東京最終日の”奇跡”
私の斜め後の席に座った外国の方が「Oh! Fujiyama!」と叫んだので見てみたら、なるほど確かに見事なフジヤマっぷり。今年のジャパンカップは年間を通しても何日も無いであろうほどの好天に恵まれた。
今年の東京開催最終日ということでもあるので、いろんな人を探して挨拶をして回る。挨拶ついでに「今日のメインは何が勝ちますか?」と聞きまくるのだが、たいていの答えは「パドック見るまで分からない」というもの。ダービー馬3頭に菊花賞馬2頭、さらにグランプリホースまでが顔を並べたわけだが、それぞれが無視できない死角を抱えていることもまた事実で、みんな頭を悩ませている様子である。
社台の関係者に会って「今日は社台さん(の持ち馬)はスクリーンヒーローだけだけど、これはどう?」と聞いたら、「調子は悪くないけど俺は買わない」とバッサリ切り捨てていた。たぶん今ごろ悶絶死しているに違いない。
「近年の菊花賞は実質GⅡレベル」説を信奉している私にとっては買い目の悩みに拍車をかける見立てである。
さらに目に留まる馬が一頭。しかし顔だけ見ても名前が分からん。そんでファインダーから目を挙げて、まじまじとその一頭を見れば、なんとコスモバルクである。いや~あ、結果を知った今からこんなことを書くのは恥ずかしいけど、17頭ん中では一番良い”眼”をしていたんですよ。
逆に、馬券に関わらず注目のウオッカは、あの天皇賞で感じた内に秘めた闘志が身体から溢れ出るようなオーラを感じることができない。いやそれよりむしろなんとなく可愛らしさまで漂う。
「どうしよう、どうしよう」と悩んでいるうちに、出走17頭は地下場道へと消えていった。
結局、ウオッカは買わず、オウケンとコスモからパラパラっと馬券を買ってレースを迎えた。結果は周知の通り。
コスモバルクはウオッカと共に「引っ掛かり」競走をしているかの如く掛かりまくって、彼のレースは終わってしまった。そう思えばウオッカの3着は逆に凄い。凄いが、騎手には悔いが残る結果に違いない。オウケンブルースリには古馬初対戦という理由が用意されているが、終わってみれば「やはり」という感も残る。いやそれにも増して自らの馬を見る目の無さには無力感さえ漂う。
と、うつむきながら帰ろうとした時、ふと懐の馬券を見たら、中に1枚的中馬券が!
枠連5-8。コスモバルクとスクリーンヒーローが同じ枠だったことで起きた奇跡である(大袈裟)。
今ではすっかり人気のなくなった馬券の「代用」に助けられ、府中本町駅の混雑が収まるまで駅近くのコーヒーショップで余韻に浸っていたら、その店にたまたまヘレンさんがやってきた。そして開口一番「今日ずっと探してたんです!」と流暢な日本語でおっしゃる。ホントの奇跡はこっちである。
お土産だという英国の競馬グッズをいただいてヘレンさんに別れを告げ、まだ混雑の残る南武線に乗る。今年最後の東京競馬場は、なんだかんだで悪くない一日だった。









































































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