであろう。

例年なら秋になってからくすぶり始める存廃論議が、今年は夏前にやってきてしまった。

早期消火に超したことはないのだが……。

 

 

 

| | コメント (1)

2009年6月11日 (木)

危機感のゆくえ

「寿し長」さんで、こんなチラシ配っているわよ!

帰宅したばかりの妻は興奮しながら一枚の紙片を手渡した。

Chirashi  

これは事件である。

高津「寿し長」といえば、麻布の名店「分とく山」の暖簾にかかる一流店。その屋号は長嶋茂雄氏の命名によるもので、店内にはミスター直筆の“書”が神々しく飾られている。プロスポーツ選手、作家、芸能人、そして馬主といったセレブリティーが、世田谷からわざわざ多摩川を渡ってまで足を運ぶ隠れた名店だ。

そのような店で「食べ放題企画」とは、いったいどのような意図によるものなのか?

これは急ぎ調査せねばならんと、さっそく取材に向かった   、って、つまりはそれを理由にただ飲みに行っただけなんですけど。

この不景気で、客足が遠退いていることくらい私にも分かる。その中にあって、これまでの常連に迷惑をかけぬように配慮しつつ、新たな客層に訴えるにはどうすればよいか?こうした議論の末にたどり着いたのが、定休日を利用したキャンペーンであったという。

元来なら定休日であるはずの月曜に限り、「食べ放題」(おまかせ10貫を食べたあとに、追加握りが食べ放題)のみの単独メニューを展開する。当然ながら時間制限があり、90分で“お愛想”。普段カウンターを彩る料理の数々にはお目にかかれないが、ウニも、イクラも、中トロも、なんと車海老までもあるというから(※もちろん仕入れの都合にもよる)、旨い握りを腹一杯食べたいという向きには充分満足できる内容ではないか。

Sushiいわずもがなであるが、念のため付記しておくと、食べ放題だからといって、ネタの質を極端に落とすような真似はしていないし、もとよりこちらの店では養殖ものは一切使用していない。そこは暖簾の重さである。

このようなサービス形態を可能としたのは、ひとえにお店スタッフの自己犠牲の賜物であることは言うまでもない。常連客をおもんばかって定休日にキャンペーンを展開するということは、すなわちスタッフの休みが削られるというこということにほからなず、しかも告知のためにチラシを作ったり、チラシを配ったりすれば、ますます休みは減る。

それでも彼らを動かすのは「いま何かをしなければ」という危機感だ。それは一流店と呼ばれ、普段からセレブリティーで賑わう店であったとしても、決して例外ではないのである。

翻って、またもや廃止論議が沸き上がった帯広ばんえい競馬や岩手競馬の報道に触れるたび、私は「危機感」について考えさせられる。

もちろん、一介の鮨店と同列に扱うわけにはいくまいが、危機感を感じている人と、危機感を感じるべき人との間に乖離が生じれば、行き着く先は明らかだ。そうなれば、さしもの「危機感」をもってしても、誰も動かすことはできないのである。

最後にあらためて告知を。

  寿し長開店18周年記念 月曜限定企画

    「握り追加無料 長福コース」
 
  旬の握り10貫 + 握り追加ご自由で
  なんと4980円!!
  (小学生以下なら2980円)

  詳しくは直接お店にお電話を
  TEL:044-814-0333

高津界隈にお住まいで、「一度入ってみたいと思ってたけど、なかなかきっかけがなくって…」とお嘆きだった貴兄におかれては、是非ともこの機会をご利用いただきたい。なお、相当の混雑が予想されるので、あらかじめ電話で予約しておくのが無難である。

 

 

 

| | コメント (0)

2009年6月10日 (水)

泥田のレースも価値はある

本気英国の「ダービー」はガリレオの半弟、ケープクロス産駒のシーザスターズが栄冠を勝ち取った。ナシュワン以来20年ぶりの2冠達成に、彼の地は沸いているらしい。

日本ダービーとほぼ同じ芝12ハロン10ヤード(約2423m)の距離で行われる英国のダービーだが、良馬場の発表であったにも関わらず勝ち時計は2分36秒74と、我々の感覚からすれば極めて遅い。もちろんこれは今年に限った話ではなく、レコードタイムがラムタラの2分32秒31であることを考えれば、エプサムの12ハロンがどれだけタフであるか想像いただけると思う。

大半の出走馬はゴールにたどり着く前に息があがり、中にはギャロップを続けることができなくなる馬もいる。キャンターにおろして、倒れ込むようにゴールする姿もとりたてて珍しいものではない。

英国のダービーの映像を繰り返し見るうち、先日行われたばかりの我が国のダービーの光景が重なって見えた。

Logi  

40秒を越える上がりを要する馬が続出したこのレース。勝ちとか負けとかを争う以前に、「ゴールまでしっかり走る」ことに神経を注がなくてはならなかった馬のなんと多かったことか。最下位入線のジョーカプチーノの上がり3ハロンは実に49秒を越えていた。通常なら4ハロンの上がりかと見まごうこの数字は、実は15-15より遅いのである。

英国ダービーに限らず、アイリッシュダービーやキングジョージといった英愛最高峰のレースでは、2400mを2分22秒で走破する能力ではなく、過酷な条件でも最後まで諦めることなく走り抜き、しかもゴール前ではライバルに先んじる精神力が求められる。

我が国では、オークス、ダービー、あるいは宝塚記念あたりを勝つと、「秋は凱旋門賞へ」と報じられることが珍しくなくなった。

近年の凱旋門賞は高速化が進み、求められる能力が日本のそれに近づいたから、選択肢としては悪くないと思う。

だが、競馬の本丸たる英国の2400m戦線となれば話は別。サドラーズウェルズ系種牡馬が活躍する英国の競馬に求められる能力は、日本でいう「道悪得意」程度の“特技”で購えるものではない。先日の日本ダービーのような競馬は、そういう意味において貴重だったと思うのである。

 

 

 

| | コメント (1)

2009年6月 9日 (火)

「リザーブカード・ボールペン」大幅品薄の怪

しつこく安田記念の話を続ける。

このブログでもさんざん取り上げているリザーブカードが、安田記念に出走していたことはご存知の通り。GⅠという大きな舞台で、2頭ものダービー馬と真剣勝負できることなど滅多にあるものではない。同馬の会員の知人は、週初めから当然の如く「競馬ブック」を購入してライバル馬をチェックし、安田記念当日は当然の如く口取りに備えてスーツにネクタイという出で立ちで競馬場に現れた。

Reservecard 

GⅠ出走は誉れである。

当日の新聞、レーシングプログラム、そして馬名が印字された馬券といったところが、記念品の御三家だろうか。さらに「出走全馬の馬名がプリントされたTシャツ」なんてのも、場内の売店にて販売されているが、これは身につけるものなので好みが分かれるところか。

私自身にとっては、JRAのGⅠレースなど月よりも遠い存在なので、あまりこの辺の事情に詳しくはないのだが、出走馬の名前と勝負服が印字されたボールペンが出走記念品として人気が高いらしい。以前、東京競馬場フジビュースタンド西端のグッズショップで、これを箱買いする若い男性を目撃したことがある。

グレーのダークスーツにネクタイを締めてはいるが、馬主バッジは付けていない。おそらくどこかのクラブ会員さんだったのだろう。ひと箱にいったい何本入っているのか知らんが、こういうお客さんがいるとなれば、結構な本数を売り上げていると思われる。

Ballpenリザーブカードの会員氏も、そのボールペンを買い求めるつもりで店頭を覗いた。

そしたらリザーブカードだけ売り切れだという。

なんだか事情がわからぬままに他の店を探して歩いたが、やはりどこも極端な品薄。あちこち場内を探し回って手に入れることができたのは、わずかに2本という有様だった。

写真は私がもらった貴重な1本と、マイルチャンピオンシップ出走時の1本。

 

ともあれ、他の17頭は大量に店頭に並んでいるのに、リザーブカードだけ品切れというのは明らかにおかしい。火曜夜の田園都市線に揺られながら、暇に任せて推察を試みた。

【仮説1】GⅠ出走の記念にと会員が大量買いに走った。

リザーブカードはサンデーサラブレッドクラブの募集にかかる馬で、その会員数は40名である。安田記念当日に東京競馬場に来ていた会員は、半数にも満たないだろう。その中に、かつて私が目撃したような「買い占め派」が含まれていたかどうかは疑わしいし、会員だけで場内の全商品を買い占めることは不可能である。ボツ。

【仮説2】意外にもリザーブカードのファンは多い。

かつての人気馬サクラバクシンオーの産駒としては活躍している方だと思う。しかし、条件戦しか勝ったことのない馬に、それほど熱狂的なファンが多くいるとはとても思えぬし、そのことは安田記念のオッズが端的に表してもいる。ボツ。

【仮説3】まさか本気で安田記念に出てくるとは思わなかった卸問屋が、リザーブカードのデザインを発注していなかった。

一見ありそうな説だが、GⅠレースの特別出走登録締切は2週間も前。その時点でリザーブカードの獲得賞金額が出走枠に足りていることは分かっており、陣営も出走を明言していた。「それでもこの馬にマイルは長い」と固く信じた問屋サイドの抗議の表れだった可能性は否定しきれぬが、それでは商売にならん。ボツ。

ここまで考えたところで、電車は高津駅に到着。真相が分からぬままというのは気持ち悪いが、電車は降りなきゃならんので、今日はここまで。

 

 

 

| | コメント (1)

2009年6月 8日 (月)

安田記念を目指すダービー馬

Deepsky「ダービー馬がマイル戦に出てくるなんて、地方競馬みたいでおかしくねぇか?」

安田記念からの帰りの車中、同行の知人がポツリと漏らした感想である。

たしかに、地方競馬ではダービー馬がマイル路線に進むことは珍しいものではない。先日の川崎マイラーズにも2頭の東京ダービー馬が顔を揃えたし、近年のアジュディミツオーなんかも、どちらかと言えばマイル路線を選んで使われている。

地方のダービーは概して2000m以下の距離で争われるから、クラシックディスタンスとマイルとの垣根が低いことも事実。ただ、東京ダービーが2400mだった当時でも、東京ダービー馬がマイルグランプリや東京盃に出てくることは間々あった。

翻って、日本ダービー馬が安田記念に顔を出すケースは稀である。ここ2年に限れば、たまたまウオッカとディープスカイが出てきたが、その前となると1989年のサクラチヨノオーまで遡らなくてはならない。

理由はいろいろ考えられる。

ディープスカイは距離よりも東京コースにこだわって使われているからだし、ウオッカについて言えば、やはりこの馬はマイルGⅠレース4勝の実績が示す通り元々がマイラーなのだろう。昨日のパドックであらためてディープスカイと馬体を比較して見たが、はっきりマイラーとして完成形に近づきつつあるように見えた。

あのダービーは、総合能力に勝るマイラーが、力ずくでもぎ獲ったレースだったように思われてならない。

Vodka  

ただ、この2頭に限らずとも、日本ダービーを勝った馬が安田記念に望むケースは今後も続くと思われる。理由は明快で、日本国内において春シーズンに適当なレースが存在しないこと。これに尽きる。

美浦のとある調教師は「春はおかしな距離のレースしかないから、有馬で引退させるか、休ませるか、海外に行くしか選択肢がない」と嘆く。ディープスカイなどは、まさしくそのクチだろう。3200mより1600mの方がまだマシ、と考える馬が増えれば、春の最強マイラー決定戦たる安田記念の位置付けさえ危うくなってくる。

そのため、京王杯の同週に牡牝混合2000mのGⅠレースを設置すべきとの声が、以前より内外から上がっていた。

そうすれば、産経大阪杯-(中5週)→新設GⅠ-(中5週)→宝塚記念という自然なローテーションが生まれるし、新設G1から安田記念に向かうにしても、京王杯と同じ間隔なら問題にならない。かつて、ダイワメジャーでさえも除外対象となった秋の天皇賞を引き合いに出すまでもなく、2000m路線はもっとも層が厚く、それだけファンの注目を集めるところである。

そういう声を聞いておきながら、結果としてJRAが新設したGⅠレースは「牝馬限定のマイル戦」だった。GⅠレース新設に曲折はつきものだが、ダービー馬には今後も「無理をして安田記念」か「無理をせず休む」という春シーズンが待ち受けることになる。ちなみにジャパンカップを翌週に控えたマイルチャンピオンシップには、ダービー馬が出走したことは一度もない。

 

 

 

| | コメント (1)

2009年6月 7日 (日)

いちばん驚いたのは…

昨日の雨は予報よりも早くやみ、馬場は急速に回復。これはウオッカに追い風とみて、朝も早よから東京競馬場へと足を運んだ。

Paddock  

牝馬新記録となるGⅠレース6勝目がかかる一戦であることよりも、2頭のダービー馬が出走して人気を分け合う安田記念というものを見てみたかった。ウオッカVSディープスカイ。2000m(天皇賞)では、ウオッカ1着に対してディープスカイは3着。2400m(ジャパンカップ)ではディープスカイ2着に対してウオッカ3着。では、果たしてマイルではどうなのか? 昨年まではあまり考えもしなかったが、この2頭のダービー馬は壮大なライバル物語を紡ぎつつあるのではないか。男と女という設定も、ダービー馬同士ということを考えれば奇跡的ともいえる。

Take先週とはうって変わって賑わうパドック。そんな中にあって、武豊騎手はひとり静かに周回するウオッカに視線を送り続けていた。

同行の知人はウオッカが勝つだろうという。馬のつくりが、他の17頭とはまるで違う。私にも異論はない。

 

しかし、これ競馬である以上、やってみなければわからないものでもある。

 

 

 

 

直線坂下。内に進路を取ったウオッカの前に二重三重の馬の壁が立ちふさがった。周囲の観客からは「おおっ!」という驚きの声があがるが、これが競馬。一発勝負はやってみなければ何が起きるか分からない。この程度でいちいち声を挙げているようでは、レースを撮ることなどできないのである。

私は「もはやウオッカの勝ちはない」と判断。ウオッカの後からレースを進めたにも関わらず、あっという間にウオッカを交わしてスムーズに抜け出したディープスカイにレンズを向けた。坂を上って残り200m。追いすがるファリダットとの差は縮まりそうにない。もはや勝負あったと思われた。

Ds  

ところが、フレーム左端から突如として黄色い勝負服が飛んできたのである。あの馬混みをどうやって捌いてきたのか? たとえ捌けたとしても、この荒れた馬場であれほどの瞬発力が使えるものなのか?

Yasuda  

その馬は、ファリダットを瞬く間に交わし、しぶとく抵抗するディープスカイさえもねじ伏せ、最後は抑える余裕まで見せながら安田記念連覇を果たしたのである。驚きのあまり、私は思わず「おおぉっ!」と声を挙げてしまった。

Ws  

表彰式に向かう地下馬道。武豊騎手はひと言「強いね」とだけ言ってウイナーズサークルへの坂道を駆けていった。あるいは乗っていた彼がいちばん驚いていたのかもしれない。

 

 

 

 

| | コメント (0)

2009年6月 6日 (土)

雨の土曜の過ごし方

写真を撮ることがほとんど無くなったことで、土日に競馬場に行く機会が激減した。平日は南関東のどこかの競馬場に顔を出すか、あるいは競馬以外の仕事をし、土日は完全にお休みという生活サイクルが確立しつつある。

だから今日は犬を洗ったり、夏用のジャケットを買いに行ったりしてから、やおら夕方頃に出掛けて、競馬関係の知人と酒を飲むつもりでいた。

が、突然の予定変更。昨今は競馬以外の仕事が忙し過ぎて困る。以前なら何食わぬ顔で競馬の仕事を優先していたのだが、優先すべき競馬の仕事そのものが無いのだから逃げようもない。かくして半ベソをかきつつ大手町へと向かったのである。

雨の土曜日。人影もまばらな大手町界隈を歩くうち、「なんでこんなことになってしまったのであろうか?」と、怒りにも諦めにも似た感覚に苛まれた。

数年前は、東京開催中の土日に競馬場に行かないことなど考えられなかった。仮に行けない日があったとしても、それは牧場に馬を見に行くとか、年に数度の家族サービスを果たなけりゃならんとか、そういうやむにやまれぬ事情があった。ところが、ある日を境に世界はガラッと変わってしまったのである。

そんなことをウダウダを考え始めたら鬱になってしまいそうなので、社台のホームページから地方オーナーズ1歳募集馬の写真を眺めることにする。

今年のラインナップは17頭。高馬と安馬のギャップが鮮明になっていることが特徴と言えば特徴か。中でもエミスフェールとフサイチコンコルドの牡馬は2000万円と抜けた金額設定である。言うまでもなくディラクエの全弟。兄の総獲得賞金は今日現在で7800万円余り。それなら2000万円でも安かろうと考える人がいるのだろうけど、地方競馬の期待値は遙かに上回っていると思う。

Kawasaki  

ちなみにディラクエは昨年の東京ダービー後に屈腱炎を発症。治療に専念してきたが、先週あたりより、ようやく人を乗せることができるようになったという。

ところで、今年の募集から社台&サンデーの通常のクラブ会員向けにも地方所属馬が募集が始まった。これは地方オーナーズの会員としては考えモノである。これについて書き出すとまた長くなるので今日は割愛。

それにしても、本日お会いする約束をしていた相手の方には、私の一方的な事情によるドタキャンにお詫びの言葉もない。プレシャスジェムズの新馬勝ちを、心から願っております。

 

 

 

| | コメント (0)

2009年6月 5日 (金)

ダービー2勝のインパクト

月曜から続いた「ダービーウィーク」は本日をもって終了。ラストを飾る東海ダービーは、2番人気ダイナマイトボディが3馬身差の逃げ切り勝ちを収め、シリーズを締めくくった。

 九州ダービー ギオンゴールド (父ゴールドへイロー)
 ダイヤモンドC マルヨエンゼル (父キャプテンスティーヴ)
 北海優駿 アラベスクシーズ (父カコイーシーズ)
 東京ダービー サイレントスタメン (父レギュラーメンバー)
 兵庫ダービー カラテチョップ (父スキャン)
 東海ダービー ダイナマイトボディ (父レギュラーメンバー)

こうして、それぞれのダービー馬と父馬名を並記すれば、いかにも地方っぽい名前が並ぶ。とはいえ、大井と名古屋の2つのダービーを仕留めたレギュラーメンバーはたいしたものだと思う。今回のこの結果を受けて、少しでも優秀な肌馬が種付けのために津軽海峡を渡ってくれやしないか、などとつい考えてしまう。

レギュラーメンバー自身はコマンダーインチーフの代表産駒だが、むしろ「ロジータの孫」とか、JBCクラシックの初代チャンピオンとしての認知度の方が高いかもしれない。

通算23戦6勝。JBCクラシックの他に、2000年のダービーグランプリと翌年の川崎記念を勝っている。ロジータの血を引くだけあって、地方での活躍が光った。ダービーグランプリでは2着以下を2秒以上も引き離しての大圧勝劇だったし、川崎記念はファストフレンド相手にレコード勝ちである。

Rm  

さらに、あまり印象に残っていないかもしれないが、2001年のドバイワールドカップにも出走。トゥザヴィクトリーの2着好走に日本中が沸く中、ひっそりと9着に敗れている。ちなみにその年のドバイワールドカップの勝ち馬は、月曜に行われた岩手ダービー・ダイヤモンドCを勝ったマルヨエンゼルの父キャプテンスティーヴ。ダービーウィーク全体ではレギュラーメンバーの2勝に対して、キャプテンスティーヴの1勝だから、ささやかなリベンジを果たした格好となった。

Rm2現役引退後は新冠の優駿スタリオンステーションにて種牡馬となり、初年度には49頭の配合相手に恵まれた。だが、目立った活躍馬には恵まれず、ついに津軽海峡を渡ることとなった。この春からの繋養先は、青森県の山内牧場。昨年までダイタクヘリオスがいた、あの牧場ですね。

ともあれ、地方公営とはいえ「ダービー2勝」のインパクトは決して小さくない。青森の生産界は、2頭のダービー馬の今後に注目しているこだろう。

 

 

 

| | コメント (0)

2009年6月 4日 (木)

納得できない客、濡れる客

ダービー翌日の大井競馬場は、普段のナイター開催の佇まいを取り戻している。

昨日はダービーだけあって、さすがに場内は混雑していた。9レースあたりからすでに重賞レース級の歓声を背中から受けたし、パドック隣の「銀だこ」には普段より長い行列ができていたという。

一方で、ゴール前から見える内馬場エリアは、数える程度のお客さんしかいない。聞けば3号スタンドの指定席は完売せず、おびただしい空席が残されたという。

主催者発表によれば、昨日の入場者数は19558人。去年のダービーが19233人で、一昨年が19460人だから、実は平年並みだった。傾向として「なるべく近くで馬を見たい」というお客さんが比較的多かったことから、指定席や内馬場が結果として嫌われたのかもしれないが、もちろんこれは仮説に過ぎない。

昨日は「競馬場に来たのも、馬券を買うのも、初めて」と思しきお客さんがやたらと目についた。配属されたばかりの新入社員を、先輩が競馬に誘うには、6月のダービーというのは時期的にもイベント的にも申し分ない。ネフェルメモリーかナイキハイグレードのどっちかを(あるいは両方を)軸に据えればよいとなれば、初心者にも与し易い絶好のレースとなるはずだった。

Kaneko  

だとすれば昨日の結末は若干痛いものがある。慣れた客なら「これも競馬」と納得できるが、それができないまま満員のバスに揺られて帰宅したお客さんは、夕べはことさら多かったと思われるからだ。

Kta2逆に言えば(スポット参戦の内田博幸騎手はともかく)戸崎騎手は、こういう場であるからこそ勝っておきたかった。ダービーを勝つのが簡単ではなく、むしろとてつもなく難しいことは分かっている。だが、世間一般には、分かっていない人の方が圧倒的に多いのである。

 

 

 

 

 

ところで、「お客さん」と言えば、昨日の帰り際に正門2Fの「ふるさとコーナー」に立ち寄ったら、全身ずぶ濡れで泣いているおじさんがいた。

金子正彦騎手のダービー初制覇に感涙にむせ、感極まって”ひとりビールかけ”でもしていたのか。あるいは、大ファンだったレギュラーメンバーの子の大殊勲に感動し、道頓堀にみたてた内馬場の池にでも飛び込んだのか。

真相は闇の中だが、こういうお客さんも大井にはまだまだいる。

 

 

 

 

 

 

| | コメント (0)

2009年6月 3日 (水)

31年目のビッグプレゼント

東京ダービー・デーの大井9レースは、条件クラスのJRA交流競走。1800mにフルゲート14頭が揃った。

勝ったのは南関東所属のマイハマクルーズでした。ホワイトマズル産駒の5歳牡馬。う~ん、そうですか。やっぱ、ホワイトマズル、走るんだなぁ。

1歳馬購入問題で、いろいろと悩んでおります(笑)

JRAから参戦の内田博幸騎手は、1番人気のラビシュスペンダーに騎乗するも、ブービー13着。とはいえ、このあとの東京ダービーでは1番人気馬への騎乗が待っている。 

続く10レースは「TCKドラママガジン賞」という、なんだかよく分からないネーミングのレースで、勝ったのは金子正彦騎手のタイセイユニオン。ホワイトマズル産駒のフロレセンドは10着に敗れた。むむむ…。

そしてついに本題の東京ダービーでござる。

牝馬ながら1番人気に推されたネフェルメモリーには内田博幸騎手。馬には南関東S1レース4連勝が、鞍上には、シーチャリオット以来の東京ダービー制覇が懸かる。

Uchi  

2番人気ナイキハイグレードには戸崎圭太騎手。馬には牡馬ラシック2冠が、騎手には東京ダービー3連覇という大記録が懸かる。

Kta  

ちなみに、本来なら年中行事行事であるはずの「的場文男が今年こそダービーを勝か?」という話題だが、今年に限れば完全にネフェルメモリーに掻き消されてしまった感がある。だが、騎乗馬ディアテクノバトルは7番人気と、まるで脈がないとも言い切れない評価。逆に、こういう状況だからこそ何かを仕掛けてくるかもしれないという怖さもある。

Mato  

スタートしてハナを奪ったのは内田騎手。戸崎騎手は中団やや前寄り、的場文男騎手は後方に着けて、それぞれ1周目のゴール板を通過して行く。

レースはそのまま淡々と進むかに見えたが、3角手前でナイキハイグレードが動いた。さながら羽田盃のVTRである。

そして直線、逃げるネフェルメモリーにナイキハイグレードが外から並びかける。前に出ようとするナイキをネフェルが内からもう一度差し返す。2頭の一騎討ちか?と思った瞬間、大外から矢のような脚で金子正彦騎手とサイレントスタメンが飛んできて、2頭をまとめてかわしてしまった。

「え~っ!?」とか言ってはいけない。カメラマンの中にも露骨に落ち込んでいる人がいたけど、それは競馬場を離れてからにすべき。競馬である以上、結果がすべてであり、我々はそれを留保なく受け入れなければならない。

Td金子正彦騎手は騎手生活31年目にして嬉しいダービー初制覇。たしか初重賞制覇もデビュー21年目と超遅咲きだったはず。地味で猫背の印象ばかりあるけれど、堅実な騎乗をコツコツと積み重ねていた苦労人に、神様はちゃんとプレゼントを用意していた。

ともあれ、キーワードは大記録云々ではなく「悲願のダービー初勝利」だったんですね。つい3日前の出来事を、もう忘れてしまっている私であった。いたく反省。

 

 

 

| | コメント (0)

2009年6月 2日 (火)

祖母のリベンジ

今日の大井メインレースはB2クラスによる東京スポーツ盃だが、賞金額は準メインの若竹賞の方が高い。3歳一組による2000m戦。桜花賞~東京プリンセス賞と注目してきたロマが出走するとあって、「これは気合いが入る!」と行く気満々だったのに、結局行けなかった。

悲しい…。

しかも、そのロマは見事なレースぶりを見せ、南関東初勝利を飾ったのである。

切ない……。

しかも私が大井に行けなかったのは、他人の仕事が終わるのを待たされていたためであって、こうなるとすこぶる腹立たしい思いがするものである。事情を知る知人は「明日(東京ダービー)でなくて、まだマシだったじゃん」と慰めてはくれたものの、私にとって「行こう!」と決めたレースは、みな等しく大事なのである。

ともあれ、知人が言うように、明日は天下の東京ダービーである。今年は3歳牝馬実力ナンバー1&2のネフェルメモリーとモエレエターナルが参戦してきたので、たいそう盛り上がりそうな気配である。

昨年まで54回を数える東京ダービーの歴史の中で、その栄光を手中に収めた牝馬はわずかに4頭。1991年のアポロピンクを最後に途絶えているが、今年は18年ぶりの快挙も現実味を帯びていると見るべきなのだろう。前売では、2冠を目指す羽田盃馬ナイキハイグレードを抑えて、ネフェルメモリーが1番人気に支持されている。

アポロピンクの後にも、東京ダービーで牝馬が1番人気に推された年はあった。1992年のカシワズプリンセスがそうで、牝馬ながら羽田盃に挑み、並み居る牡馬を蹴散らして勝った彼女が当然の如くダービーに駒を進めると、ファンもまた当然の如く1番人気に支持した。が、結果ブービーに敗れている。

繁殖に上がったカシワズプリンセスは、2002年にフォーティナイナーの牝馬を産む。

ケイアイメモリーと名付けられたその牝馬はJRA尾形充弘厩舎所属で2歳デビューを果たすが、新馬戦13着という戦績だけを残してターフを去った。繁殖牝馬として最初の高配相手に選ばれたのはアジュディケーティング。その結果として産まれてきた牝馬こそ、明日のダービーで前売1番人気に推されているネフェルメモリーである。

Princess  

ネフェルメモリーにとっては「18年振りの牝馬の戴冠」のみならず、実は「祖母のリベンジ」も懸かる一戦。私はむしろ後者に視点を置いて見てみたい。

 

 

 

| | コメント (0)

2009年6月 1日 (月)

雨も競馬のうち

ダービーのパドックで社台の人に「条件はみんな一緒」と言われたところから。

Unこれは、ここまで悪くなってしまえば、どんな馬だってノメるし、どんな馬だって体力を消耗する。「道悪の巧拙」とかいうレベルを越えており、それぞれが失うものはとてつもなく大きいから、その比較に頭を巡らせても始まらないという意味である。

いったん小降りになった雨がまた強くなり、パドックの内側にいた関係者が慌てて屋根の下に避難した。

2冠を目指すアンライバルド。その瞳は闘志に満ち溢れている。若干小ぶりに映る馬体が気がかりではあるが、先週のブエナビスタの例もあるから気にする必要はないか。

 

 

Logi12番人気はロジユニヴァース。横山典弘騎手はいつもと変わらぬ落ち着いた表情。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Uchida3番人気アプレザンレーブには内田博幸騎手。内田騎手の日本ダービー騎乗は3度目だが、回を重ねるごとに騎乗馬の人気がアップしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Kosei三浦皇成騎手。関西の厩舎から依頼を受けて、堂々のダービー騎乗である。よく考えれば凄いことだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sabuサブちゃんが「君が代」を歌うと、あれほどしつこかった雨がにわかにやんだ。こういう方々は、何か特別な力を持ち合わせていらっしゃる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レースは皆さん御承知の通りの結果。

Logi3 

皐月賞13着馬の巻き返し勝利。横山典弘騎手、悲願のダービー初制覇。猛烈な豪雨。異様に時計のかかったレースぶり、等々。ある意味では、とても記憶に残るレースとなったといえる。たとえは難しいが、昔のダービーを思い起こさせるような要素が競馬場のあちこちに散らばっていて、一日かけてそれを拾い集めて歩いたような、そんなダービー・デーであった。

Logi2_2  

ただ、ひとつ画竜点睛を欠いた出来事が。

優勝騎手インタビューで、何を勘違いしたのかインタビュアーが「秋には三冠の期待もかかるわけですが…」と質問した瞬間は、我が耳を疑った。よもや「アンライバルド優勝時用」の質問原稿を間違って使ったわけでもあるまいが、いずれにせよあってはならぬミス。せっかくの横山典弘ダービー初制覇の余韻に、泥水を差す結果となってしまった。

 

 

 

| | コメント (0)

« 2009年5月 | トップページ | 2009年7月 »