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2008年10月31日 (金)

写真の作法

「何だか分からん写真が最近増えた」

以前、カメラマン同士の世間話タイムにこんな話題が出たことがある。黒潮盃の大井でのことだったか。旅行ガイドや広告に使われるスチールに一風変わった写真が目立つとか、そんな話だったと記憶している。

例えば極度に商品に近づいて接写するあまり商品の一部分を除いてピントが合っていなかったり、あるいは完全逆光で被写体が真っ黒になっていたり   。たしかに一見して「なんじゃ、こりゃ?」と思ってしまうものが目につく。

カメラマンの創作意欲の発露なのか、あるいは編集者の魂が揺さ振られたのか。詳細は分からぬが、かつて15年ほど前にレストランガイドの写真を撮っていた頃には、少なくともそんな風潮はなかった。

写真撮影の流儀というものは様々で、10人いれば10通りの作法が存在するといっても差し支えない。私はと言えば、若い時分に新聞流のやり方を叩き込まれたこともあり、首尾一貫「分かるように撮る」を仕事上の眼目としているつもりである。

Neo  

そも、“写真”とは何か   

哲学的な話を始めたらキリがないが、私はごくシンプルに「情報伝達のためのいち手段」という考えを第一義に置いている。したがってそれが何を表しているのかが一見して分からないようでは身も蓋もない。すなわち、良い写真というものは誰が見ても分かりやすいのである。

中には写真芸術論を引っ張り出してきて「分かる奴にだけ分かればよい」というような主張を唱える輩もいるが、これは大きな間違いで、完全なる自己満足の世界にほかならない。古今東西、絵画、彫刻、小説から映画に至るまで「名作」と呼ばれるものに理解しづらい作品など存在せず、どんなに高度な技術を注ぎ込んだとしても、見る人が理解できなければそこには何も生まれない。結果、過大な自己表現に終わるのみとなる。

話がデカくなってしまったが、馬の写真にたとえると、見た人が「あぁ、これは良い写真だな」と思う写真は二流で、「あぁ、これは良い馬だな」と思える写真こそが一流なのである。ただ、そう思っていても、なかなかその領域に踏み込むことは難しい。

「道を極める」のは何事においてもそう簡単なことではない。人目を引こうと奇を衒ってみたり、あるいは何とか分かりやすくさせようと思うあまり修飾過剰な写真ができあがる。両者とも典型的な   しかも私がしょっちゅう陥る   失敗例である。

簡単なことを難しく表現するのはたやすい。難しいことをいかに簡単に表現するか   。それこそが技術であり、つまるところ写真の作法とはこれに尽きるのではないか。

 

 

 

 

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2008年10月30日 (木)

競馬場外のサンマ定食

18(土)に東京競馬場に行った時の話の続き。4ヶ月半ぶりともなると、たまの1日ばかり遊びに行っただけでずいぶんと書くネタがあるもんなんですな。

この日私はとある馬の口取りを期して競馬場に向かったわけだが、半年ほど前にJRA様からお暇を頂いてしまい、通行証を返上つかまつった立場ゆえ、そのままでは口取りに参加することはできない。そこで毎週府中に通い詰めているはずの知り合いの馬主をとっ捕まえて同行させてもらうことにした。

1R前にはスタンドに入り、コーヒーを飲んだり、パドックを見て馬券を買ったり、当たったり、外れたり   。こうして、ごく普通の競馬場での過ごし方をしながら午前の4レースが終了。お昼休みを迎えたのである。

Okura_2馬主が競馬場で食べる食事というと、場内の最上級レストランを想像されるかもしれない。さしずめ東京競馬場ならメモリアルスタンド6Fの『ホテルオークラ』、中山なら『マツヤサロン』といったところか。

しかし実際にはそんなところに通い詰める馬主は少ない。毎週土日の昼食が、カツカレー、鰻重、天ざる、ステーキの繰り返しでは食事としての歓びに欠ける。さらに店内は混雑の極みにある上、どのメニューもおしなべて高い。かといって府中駅近くまで出るには昼休みは短く、何より面倒である。ために『梅屋』の肉うどんや、『吉野家』の牛丼。あるいは『ハロンボウ』の焼鳥丼を食べている馬主を見かけることはけっこうある。

私と一緒にいる馬主も、夏に福島に行った時は牛丼を食べたから、おそらく今日も『吉野家』だろうと思っていた。ところが4レースで自分の買った馬券が外れるのを見届けると、やおら立ち上がって「外に行こう」と言い出す。

なんでも先週の毎日王冠当日は場内の食堂という食堂が大混雑。辟易して仕方なく外に出たら、「たまたま良い店を見つけた」のだそうだ。「それは楽しみです」と返答し、西門へと向かう馬主の後を追いかけながら「いったいどこだろう?」と考えを巡らせる。あるいは最近になって府中本町駅近くにオープンした『餃子の王将』かもしれない。福島からの帰途、わざわざ高速道路を降りてまでして宇都宮餃子を食べに向かったことを思い出した。

ところが馬主は西門を出るなり「おお。そこだよ、ソコ」と言う。ソコってどこだよ?などと思う間もなく、西門外に軒を並べる掛け茶屋(開催日のみ営業する居酒屋)のひとつに入って行った。

ココ!?

Nishimon02私は四半世紀に渡り東京競馬場に通っているが、競馬帰りに寄ることはあっても昼食のためにわざわざ来たことはない。競馬帰りのファンが、安い酒を飲みつつ負けた騎手や予想を外した競馬記者への恨み言を言い合う店   。少なくとも私はそのように思って使っていたのである。

焼き物の煙が充満する6畳ほどの狭い店内に入ってさらに驚かされた。

先にテーブルに着いていた10人あまりの客全てが、馬主もしくはその関係者だったのである。

Nishimon01少なくともステレオタイプな“競馬のオッサン”然とした奴など、どこにも見当たらない。隣のテーブルに座った客と背中が接するほどの狭い店内に、正装の紳士淑女が肩を寄せ合いながら「モツ煮定食」や「サンマ定食」を食べている姿は、ただただ異様に映る。

ひょっとしたら、昨今巷を揺るがす金融恐慌が馬主の財布を枯らせてしまったのか   

無礼にもそんなことを思ってしまったが、店員と会話を交す馬主たちの振る舞いはどう見ても常連のそれである。

 「なんだよ、最近シャケの切り身が小さくなってないか?」

 「あんたの馬最近サッパリ走ってないねぇ。もっと儲けさせてよ」

店内に響く会話を聞く限り1年や2年ごときの付き合いではなさそうだ。

Sanma馬主が「サンマ定食」を注文したので、私も同じモノを頼んだ。店の表で焼いたばかりのサンマの開きに丼飯と味噌汁と漬物と海苔がついて700円。激安とは言い難いが、場内よりは安い。しかも食べてみると、これが結構旨いのである。焼き魚に白飯と味噌汁というのは定食の王道。わざわざ場外に出てまで食べる価値は  意見は分かれるかもしれないが  あるように思う。ひょっとしたら「競馬場内外の出入りが自由」というのは、もっとも有益な“馬主”の特権なのかも知れない。

 

 

 

 

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2008年10月29日 (水)

猫、のち一時雨

ゲートが開いたまさにそのタイミングで、一匹の猫がコースに飛び出した。「猫だ!」と警備員が大声を上げる。迫りくる馬群。果たして猫の運命は   

Cat1

 

なんて、幸いにもレースは1200m戦で、馬群は向こう正面を3コーナー目がけて進んでいる最中であった。猫は余裕たっぷりにコースを渡り切ると、まるでレースを間近で見ようとするかの如く内ラチ下にしゃがんで馬たちがやってくるのを待っている。毛色からして以前にもこのブログで紹介した猫みたいですね。

Cat2 

ともあれ今日のメインはTCKディスタフ。南関東勢はいつもの顔ぶれであるのに対し、園田から注目の一頭ザッハーマインがやってきた。なにせ通算収得賞金90万円は同じ3歳牝馬ポーカーアリスの3分の1に充たない額。それが1着賞金1500万円を狙ってきていると思えばこれは注目せずにいられない。

しかしBCクラシックにも挑戦したカジノドライヴと同じマインシャフトを父に持つ良血で、早々に南関東の戸崎騎手を確保しての遠征であることを考えれば軽々に“冷やかし”と切り捨てるわけにもいかぬ。何よりオーナーがオーナーである。

なお、今朝発売の一部スポーツ紙にザッハーマインを「移籍緒戦」と書いた記事があったが、馬柱を見れば分かるように園田所属のままの遠征にござる。お詫びして訂正します   って、何で私が?

 

Tckdistaff_2そんなこんなで、パフィオペディラムがTCKディスタフ連覇達成。

 

 

 

 

 

レースを撮り終えて口取りに移動しようとしたところで、ポツリと額に何かが当たった。

まさか?!

空を見上げる。が、何も見えない。

「気のせいか…」

と思った途端、今度は頬にポツリ。

Rain!!

焦って周りを見ると「やっぱキテるよねぇ」と言う。

ヤバい!

カメラの雨よけカバーを取りに走ろうとしたその瞬間、ザーっと音を立てて大粒の雨が落ちてきた。

これではまるで2日前のVTRである。一昨日の教訓から、今朝は天気予報を念入りにチェックしたのだ。その中で「北関東はにわか雨に注意」とは言ってたものの、南関東の「雨」についての言及はいっさいなかった。

 

これは「お詫びと訂正」の範疇ではなかろうか。

 

 

 

 

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2008年10月28日 (火)

競馬界はリアリズムの世界

昨日の続き。ボンキュッボンのレースのところから。

突然の驟雨に見舞われた昨日の大井6レースは、雨に煙る向こう正面左手奥からのスタート。   と思ったら、スタート前に一頭ゲートから飛び出てしまった。

6r1 

たまに見かけるシーンだが、こういうことをする馬というのは脚なり腰なりに痛い箇所があって、ゲートに押し込められたことでその痛みが激しさを増し、結果思わずゲートを飛び出してしまった   、というケースもあるらしい。実際、この馬はしばらくゲートに入ろうとしなかった。ゲートの中で待たされているボンキュッボンには厳しい事態と言わざるを得ない。

仕切り直し。

6r2 

ボンキュッボンは好スタートを決め、外目の4~5番手という理想的なポジション。1200m戦のペースに戸惑うどころか、キレイに流れに乗れている。3コーナーあたりから徐々に進出。4コーナーを3番手で回ると、直線では前を行く2頭に馬なりのまま並びかけた。

    勝った!

普段から、スタート直後に「よし!勝った!」などと根拠のない軽口を叩くことの多いワタクシではあるが、この時は本当に、冗談抜きで、間違いなく勝てると感じたのである。ために、まずネクタイをしてこなかったことを悔やみ、次いで雨の降り止まぬ夜空を見上げて恨めしく思った。すなわち口取りの心配をしたのである。それくらい完璧なレース運びであり、あとは他の馬の誰かが“生涯一度の豪脚”を使わない限り間違いなく勝てる!

そう信じて疑わなかったものだから、「10着での入線」という現実を理解するのに若干の時間を要した。

6r3 

ようやく我に返ったところで「故障」の2文字が頭をよぎり、慌てて馬のもとへと走る。しかし引き揚げてきた馬に異常はない。よもやボンキュッボンに先着した9頭が今日のこのレースで生涯一度の豪脚を繰り出したとも思えないから、結局はこれが今の実力と認めるほかはない。

 

ふぅ(ため息)。

現実は厳しい。競馬は「夢とロマンの世界」などと修辞され、実際にそうであると信じる方も大勢いらっしゃるかもしれないが、実際には夢もロマンもクソ食らえのあくなきリアリズムの世界である。その例に漏れないボンキュッボンは「今後の身の振り方」という極めてシビアな問題に、今まさに直面している。

昨日のレースを見る限り1200mの方が向いていることは間違いなく、それを確認できたことは間違いなくプラス要因である。とはいえ、僅かなプラス要因に光明を見出して希望を持ち続けるのもひとつの見識だが、その光明の先にどれほどの果実が待ち受けているかも分からぬ状況の前には「現実」という名の悪魔が頸をもたげる。

この日、ボンキュッボン以外の私と縁の深い馬たちは、それぞれ2番人気で6着、6番人気で2着という結果に終わった。

現実は厳しい。

 

 

 

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2008年10月27日 (月)

馬券を当てて服を買おう

ボンキュッボンの15戦目は初の6ハロン戦。デビュー戦で900mを走ったことがあるけど、その後は1400と1600ばかりだったので距離短縮での新味に期待する一戦となった。ハナを取り切るくらいの勢いで攻めて欲しい。

秋空には似合わない入道雲がもくもくと沸き立つ。不吉な色あいで、な~んか嫌な予感がする。

Kumo 

ともあれ、今日はボンちゃん以外にも関係馬の出走が目白押しで結構忙しくなりそう。しかも私が過去に口取りをした馬が3頭も出走するとあって、勢い気持ちも舞い上がる。なんとか一頭くらい勝ってくらないものか。

 

それにしても寒い。陽が落ちたら急に風が冷たくなってきた。今週末はもう11月なのだと思えば寒いのも当然なのだが、Tシャツの上にジャケットを羽織っただけという出で立ちの私にには滅法堪える。

今し方、蛯名調教師に会うなり「寒そうにしてんなぁ」と言われてしまったから、見た目にも寒い格好なんだと思う。昼間がことのほか暖かかったから、すっかり油断していた。この状態で最終レースまで、というのは正直持ちそうにない。”競馬場遭難”の危険性が俄かに現実味を帯びてくる。

で、考えたのである。場内のグッズショップで何がしかの服を買えば良いのだが、ここはユニクロではないからTシャツもトレーナーも概して安くはない。ただ寒さを凌ぐだけにムザムザ高額を支払って“うまたせTシャツ”を買うくらいなら、馬券を当ててその上がりで買ってやろうではないか。

Tshirt 

ターゲットは5レースの特選2歳。元手は千円。いちばん安い『TCK・Tシャツ』は1800円なので、軍資金2.8倍を目指す戦いということになる。

いや、一見簡単そうに見えるけど、いざやろうとすると難しいもんですよ。堅い本命の単勝では届かないし、連複280円というような“一騎打ち”の決着も思うより少ない。

Shinbunそこで手元の『日刊競馬』を開き、常日頃から敬愛申し上げている某記者様の印を仰ぎ見れば、皆がこぞってアフリートカラーを本命にする中にあって、ただひとり敢然とブルーシーロキングに◎を打っているではないか!

 

 

 

 

 

 

Bakenおそらく深謀遠慮あっての印であろう。ゆめゆめこれを見過ごしてはならんとばかりに、虎の子の千円札をこのような馬券に替えてレースを迎えた。オッズは2.6~2.9倍だから、ちょうど良い。もうすでに片手が『TCK・Tシャツ』にかかったようなものか。 

で、これが結果のゴール前。

5r 

寒い!(爆)

 

かなりイントロが長くなったが、そんなこんなで迎えた6レース。パドックにボンキュッボンが入ってきた。

毎度のことだけど見た目は抜けて良いんだよね。歩様も悪くないし。ようは気持ちひとつだと思うんだけど。

Bon 

なんて、ボンヤリ考えながらパドック眺めてたら、ポツポツと大粒の雨が。

「あれ? 今日、雨の予報だったっけ?」

なんて思ったのもつかの間、一瞬にしてザーっと激しい音をたてて、大雨が降ってきたのである。

さては、さっきの入道雲の仕業か。馬券は当たらないのに、不吉な予感の方はしっかり当たってしまった。

Ame 

雨合羽の用意はない。あれば防寒着代わりに着たいところだが…。

 

長くなってしまったので、ボンちゃんのレースは明日付けで。先に結果を書けば大負けでした。

 

 

 

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2008年10月26日 (日)

五輪に挑んだサラブレッド③

(昨日からの続き)

ベルリンオリンピックの馬術競技へのエントリーは前ロサンゼルス大会に比べ飛躍的に増えた。

当時のロサンゼルスはヨーロッパ各国にしてみれば辺境であり、今では信じ難いことだが多くの国が出場を見合わせていたのである。ために総合馬術には14名、バロン西が金メダルを獲得した障害飛越に至っては12名しかエントリー(実際に競技に臨んだのは11名)がなかった。それが、ベルリンでは総合馬術50名、障害飛越は59名までに増えたのである。日本国内ではバロン西の活躍に期待が沸騰していたが、前回とは状況はまるで違っていたと言っていい。西は、アスコットで総合馬術に、そして障害飛越には前回大会と同じくウラヌスでエントリーする。

総合馬術最初の競技は馬場馬術。前回大会の金メダリストと競馬のチャンピオンホースとのコンビということもあり世界中の馬術関係者が西とアスコットの競技に注目するが、結果は34位。やはりサラブレッドにとってこの競技は鬼門であった。

2日目の耐久審査は全長36キロに及ぶ評判の難コース。特に最大の難所は池を伴った障害で、その池の深さは1m40cmもあった。しかし、アスコットはすべてのコースをタフに走り続け、規定時間よりも3分も早くゴールを駆け抜ける。ちなみに、この耐久審査では同じく日本から出場した松井選手と稲波選手が共に失格。他にも脱落馬は17頭を数えた。

耐久審査を終えてアスコットは一気に11位まで順位を上げる。残る障害飛越での上位進出への期待が高まった。

障害飛越は13の障害が設置されたコースで行われたが、やはりクロスカントリーのように上手くはいかず、10番目の障害で惜しくもバーを落としてしまい10点が減点されてしまう。結果、減点177の総合12位でアスコットのベルリンオリンピックは終わった。

 

昭和11年9月7日付読売新聞に、下関港に凱旋したバロン西の談話が掲載されている。

「思うような成績を挙げ得ず誠に残念でした。欧州各国ともとても優秀な馬を有していたが、頗る難コースで世界の名騎手も失格するもの多く余程の名馬でない限りこれを完全に走破することは難しい。東京大会までにはうんと勉強して優勝の自信はある」

また馬術選手慰労会の席では

「アスコットはよく難関を突破して時間より3分早く到着した。難コースを持久力を保って、よく飛んでくれたことと感謝している」

と語り、その上でオリンピックで3位以内に入れる素質を持っていると力説している。

彼がここまで馬の素晴らしさを強調したのは、おそらくアスコットの優秀さを世間に理解してもらいたかったのだろう。それほどベルリンの闘いは過酷であり、アスコットの頑張りは際だっていた。それを知るのは馬に跨ったバロン西ひとりだけだったのかもしれない。

実際、元々馬術競技用馬としてフランスに生まれ、生粋の馬術競技用馬として育成されたウラヌスが11頭の中で1位になったことは語り継がれても、競馬の世界から身を転じ、過酷なレースを耐え抜いて50頭中12位と健闘したアスコットについて語られることはほとんどない。

バロン西が抱えていたであろう強烈なジレンマは、4年後に迫った東京オリンピックでアスコットをメダリストにすることによってしか解消されないものであったはずだ。

だが、翌37年には日中戦争が勃発する。

東京オリンピックの代表に内定していたバロン西は、「西竹一大尉」として陸軍将校の道を歩み始めるのだが、その後のストーリーについては当ブログで以前に触れたのでここでは紹介を控える。

 

かつてアスコットを管理調教していた尾形藤吉は、後年の著書の中で「アスコットが数々の難関を切り抜けて野外騎乗でゴールに入ったという報告を聞いた時は、競馬で勝ったときよりもうれしかった」と当時の心境を書き記している。

今も記録として残る調教師通算勝利数1670勝。日本ダービー8勝。八大競走39勝。   等々。数々の金字塔を打ち立てた尾形をして「競馬で勝ったときよりもうれしかった」と言わしめたことそれ自体が、アスコットにとって最大の栄誉だったに違いない。

(この項終わり)

 

 

 

 

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2008年10月25日 (土)

五輪に挑んだサラブレッド②

(昨日からの続き)

競走馬アスコットの戦績は35戦17勝(2着13回)。連合2マイル、帝室御賞典、中山記念(当時は4000m)などを勝ち、生涯獲得賞金6万8423円は当時のレコードだった。

父は宮内省がイギリスから輸入したチャペルプラムプトン。母は小岩井農場が輸入した名牝系の出自という、まさしく貴顕である。もし馬術の世界に足を踏み入れていなければ、種牡馬になっていたと言われても特に否定する理由は見あたらない。

特筆すべきはそのタフさで、帝室御賞典を勝った翌日の目黒記念に出走してなんと勝ってしまうのである。むろん現在では前日に走った馬の出走など認められていないが、このエピソードは全長数十キロにも及ぶクロスカントリーコースを走破するに足る頑健さを示したものといえる。

アスコットを管理していたのは名伯楽・尾形藤吉。アスコットは尾形が手掛けた数多くの名馬の中でも際立って正確がおとなしく、素直で、賢い馬であり、教えたことは何でもよく飲み込んだと言われる。ここに第一の壁「適性」がクリアされた。

また当時尾形は「(オリンピック出場は)馬の名誉であり私の名誉でもある」とも語っている。

種牡馬にさせるよりもオリンピック出場の方が名誉なこととされた当時の時代背景に加え、全兄のワカクサが既に種牡馬入りしていたことも手伝って二つ目の壁「種牡馬入りの葛藤」はクリアされた。こうしてチャンピオンホースのオリンピック出場は日に日に現実味を帯びてくる。

1933年5月14日。引退レースとなる根岸競馬場の横浜特別(3200m)を70キロという酷量を背負いながらも勝つと、アスコットは陸軍騎兵学校に寄贈された。そこに待ち受けていたのは、前年に行われたロサンゼルスオリンピック障害飛越で金メダルを獲得した「オリンピックの英雄・バロン西」こと西竹一だったのである。

来るべきベルリンオリンピックでは純日本産馬に乗って連覇を   

これは西本人のみならず、日本国民の悲願でもあった。「オリンピック連覇のためにアスコットの馬術転向を」という声は日増しに高まり、こうして3つ目の壁をもクリアしたアスコットは3年後に迫ったベルリンオリンピックに向け特訓を始めることになる。

普通の馬では3年間で馬術のすべてを仕込むことは不可能とされるが、西は「この馬なら大丈夫だろうと思う」と語った。

(明日付に続く)

 

 

 

 

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2008年10月24日 (金)

五輪に挑んだサラブレッド①

ちょうど一週間前。三木ホースランドパークでは全日本総合馬術大会が開催されていた。

初日の馬場馬術、二日目の耐久審査(クロスカントリー)、そして最終日の障害飛越の3種目の合計ポイントで総合順位が争われ、このブログでさんざん紹介しているマルベリーはノービスクラスに出場して6位。ちと残念な結果のようだが、クロカンは減点0だったようなので来年に向けて楽しみではある。

総合馬術3種目うち馬場馬術は競走馬(サラブレッド)には極めて不向きな競技とされる。この世に生を受けたその瞬間から、ただひたすら速く真っ直ぐに走ることだけを教え込まれた競走馬にしてみれば、美しくゆっくりと弧を描くように歩くことなど“反逆行為”でしかなく、ために馬場馬術単独の競技にサラブレッドが参加することはほとんどない。

同様の理由で障害飛越もサラブレッド向きとは言い難い。中山大障害を勝ったような名障害馬が馬術の世界で障害飛越のチャンピオンになれないのは、スピードやスタミナよりも各障害間の歩数や歩幅が重要な意味を持つからである。

Jump 

ただ、残るひとつの種目、クロスカントリーだけは“走る”という要素が多くを占めることから、総合3種目の中ではサラブレッドに分があると言われる。シンボリクリスエスやディープインパクトのようなチャンピオンホースがクロスカントリーを走れば、かなりの好成績を収めるのではないか   ? そう思わずにはいられない。

だが、そんな私の思いの前には3つの大きな壁が立ちはだかる。

まず第一に適性の問題。競馬の世界でチャンピオンになるような馬は、おしなべて気性が激しい。その激しさこそがチャンピオンたる所以なのかもしれないが、馬術競技馬には何より穏やかな気性、従順さが求められる。

もし気性の素直なチャンピオンホースが誕生したとしても、そういう素質馬は馬術よりも種牡馬の道を選ぶのが普通である。これが第二の、そしももっとも大きな壁であろう。年間30億、10年を見積もれば300億もの種付料収入が見込めるような金のタマゴを、むざむざ去勢するようなことは考えられない。

仮にこれら二つの壁を越えて、一大決心のもとに馬術に転向するチャンピオンホースが現れたとしても、確実にメダルを狙えるような状況下でなければ、せっかくの決心も水泡と化す。残念なことに、世界トップクラスの馬術選手が日本には存在しない。さきの北京オリンピックで総合馬術に出場した大岩選手の成績は49位だった。これが第三の壁ということになる。

しかし過去に一度だけ、こうした三つの壁をことごとくクリアし、我が国の競馬のチャンピオンホースが馬術に転向してオリンピックの舞台で活躍したことがあった。

馬の名はアスコット。1936年のベルリンオリンピックのことである。

(明日付に続く)

 

 

 

 

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2008年10月23日 (木)

船橋競馬場ビューポイント

View1JR南船橋駅から『ららぽーと』に向かう歩道橋を渡ると右手に船橋競馬場のトラックと彼方にスタンドが見える。南関東ファンならお馴染みの光景だと思う。

一部のカメラマンの間では、この歩道橋は『船橋競馬場3号スタンド』と呼ばれている。たまに開催日が休日と重なるとご覧の人だかり。

Hodokyo  

また、この歩道橋の別のポイントからは、1200mのスタート地点が良く見渡せることで知られている。スターティングゲートを真後ろから見られるスポットというのは珍しい。

1200  

突然話が変わるようで実は変わらないのだが、昨日の私の昼メシは競馬場に隣接するビビットスクエア4F『田の久』のお好み焼き。断っておきますが、別にこれと言って”豪華なランチ”というワケではありません。注文したのも一番安い「豚玉」だし。

Okonomi私は「お好み焼き」というメニューを「食事」と呼ぶにはいささかの抵抗を持つ人間で、自らすすんでお好み焼き店に入ることはあまりないのだけど、今日はある目的からやむなく  なんて書いたらお店に怒られるな  入ってみた。

4レース終了直後の12時20分に入店。バリバリのランチタイムに「混んでたら嫌だなぁ」と心配したのがアホらしいほどの空きっぷりで、私以外に客はひと組。「目的」遂行のためには都合が良いが、一方で味の方も心配になる。

「目的」というのは、「あの店の窓際の席からはさぞかし競馬場が良く見えるのだろう」と思ったのを実際に検証することである。いや、ホントしょうもないことでスミマセン。

これがその窓からの眺めなんですが…。

View2_2  

う~ん。微妙…。半分しかパドック見えん。

さらに悲しいことには、お好み焼きの方も微妙…。(^_^;

このお店はビビットスクエア南館の4Fにあるのだが、聞いたところでは同じ4Fでも北館のフィットネス『WOW’D』からはもっと良く見えるとのこと。つっても、これから自転車漕ぎに行くわけにもイカンしね。現在改装中の北館4Fのレストラン街がオープンしたら、また行ってみよう。

Stand

 

 

 

 

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2008年10月22日 (水)

騒動連発の平和賞

2歳重賞「平和賞」当日の船橋競馬場はとんだ騒動で幕を開けた。

いや、例のカンパイの件じゃないですよ。

たしかにカンパイもあったけど……、

Kamakiri01

 

カマキリです。

 

Kamakiri02  

場所は、カメラマンの溜り場の生け垣。

騎乗停止中の●名騎手が退屈のあまり競馬見に来てんのか!?

Kamakiri03なんて失礼なコトを言った奴がいたかどうかは定かではないが(笑)、ただカマキリがいたというだけなら“騒動”と呼ぶには大袈裟に過ぎるかもしれない。

実はこのカマキリ、なんと昨日っからこの場所にいるのですよ。ビックリでしょ。私はカマキリの個体識別に秀でた人間ではないけど、大きさと色合いを見る限り同じであろう。いま思えばハプニング満載の平和賞を暗示する呪いの使者だったのかもしれない。(んなワケないか) 

 

さて、平和賞はエロージュとシュバレスクの2頭が人気を分け合うオッズ。前走で負けている馬が、前走で重賞勝ってたり、あるいはJRAで3着に好走している馬よりも人気を集めているというのは、2歳戦の予想において「血統」が占める割合がそれだけ高いということか。ゴールドヘイローやジェリよりは、ゴールドアリュールやフサイチコンコルドといった社台ブランド種牡馬の産駒の方を買いたくなってしまう気持ちは分からないでもないが。

ともあれ平和賞がスタート。

そしたらカンパイの旗。

Kanpai01  

好スタートを決めたエロージュは無念のUターン。これは厳しい。

Kanpai02 

アンビシャスガイは止め際に騎手が落ちてしまったが、放馬に至らず何より。

Kanpai03  

 

どうやらスタート前にマルハチゲティが力づくで前扉を開けてしまった模様。全馬がスタート地点に戻り、馬の息が整うまでしばらく待ってから再度発走となる。

それにしても旗振りオジサン(発走監視員)てのは凄いね。自分に向かって全力疾走してくる馬群を前に、仁王立で旗を振りながら「カンパーイ!」って叫ばなきゃならないんですよ。普段は何もしてなそうに見えるけど(失礼)、命賭けの職業です。

大仕事を終えてしばし休憩中の旗振りオジサン。

Kanpai04 

5分ほど待ってから仕切り直しのスタート。今度はカンパイは無し。   と、思ったら「落ちた!」の声。ほどなくしてテイケイドラゴンがカラ馬のまま目の前を通り過ぎて行った。

Rakuba  

イケノナインが好スタートからハナ。チョットゴメンナが続くが、今度はエロージユのスタートがあまり良くない。

Chottoで、レースはそのまま展開して、ゴール寸前で逃げた2頭がちょっとだけ入れ替わっただけ。まさに「チョットゴメンナ」って感じ。

 

「一発目で決まってりゃ違ったのに…」と悔やむ陣営はエロージュやアンビシャスガイに留まるまい。もとより10回やれば10通りの結果が待ち受ける競馬である。それを承知で一発勝負にかける人馬にしてみれば、「やり直し」というのはある意味、死刑宣告にも近い。

 

「あのままレースが進んでいれば…」

死んだレースの行く先に思いを馳せても意味はないのだが、そうせずにいられないのが人間である。2歳のこの時期は、たった着順ひとつでも、それが馬の将来を決めてしまうかもしれないと思えば尚更か。

 

 

 

 

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2008年10月21日 (火)

岩手競馬とユニシスが決裂

岩手競馬の民間委託拡大をめぐる県競馬組合と日本ユニシスの交渉が事実上決裂した。委託先の選定は一から出直しとなり、来年度は現行通りの組合直轄方式での開催となる見込みだ。

岩手県の達増知事は9月、日本ユニシスに対して、

 (1)レース数などの競走体系
 (2)賞金水準など賞典費の内容
 (3)初年度の収支計画

の3点を文書で示すよう同社に強く求めていた。

これに対し日本ユニシス産業機構研究所の矢島所長は、16日に盛岡市内で会見し、

 ・採算が取れない土曜日のレース廃止
 ・年間開催日数を現在の132日から88日に削減
 ・1着賞金は現在より約20万円増額
 ・入着賞金を現行の5着までから4着までと改める
 ・出走手当を現行の7万6千円から5万円に減額

などを明らかにしたが、肝心の収支計画については「組合を交えて協議できていない」として示さず、「(交渉期限となる)10月中に結論が出せない可能性は大きい」と述べた。

こうした事業計画が競馬組合に届いたのは会見の2日前の14日。A4用紙1枚に収まる程度で、その中身についてもどこの地方競馬場でも行われた内容に過ぎず、「体裁を保っただけの提出」と見る向きは少なくない。

4ヶ月間に及んだ交渉の中で、ユニシス側は正式な文書でのやりとりをほとんど行わなかった。競馬組合に出された文書は上記を含めてもわずかに数枚。資料請求などの事務連絡もすべて口頭で伝えられ、それが事務方の混乱に拍車をかけた。県の幹部は「文書のやりとりを通じ、協議内容を確認しながら進めるのが行政。結局はやる気がなかったと受け止めざるを得ない」とコメントしている。

Oropark一方の競馬組合側にも「守秘義務」という入り口論から抜け出せず、結果として4ヶ月もの貴重な時間を空費したという事実を直視する必要がある。

競馬組合はその構成団体の県と奥州・盛岡両市に対し、交渉の経緯を報告する義務がある。しかし、矢島洋一所長は外部への情報漏れを懸念し、構成団体を除いた守秘義務契約を求め、最終的にはこれが原因で協議は決裂にまで追い込まれた。

「民間企業にとって独自情報は財産」と捉える日本ユニシスが秘密保持契約の締結を強く求めてくることは、委託パートナー選定の段階から分かり切っていたことだった。ばんえい競馬がソフトバンクに運営を委託する際にも、同様の機密保持契約が締結された上で交渉がスタート。現在の民間委託に至った経緯がある。

達増拓也知事は「(組合主体の)現行方式で事業継続は可能」と話すが、その一方で「来年度も厳しい状況が予想され、あらゆる角度から収支の見直しを図る」と委託拡大に前向きな姿勢を崩していない。

今年上期の馬券売上は前年比10%の減。手当が遅れれば救えたはずのものも救えなくなってしまう。

 

 

 

 

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2008年10月20日 (月)

”大惨事”を喜ぶ面々

今朝のスポーツ紙の多くは波乱に終わった秋華賞の3連単配当を大きく取り上げている。

「出た1098万!ブラックエンブレム快勝!」(サンケイスポーツ)とか「1098万円馬券に声を失う観衆」(日刊スポーツ)など勝ち馬よりもことさら配当金額を強調する見出しが多く、スポーツ報知に至っては「1098万」と配当金額だけをデカデカと載せてきた。それだけインパクトのある数字ということなのだろうが、こういう風潮に触れるたび、誰もがこうした波乱の結末を待ち焦がれているかのような、そんな錯覚に陥ってしまう。

馬券に限った話をすれば、昨日の結果は“大惨事”なのである。大方のファンは命の次に大事なオカネを失うハメになった。なのに多くの新聞はそれを祝祭的に書き連ね、大半のファンもそれに同調して「1098万かよ。すげぇな」と唸っておしまい。トールポピーもレジネッタも皆どこかへ消えてしまった。

波乱を喜ぶファンが意外に多いのは、「次は自分の番だ」と考えることができるからだろう。

そこに可能性があることが示された。あとはそれを掴むだけ   

能天気と言えば能天気には違いないが、その能天気な国民性が世界一を誇る馬券売上を支えているのだと思えば一概に馬鹿にもできない。

しかし懸念もある。世界に類を見ない馬券売上を数える日本の競馬は、世界に類を見ない“学習型”と言われるファンによって支えられているが、昨日の秋華賞のような結果が続けば、自然と学習効果の意味は薄らぐ。

Gate 

仮定の話だが、もし馬券の種類が1着から5着までを着順通り当てる”5連単”のみとなったとしても、競馬ファンはついてくるのだろうか?

配当は軒並み1億越え。キャリーオーバーを積み立てれば100億も珍しくはない。高配当を喜ぶ面々ならこれ以上の興奮はあるまいが、「学習」とか「予想」といったファクターの入り込む余地はほとんどなくなる。

現在の3連単馬券においても、サッカーくじ「totoBIG」や競輪クジ「チャリLOTO」のようなコンピューターの無作為発番によるクイックピック方式の導入が、現実の問題として持ち上がっている。その場合、現行100円の購入単位金額を引き下げることも視野に入れているという。

8頭BOXの3連単でも50円単位なら16800円で済む。さすがに8頭も買えば当たるような気がしないでもない。だが、たとえそれで的中したとしても、命を削るような思いをして予想した馬連一点勝負の馬券が的中したときの歓びに勝るとは、とても思えないのである。

 

 

 

 

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2008年10月19日 (日)

”西高東低”がもたらすもの

昨日の東京競馬場での話の続き。

東京競馬場が4ヶ月半ぶりであることは昨日も書いたが、条件を「JRAの競馬場」まで緩めても、ラジオNIKKEI賞の福島以来だから実に3ヶ月半ぶりである。9月に中山にちょろっと足を踏み入れたが、あれは「行った」というレベルにはならない。

Chika 

久々となればぜひとも会っておきたい人がいる一方で、できれば顔を合わせたくない人もいる。そういう意味では地下馬道は危険がいっぱいのアドベンチャーワールドと化しており、パドックの外からちらちらと馬主席やカメラマン席を覗き込み、そこに会いたい人が現れて、なおかつ会いたくない奴がいないことを確認できたら、ササッと中に入るという行動を繰り返すこととなった。パドックのガードマンの方はさぞかし不審に思ったことだろうが、別に悪いことをしていたワケでもない。

ともあれ、何人かの調教師や淑子さんらには数ヶ月ぶりの挨拶ができたのだけど、四方山話をしようと思っていたカメラマンの方の姿が見えなかったのが心残り。エイダイタカラブネが出ているからいらしていると思ったのだが……。あるいはデイリー杯の京都に行ってるのかもしれん。

その代わりと言ってはなんだが、パドックで思いがけず社台グループ(@道内勤務)の方とバッタリ遭遇。相手は「なにその格好?」と私のスーツ姿を見ていきなりゲラゲラ笑った。

かくかくしかじかであると説明し、しばしパドックで歓談。6Rに出走する馬たちが周回するのを眺めながら、種牡馬ネオユニヴァースの魅力とか、ブリーダーズカップにもっと日本の馬が行くべきだとかいう話をする。

その間、気になったことがひとつ。我々の横を通り過ぎる調教師たちが、ことごとく足を留めて挨拶していくのである。中には、遠くから我々(私ではなく相手ね。もちろん)を見つけて、わざわざ挨拶に来た調教師もいた。

私の話している相手は社台の関係者ではあるけれど、3兄弟本人ではないしその家族でもない。にも関わらず、その姿を見かけるやわざわざ近づいてきて挨拶をし、馬についてひと言ふた言短い会話をして別れると、すぐ次の調教師が現れて挨拶して……の繰り返し。なんとも落ち着かない。

「みんな必死だよ。俺が馬を預けるわけじゃないのに」

私の話相手は半ば呆れた様子でそう言った。関東の厩舎は軒並み馬房が埋まっていない。社台の関係者と見れば、それが誰であっても調教師自ら足を運んで挨拶しなければならない状況にさらされている。

でも、牡馬はともかく良い牝馬が関西に行っちゃうのは仕方ないよね。阪神JFか桜花賞のどちらかを関東に持って来なきゃダメだよ。2歳から3歳の春にかけて二度も阪神に輸送しなきゃなんないのは、牝馬にはとてつもない不利じゃん。俺が馬主なら関東に入れようとは思わないもんな」

栗東と美浦の馬のパワーバランスは、人材にも影響を及ぼす。栗東TCの周辺には次々と外厩施設が開設されて、厩務員や調教助手を目指す人材が続々と集まっている。「おかげで北海道に若い人が来なくなった」とも。悩んでいるのは美浦の調教師だけではない。

 

 

 

 

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2008年10月18日 (土)

口取りは難しいけど…

上下揃いのスーツに身を固め、ダービー以来4ヶ月半ぶりとなる東京競馬場に向かう。

正装ということはすなわち優勝→口取りを想定してのこと。とある馬主氏が来場できないことによる代理臨場であり、責任重大なればこそ過去2回の口取り実績を誇る”勝負ネクタイ”着用で気合いも入る。

前2走とも2着。鞍上にはリーディング上位騎手。相手にもソコソコ恵まれたメンバー構成とくれば、誰だって色気を持って当然。このブログではことあるごとに「どんな人気馬でも口取りというのは難しい」と書き連ねてきたが、それでも今日は不安より期待の方が大きかったことは間違いない。40歳を過ぎて恥ずかしい話だが、緊張のあまり夕べはなかなか眠りにつけなかった。

Paddock今朝も早く目覚めてしまい1レース前には競馬場に到着。熱いコーヒーで目を覚ましてからパドックを眺めると絶好の口取り日和である。

今これを書きながらつらつらと思い返すに、ちょっと浮かれ過ぎていたような気がしないでもない。あるいは”謙虚さ”が足りなかったと言うべきか。「ジョッキーに何て声をかけようか」とか「㈱プラスミックさんに口取り写真を発注するのに、顔見知りのカメラマンだったらどうしよう」とか、勝つことを前提とした余計な心配ばかりを重ねていた私に競馬の神様がそっぽを向いてしまったのかもしれない。馬と馬主氏に申し訳ない。

とはいえ、久々に期待と緊張の入り交じった、あのなんとも言えない心境を抱えてレースに臨むことができたのは嬉しい限り。6月にポーカーアリスが船橋で走った時よりもドキドキしていた。競馬に関わる上で、これ以上の幸福を私は他に知らない。

Start  

実際のレースは、ゲートが開いた途端「えっ?」と声に出してしまうような思いがけない展開。4コーナーでは早くも「競馬だから負けることもある」と自分に言い聞かせるが、それでも馬に底力があるから直線坂上まで勝ち負けの競馬を繰り広げる。

「やっぱ、勝てるか!?」と思ったのも束の間、2頭に次々と交わされて、コンマ1秒差の3着に終わった。出走メンバーの中でいちばん強いレースを見せたのはまず間違いないが、強いレースをしても勝てないのが競馬の不思議である。

となれば、「やはり口取りは難しい」といういつも通りの結論に至る。30回目ぐらいにあらためてそう思ったが、それでもこんな凄い気持ちを味わえるのなら、このあと50回でも100回でも思わされても文句はない。もう麻薬に近い。麻薬やったことないけど。

 

 

 

 

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2008年10月17日 (金)

100万未満の落札続出

昨日のリベンジとばかりに、日本橋のイタリアレストラン『ラーチェロ』に来ております。

Pastaこの店が凄いのは、日本人向けにアレンジすることなどまるで眼中になく、ただひたすら現地イタリアの味をストレートに表現することで勝負に出ていることで、焼いた魚にサッとオリーブオイルをかけただけの一皿がなぜこんなに旨いのか!といつも唸らせられる。もちろんその秘密はオリーブオイルにあり、日本国内ではちょっと入手困難な代物だとか。パンツェッタとトマトのシンプルなパスタや、ウニをたっぷり使ったトマトソースパスタも絶品。

 

オータムセールは今日が最終日。

折からの株価暴落で「かなり厳しくなりそうだ」と言われ続けていたせいか、終わってみればギリギリのところで踏みとどまった感がある。とはいえ売却率、平均価格とも去年を大幅に下回った。セレクションセールとサマーセールが模様眺めの相場に終わったこともあり、その分オータムセールの需要が増えるとする予想もあったのだが、特筆するほどの反動は無かったようだ。

私がもっとも気にするのは100万円に満たない価格での落札馬の存在である。馬のデキが100万に届かないという市場の評価なら仕方ないが、50万とか80万とかいう落札があっても驚かない相場になると、「100万に届けばOK」という空気が漂ってしまうようになる。これが恐い。

上場馬が100万で落札されたとしても、販売申込者は100万円をそのまま手にするワケではない。

 ・販売申込登録料 3万1500円(一律)
 ・販売手数料 5万円(落札額の5%)
 ・市場保険料 2万円(落札額の2%)

の計10万1500円を差し引いた89万8500円が販売申込者の取り分となる。たとえ種付料が無料であったとしても利益が出る金額に遠く及ばないことは明らか。いやそれがたとえ200万の落札であっても300万であっても、実際の生産コストに見合うとは言い切れない。従って300万ソコソコという平均売却額は、軽種馬生産という事業形態がビジネスとして成り立つかどうかの瀬戸際にある現状を示すものだ。

今回の1歳セールでは80万円で落札されたフサイチコンコルドの牝馬がいた。「馬そのものの出来、不出来」が評価の決め手になることは重々承知しているが、それでも2年前のフサイチコンコルドの種付料は150万円。そのほぼ半額と聞けば自然とタメ息も出る。無理をして配合種牡馬の質を上げても、時としてこのような結果が待ち受けている。かといって安い種牡馬では落札すら難しい。生産者の悩みは尽きない。

 

 

 

 

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2008年10月16日 (木)

誕生日は旭川最後の日

私の40回目の誕生日は、私が「国内ベストワン」と慕う旭川競馬場最後の開催日となってしまった。

旭川競馬場の発券業務や場内警備にあたっている120人あまりの職員は全員解雇になるとのこと。気の毒ですね。株価暴落、景気後退と暗い話題が蔓延るこのご時世、旭川を中心とした上川地域の経済への影響は決して少なくないはずだ。

競馬場の跡地利用も白紙だという。旭川競馬場を訪れたことのある方ならおわかりいただけると思うが、旭川の中心部から10キロも離れた山林では有効利用の妙案も簡単には浮かばない。

暗い。誕生日なのに。

それにしても誕生日の過ごし方というのは年を追うごとに難しくなるもので、今日にしても当初は旭川に行ってやろうと思っていたのだが明日のスケジュール繰りがつかず断念し、それならば浦和にでも行こうかと思ったが、何が悲しくて誕生日を浦和競馬場で過ごさねばならんのかと思い直してそれもやめ。仕方なく都内でモソモソと雑用を済ませ、せっかくだからと日本橋『トラットリア・ラーチェロ』でワイン付きの豪華なランチでも楽しもう!と地下鉄に乗って出かけたら、早めの店じまいとかでドアは閉ざされていた。

ショックのあまり鎧橋のたもとにしゃがみこんでシクシク泣いてたら、NHKだかTBSだかのカメラが寄って来て「スミマセン。ひと言よろしいですか?」とマイクを向けられたのである。

Imageよくよく見ればそこは東京証券取引所の正面で、あたりは証券会社も軒を列ねる日本橋兜町。折からの株価暴落で立ってられないほどのダメージを受けた40歳の男が途方に暮れている姿に見られたのかもしれないが、「株」と名の付くものは種付けシンジケートを含めて持ったこともない私である。にもかかわらず、「昨今の株価についてひと言」というレポーターのリクエストに対して「リーマンを解雇されたばかり」とか「たった半月で1000万以上飛んだ」とか「こうなったら今週の秋華賞で勝負するしかない」とか適当な話を捲し立ててやった。

よもやこんな作り話を信じてオンエアに載せるような真似はしないと思うが、かように街頭でのインタビューというものはいい加減なことを言う人間もいるのだから、取材者はもちろんのことそれをニュースとして受け取る視聴者も注意が必要である。皆さんも気を付けましょう。

ともあれ昼飯を食わねば死んでしまうので、目についた『吉野家』で特盛り牛丼を注文。結局は「特盛り」というオプション程度が、自分への誕生日プレゼントとしては分相応なのかもしれない。

 

 

 

 

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2008年10月15日 (水)

金融危機の影響はブリーダーズカップにも

米金融危機の影響がブリーダーズカップにも波及か   

 

現地時間14日、米政府は金融機関への公的資金注入や、米連邦預金保険公社による新規債務の保証などを発表したが、金融危機は回避できても当面の景気悪化は避けられないとの判断から相場は不安定な取引が続き、NYダウ、ナスダックとも反落で取引を終えた。

中でも深刻なのは、サンタアニタを筆頭にアメリカ国内で11の競馬場を保有するマグナ・エンターテインメント社の株価の暴落だ。同社はナスダックに上場されているが、14日の終値は1ドル36セント。去年の10月には60ドルに手が届こうかという位置にあった株価は、たった1年間で50分の1にまで目減りしたことになる。

株価急落の原因は資金繰りの逼迫。今日15日にはモントリオール銀行に対する4000万ドルの債務が満期を迎える。担保の中には「サンタアニタ競馬場」の名前も入っており、関係者は破産回避への取り組みを求めているが、決して予断を許さぬ状況だ。

マグナ社傘下の競馬場はサンタアニタのほか、ガルフストリームパーク、ピムリコ、ローンスターパークなど11場。さらにテレビチャンネル2局と馬券発売施設。加えて、国際的トータリゼーターシステム・プロバイダーであるアムトート社やオールウェザートラック素材『タペタ』の製造工場まで所有しており、まさに”競馬帝国”と呼ぶに相応しい事業展開をしている。

そんなマグナも80年代後半から90年代初めにかけては、相次ぐ事業拡大の反動から借入金が膨らみ、経営不振が表面化した時期があった。しかし、それでも株価が2ドルを割り込むことはなかったのだから、現在の株価は極めて深刻だと言わざるを得ない。

Luckyここ数年は所有する競馬場や調教施設の売却が進んでいるのも事実。サンタアニタ競馬場のマスコット「ラッキー&ウイニー」の2人にとっても、他人事ではない事態がしばらく続きそうだ。

 

 

 

 

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2008年10月14日 (火)

雨もまた良し

雨の競馬は不都合も多いけど、それで行き帰りのバスや場内の混雑が緩和するのならばそれも悪くはないという思いはある。

連休明けの浦和競馬場はヒトも疎ら。だが1号スタンドの立ち入り禁止は相変わらず続いているから、限られた屋根の下に客が密集していてちょっと気の毒な感も。

Coffee_2私も雨を避けなきゃならんので馬主席へ上がり、コーヒーを飲みながら周囲の会話を横聞きするのだが、みんな株の話ばっかしてんね。わたしの目の前のオジサンはさっきから必死んなって携帯から株価のチェックしてんだけど、馬と騎手は雨ん中でもずぶ濡れで頑張ってんだから、もう少し彼らに視線を向けなさいよ。   なんて、年寄りクサいことを考えつつ席を立ち、私も雨に打たれながら馬を撮る。

つい先日、防水対策を怠ったままディープインパクトを撮ってカメラをぶっ壊したばかりなので、今日は防水対策も万端抜かりなし。つっても、コンビニのレジ袋でくるんだだけだけど。まあ、この程度の雨なら十分でしょ。

 

Urawa_3わけあって明日の埼玉栄冠賞には来れないので、万一に備えてヴァイタルシーズの単勝を購入して帰宅。

「万一」なんて書くのは失礼だが、専門紙のシルシらからすればそれぐらいの表現で妥当。この夏は北海道に放牧に出ていたわけだけど、人づてに「馬が萎んでしまってなかなか戻らない」というような話も聞かされた。

これはあくまでも放牧先での話であって、今は戻っているのかもしれないし、実は萎んだくらいが丁度良いなんてコトもあるわけだけど、この馬について言えば、こうなることが織り込み済みだったからこそ、あのようなローテーションにならざるを得なかった。

ここまで自信満々に書くと、逆に勝っちゃうような気がしてきたな(笑)

前売の単勝オッズ(16時40分現在)は23倍の8番人気。果たして   

 

 

 

 

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2008年10月13日 (月)

引き籠もりの祝日

「今どのあたりにいらっしゃいますか?」

昨夜19時半頃、電話の相手が発した言葉の意味が分からぬまま「自宅ですけど…」と返事をし、続いて「あれ? いらしてないんですか?」というセリフでハタと気付いた。

社台グループの謝恩パーティーが行われる日だったのである。

あっちゃ~。最悪。すっかり忘れていた。

時間的にどう考えても間に合うはずもなく、慌てて関係者数名に詫びの電話を入れてから、娘の氷枕を取り替え、額の冷却シートも新しいものに交換した。

上の娘が高熱を出してしまったのである。

むろんパーティーどころではなかった。たとえ、それを思い出したにせよ、行くわけにはいかなかったのだから諦めるほかはない。昨日のブログの更新が今朝になったのはそのためです。

明けて今日は体育の日。娘は夕べに比べれば回復したが「南部杯に行きたい」と言い出せる状況ではとてもなく、むろん岩手が浦和であっても無理であることには変わりないので、日中は自宅のPCでオータムセールの中継を見ながら大人しく過ごす。

それでも  ある程度覚悟はしていたけど  セリ開始から40頭が過ぎた段階で落札が2頭のみという状況に、「これをわざわざ見てる意味あんのか?」という気にさせられる。

途中からポツポツと落札が巻き返しを計って結局は去年と同数の24頭が売れた。上場頭数は今年の方が少ないから、若干ながら売却率は上がった計算になるが、1頭あたりの平均落札額が80万ほど下がっているから素直には喜べまい。しかも落札24頭のうち13頭がマイネルの岡田繁幸氏の声によるもの。それもほとんどが一声だから、見ていても面白味もなんもないのだけど、まあこれも勉強だからしっかりと見る。ただ、インターネットの中継では馬体の細部まで良く見えん。やっぱ現地に行かないとダメですね。

セリの終盤で電話が鳴る。「今日来てた?」と言うのは盛岡に赴任している知り合いの新聞記者。たったいま南部杯を見てきたという。

「何人入った?」と聞いたところ、主催者発表では1万1550人とのこと。ただ、たしか岩手ではテレトラック(場外)も含めた人数を発表するので実数は半分くらいか。そのテレトラックの利用人数にしても、食事や買い物などで一度施設の外に出て再び入場した人もカウントしてしまうから、定員800人の施設なのに「2000人」とか発表されてしまうことになるんだけど、これはこれで意味のある数字なんだそうです。ふ~ん。

社台の謝恩パーティーは「会員の集い」と合同で実施され、たしか毎年2000人くらい集まっていたと思う。巨大ホテルの大広間を借り切って行われるわけだが、それでも会場内は芋洗い状態必至。おちおち料理も取って歩けないほどの混雑となる。私が思う「2000人」というのはそういう状態なのだが、「2000人」の入場者を誇るテレトラックの状況はそうではない。世の中はつくづく複雑なものですね。

 

 

 

 

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2008年10月12日 (日)

三木ホースランドパーク

Maru昨夜のうちに小淵沢を発って、今朝は馬事公苑でのホーストライアル観戦。マルベリーが出場することになっている。

最近のマルベリーは飛越が安定。このクラスならバーを落とすことはまずないだろうと思わせるほど安心して見ていられる。今日も減点はゼロ。ほぼ完璧な内容だった。

今日の出場は10/17から兵庫の三木ホースランドパークで行われる全日本総合馬術大会を見据えた”叩き台”なので、意識してゆっくり目の周回。さらに、馬への負担が大きいクロカンへの出場は見送った。この秋の大目標に向け、悪くないステップだったように思う。

三木ホースランドパークは、日本唯一の国際基準に準拠した総合馬術競技施設として1999年にオープン。家畜伝染病予防法に基づく検疫施設としての機能も併せ持ち、2005年の香港ヴァーズに出走したシックスセンスが5日間の入国検疫を行ったことでも話題となった。

Miki 

本来なら日本の国際レースに出走する外国馬の入国検疫があっても良さそうなものだが、エリザベス女王杯やマイルチャンピオンシップといった関西地区のレースに参戦する外国馬も、成田空港から白井のJRA競馬学校という検疫ルートを選ぶのがほとんど。その最大の理由は調教用コースの短さで、最長でも880メートルしかとれない走路では、JRA競馬学校のような本格的な追い切りができないことが以前から指摘されてきた。

とはいえ、シックスセンスで三木を利用した長浜厩舎の関係者は「快適な場所で何の問題もなかった」と話す。国内のオープンレースの多くが外国調教馬に開放された現在、西日本唯一の検疫施設の重要性は増しているはずだ。山陽道・三木小野インターからわずか3kmという交通の便の良さも見逃せない。競馬利用がもっと増えるよう、しかるべき対処が必要だと感じる。

 

 

 

 

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2008年10月11日 (土)

ただいま親子丼中

ただいま親子丼中
 

これまた例によって甲斐大泉『中村農場』で親子丼食ってます。

さすがに夜ともなるとグッと冷え込むので水炊きも注目。鍋が美味い季節になりました。

明日は馬事公苑でホーストライアルです。走路内側への立ち入りが制限されるので、遊びに行かれる方(得にお子さま連れ)はご注意ください。

 

 

 

 

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八ヶ岳の馬

恒例となっている「秋の社会科見学シリーズ」。今年はここ八ヶ岳から。

Caution 

 

 

 

 

 

 

  

八ヶ岳のふもとには多くの乗馬クラブ・牧場が点在しているが、中には立派な放牧地を整備して「養老馬」を預かっている牧場もあると聞いた。

そんなクラブや牧場を3箇所ほど訪れて経営者なり場長なりに話を聞いて回ったんだけど、どこもまるでハンを押したように「たしかに競走馬あがりもいるにはいるけど、あくまでも乗馬の素質がある馬しか預からない」との返事。人を乗せられなくなったあとも最後まで面倒を見ているから、結果的にそう思われてしまうのかも知れない。気性が悪い4歳のサラブレッドをいきなり預かってと言われても困る、ということだそうだ。

そのうちひとつの場長氏は「ウチがそういう牧場だというイメージが広がっているからかもしれないが、一般の競馬ファンから『この馬を預かって欲しい』とか『この馬が引退したら面倒を見て欲しい』とかいう電話がかかってきて困る」とウンザリした様子で語った。大半の“訴え”は馬とはまるで無関係のファンからで、そもそも引退後の処遇に口を出せる立場ではない。「無下に電話を切ることもできないのできちんと話をするが、乗馬としての適否、預託料など、クリアすべきハードルの高さを説明しても分かってもらえぬ人もいる」と深いため息をつく。

私の知人の馬主(一口馬主を含む)の中には、引退後の所有馬(出資馬)を乗馬クラブに預けて面倒を見続けている方もいらっしゃるのだけど、傍で見ていてもそんなに簡単なことではないのだとひしひしと感じる。私自身、かつて某一口馬主クラブで出資した馬の引退に際し、あちこちツテを頼って引き受け先を探し回った覚えがあるが、今振り返ってもこれはホネが折れる作業だった。正直、もう二度とやりたくない。最終的には(馬術に向くとされる)ビゼンニシキの産駒であることが決め手となったので、今もビゼンニシキには感謝しているし、その子ダイタクヘリオス、さらに孫のダイタクヤマトに対する思い入れもひとしおである。

八ヶ岳の馬 

八ヶ岳の緩やかな稜線の彼方に夕陽が沈むと、とたんに空気がキリッと冷え渡った。次々と厩舎に引かれて行く馬たちを見届けて、これから晩メシに向かうことにします。

 

 

 

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2008年10月10日 (金)

「坂路で鍛えし日高牛」みたいな?

 

たまに遠出すると「またいいモン食ってやがんだろ? この野郎」なんてコトを言われる機会が最近増えたんだけど、今夜の食事は甲斐大泉駅近くのセブンイレブンで購入したコンビニ弁当で済ませました。いや、そんなモンなんですよ、実際。北海道に行っても、朝昼晩とセイコーマートのおにぎりなんつーこともぜんぜん珍しくないし。

買ってみたのは当地限定メニューの『甲州ワインビーフ使用牛めし』というひと品。なんでも山梨名産のワインを飲んで育った黒毛和牛とのことで、680円と若干値は張るが食うに値すると判断。今さっきまで、さんざんウシちゃんを見てきたことも忘れて一気に食べたけど、まずまずの味。ちょっとゴボウの割合が多いかなという気がしないでもないけど、言われてみればゴボウを漢字で書くと「牛」の一字が入る。

さっきの記事の続きになるけど、もし日高で真剣に肉牛やるんなら「ワイン飲ませたて…云々」みたいなその土地ならではの付加価値が欲しいですね。

『坂路で鍛えた日高牛』

なんてのじゃ美味しくなさそうだしな。

 

 

 

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清泉寮のネコ

清泉寮のネコ
 

実は昨日から例によって小淵沢に来ております。

山梨県体育祭馬術大会は明日からなので、今日のところは清里周辺の牧場を回ることに。“清里”と聞くと若干ミーハーなイメージを持たれるかもしれないが、この界隈は古代より「柏前の牧」と呼ばれ、古くから知られた馬産地である。遠く孝謙天皇の当時(西暦750年頃)は都からはるばる勅使が遣わされていたというから、国政上かなりの重要拠点であだった。今はウシが寝そべってるだけの閑かな場所だけど。

でも、最近はウシにも興味が広がっているので、『清泉寮』の牧場なんぞにも行ってみるわけだが、あらためて行ってみるとなかなか素晴らしい牧場ですよ。ただ単にソフトクリームが有名な観光スポットというわけではない。詳細はいちいち書かないけど、牧草ひとつとっても実に奥が深い。冒頭の写真は、その牧草の上でくつろぐ清泉寮のネコ。

ウシに興味が広がっているというのは決して嘘ではなくって、こないだ鎌倉記念の時にカメラマン同士で日高の牧場経営について話してた話題の中に「サラブレッドと同じだけ手間をかけてウシを育てれば、相当高い評価を得るんじゃないか」というのがあったんですな。膨大な手間と経費をかけても10万とか20万で買い叩かれるサラブレッドがいるのだから、「ウシの方が儲かるかな」と考えるのは自然な流れである。

イギリスやアイルランドの生産牧場ではサラブレッドと肉牛とを同じ放牧地に放しているところが珍しくない。

初めて見た時は「なんだありゃ?! 放牧事故か?」なんて思ったりもしたけど、一般的なことだと聞いて二重に驚いたことを思い出す。ウシは牧草の先端の柔らかい部分を、ウマは根元の歯応えのある部分を好んで食べるので、むしろ好都合なのだそうだ。アイルランドにおけるゴドルフィンの生産拠点キルダンガンスタッドで、父ダルシャーン、母ホーメージの当歳馬(マークオブエスティームの全弟)が巨大な肉牛と並んで草を噛んでいる姿を見た時はさすがに違和感があったけど。

日高の肉牛年間売上高は30億円余り。一方でサラブレッドは300億円を割り込んだと聞くが、それでも10倍もの開きがある。ブランドが確立していない上、様々な制約から生産者は「馬か牛」の二者択一を迫られるのでアイルランドのような“混牧”も難しい。

ただ、誤解のないように付け加えておくが、筆者は決して肉牛転業推進論者ではない。むしろそんな議論が必要とされないよう、知恵を絞る立場でもある。

 

 

 

 

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2008年10月 9日 (木)

騎乗停止中の重賞勝利?

7日、旭川競馬場で行われた第3回道営スプリント(1000m)は単勝1.4倍の圧倒的1番人気に推された五十嵐冬樹騎手騎乗のラブストレングスが59秒0のレコードタイムで優勝した    

このニュースに接して違和感を覚えた方もいらっしゃったかもしれない。五十嵐冬樹騎手は5日のJRA札幌最終日の6Rでキタサンユキに騎乗して3位入線したものの、4コーナーで急に外側に斜行してオコリンボの走行を妨害(藤田騎手が落馬)したとされ、騎乗停止処分を科されたばかりなのだ。「騎乗停止中であるはずの騎手が重賞を勝つ」というのは、にわかに考えづらい状況である。

実際には『中央競馬と地方競馬間における処分の相互適用』のルールに基づいて、地方競馬主催者が独自の裁定を下すことになるのだが、JRAの制裁発表を受けてから地方側の裁定が決定されるまでには多少のタイムラグが生じる。タイムラグの間は原則騎乗は自由。今回のケースでは昨日(8日)になって道営競馬における騎乗停止期間が発表になった。

  ■ホッカイドウ競馬オフィシャルサイト

  「10/8 騎乗停止について」
  http://www.hokkaidokeiba.net/topics/topics-frame.php3?p_no=0

 

このように、JRAと地方競馬の騎手制裁が、相互に適用されることになったのは1992年の4月のこと。

それまでは中央・地方の交流競走で、進路妨害などによって招待騎手に騎乗停止の制裁があった場合、その実効が生じなかった。

つまりJRA所属の騎手が帝王賞などの招待競走(当時はまだダートグレード競走は存在しなかった)で騎乗停止処分を受けたとしても、JRAのレースには何の障壁もなく騎乗可能だったわけだ。

しかし、JRAと地方の交流競走が増加する中で、両主催者ともに公正競馬の確保に問題があると判断。その結果、JRAは競馬施行規程に制裁の相互適用に関する条文を追加すると同時に、地方競馬でも同様の改正を行ったのである。

■日本中央競馬会競馬施行規程第147条

第138条第1項各号及び第145条各号のいずれか又は前条に該当する場合を除き、次の各号のいずれかに該当する馬主、調教師、騎手、調教助手、騎手候補者又は厩務員に対して、期間を定めて、調教若しくは騎乗を停止し、戒告し、又は500,000円以下の過怠金を課する。

(17号)地方競馬指定交流競走の公正かつ安全な実施を害する行為をした者(その行為について既に当該競走に係る制裁を行う機関により戒告を受けた者を除く。)

172 

もちろん今回の五十嵐冬樹騎手のようなケースとは逆のパターンもある。

JRA所属の石橋守騎手は2003年2月の高知競馬でキングスプルーフに騎乗したが、斜行による進路妨害で高知県競馬組合から高知開催3日間の騎乗停止処分を受けた。それを受け、JRAは同騎手を実効2日間の騎乗停止とすると発表。「地方で3日間の騎乗停止を受けたJRA所属騎手は中央で2日間騎乗停止とする」という中央・地方の制裁互換のルールを適用したものだった。

 

 

 

 

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2008年10月 8日 (水)

人間が馬に合わせよう

東京は日曜の夜から雨が続いており月曜火曜と大井は不良馬場。今朝にかけてもけっこうな量の雨が降ったので東京盃が1分10秒台の争いになるのは必至だろう。馬券の予想は、すなわちその時計で走れる馬を探すことにほかならない。

昨日帰宅してからふと脱いだばかりの靴を見たら、ぜんぜん汚れていなかった。

普段なら、靴の周囲に砂が着いて高さ2cmほどの白い汚れができるんだけどね。

で、まる1日経ってどうかというとやはり靴は沈み込まない。今日の砂はなんと歩きやすいことか。

果たしてレースはどうなるか?

続きは帰宅の車中で。

   ↓

   ↓

   ↓

帰宅の車中で追記です。

いやぁ、時計遅かったですねぇ(笑) 面目ない。

Fwave「私が歩き易い」のと、「馬が走り易い」のとでは、きっと大きな違いがあるのだろう。ヴァンクルタテヤマがあっさりハナに立ってペースが落ち着いたのも響いた。勝ったフジノウェーブには絶好の流れになったわけだが、時計を読み切れぬ人間があれこれ言うのはやめておく。

それにしても、川島騎手の2着は立派。あの流れで追い込むのは決して楽ではない。ヴァンクルタテヤマもラストは差し返していた。ダートグレードレースで地元馬がワンツーなんて滅多にないと思う。電車の中なんで調べられないけど、珍しいことは確かだ。

 

Fwave2口取りに際し思うことあり。

不良馬場ゆえコースの一部はひどくぬかるんでいた。口取りを仕切る業者さんは、比較的足元の良い馬場の中央付近へ馬を誘導するよう、何度も厩務員を促した。

しかし馬が暴れて言うことを聞かない。もう一度「もっとこっちへお願いします」という声が飛ぶが、やはり馬はイヤイヤをする。しはらくそんなやり取りが続き、結局は馬がいる外ラチ近くに人の方が移動しての撮影となった。

馬を馬場中央に誘導しようとしたのは、写真に収まる関係者への配慮だろう。決して悪いことではない。ただ、「どうしてもこのポジションで、馬をこういう角度に向けて、こういう写真が撮りたい!」という人間の勝手な都合を、すべて馬に押しつけるのはよくない。

こう書くと、「馬のわがままを助長しかねない」という思いを抱かれる向きもあろう。でも、しょせん記念写真じゃないですか。パドックの作法やセリ場での立振舞なら話は別だが、記念写真はあくまで人間側の都合にほかならない。撮る立場の私がこんなことを書くのは筋違いだが、ごくまれに撮られる側に立つこともあるのでお許し頂きたい。

人でも写真を嫌がるのだから、中にはカメラを向けられるのが嫌だっていう馬もいるだろう。たったいまレースが終わり、精神的にもギリギリの状態にありながらなお、無数のレンズに囲まれて一斉にシャッターを切られる馬の気持ちを、まず最優先に汲んでやる必要がある。

まるで結婚式の記念撮影のように脚の位置とか顔の向きまでアレコレ指示されたら、馬でなくても嫌になるよ、そりゃ。

 

 

 

 

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2008年10月 7日 (火)

ボンキュッボン14戦目

ボンキュッボンの14戦目は不良馬場の大井1400m。柳原サンに写真を撮ってもらうかもしれないので、きちんとネクタイ着用でやってきた。

Denma_2

 

馬体重481キロは前走比1キロ増。ガンガン追われていると聞くのに、それでも体重を増やし続ける内臓には正直恐れ入る。若干イレ込み気味にパドックを周回するが、これは気にするレベルではなさそう。

Bonq01 

道悪はこなすはずなので馬場の心配はしていない。とにかく、いかにして最後まで集中して走らせるかがポイントとなろう。

締切15分前の単勝オッズが4.4倍の2番人気であると知り仰け反る。まあ、ファンの多い馬だから仕方ないか。最終的には10倍越すよね。なんつったってこの成績である。

繰り返しになるが今日のテーマは、「速い流れと長い直線で馬の集中力が増してくれるか」。この一点に尽きる。そのための大井転厩でもある。

そんなこんなで発走時刻。五分の発馬から4番手という悪くないスタート。

3コーナー付近で馬群がバラけると、前の3頭の外に持ち出して直線に向いた。

…が、伸びない。伸びそうな気配もない。

かといって止まるでもない。厳しい言い方をすれば、まるで抑揚のないままの競馬で9着に終わった。

Bonq02  

1400mのペースにも戸惑うことなくスッと先団に付けることができ、4コーナーではポッカリ開いた外にスンナリ進路を変え、砂を被らない最善のレース運びだったように見えたのだが、それでも勝ち馬からは大きく離されてしまった。

やはり走りに集中できておらず、レースで全力を出し切るれていない。近走の悪いパターンが今夜も繰り返されてしまったことになる。

Bonq03こうなりゃ、次からは1200m戦ばかり使って、結果ビリになっても構わんから何がなんでもハナ切るような競馬をさせて、馬に喝を入れなきゃダメだ!と、浦河の馬主に電話で相談したら「もう手を打った」とのこと。さすがに素早い。しかも、その「手」というのは、1200m戦を使い続けるなんていう悠長なやり方ではなかった。でも、「おお!なるほど!」と、思わず膝を叩くような話。

次の出走時に実現するといいな。次戦に注目!

 

 

 

 

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2008年10月 6日 (月)

戸崎騎手 騎乗再開

本日2回目の投稿にござる。

 

雨上がりの大井競馬場はすっかり秋の風情。10月ともなればトゥインクル開催も寒さが身に染みる。

それでもわざわざやって来たのは、昨日から戸崎騎手が騎乗再開したから!…というほどのことでもないんだけど挨拶がてら様子を見にやってきた。

左鎖骨骨折で全治1ヶ月と診断される大怪我を負ったのは、トゥインクルレディー賞当日の6Rだった。すなわち前大井開催中の出来事である。船橋と川崎の2開催を休んだだけで、正味中2週での復帰とは恐れ入る。

今日の戸崎騎手の騎乗馬は5頭。うち3頭が前走も戸崎騎手が手綱を取っていた。新聞の馬柱だけ見ていたのでは、戸崎騎手が落馬による骨折で戦列を離れていたことに気付かないかもしれない。

先月のトゥインクルレディー賞の夜、専門紙の方から「全治1ヶ月」の言葉を聞いた瞬間、真っ先に沸き上がった思いは「ポーカーアリスの復帰戦に乗れないかもしんないじゃん!」という、いささか身勝手かつ自己中心的な感情だった。ポーカーアリスは、順調ならば今月20日からの船橋開催での復帰を予定していたのである。全治期間を額面通りに受け取れば間に合う計算だが、不確定要因であることは間違いない。

Tosaki戸崎騎手が思いのほか早い復帰を遂げたのは、本人の努力はもちろんのこと、競馬の女神が彼の普段からの行状を見逃さなかったのだろう。

一方、落馬骨折の報に接し、騎手の身体よりもてめえの馬のヤネの心配に走った不心得者の心の内も、競馬の神様は見逃さなかった。

唐突にツメの不安を発症したポーカーアリスの復帰戦は延期された。騎手が間に合ったのに馬が間に合わんという最悪の状況に至ったのは、あの時、真っ先に騎手の騎手の心配に思いが至らなかった私の不徳の致すところであるように思えてならないのである。

 

 

 

 

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明日ボンキュッボン出走

メイショウサムソンは残念でした。

「日本に比べて外国では本場馬入場からスタートまでの時間が短く、それだけ馬に精神的負担がかからない」というフレーズを聞くけど、今日の凱旋門賞を見る限りゲート入りに時間かけ過ぎですよね。パドックで騎乗~スタートの所要時間は日本とさほど変わらないように思う   。っつーのが今日一番の感想。次いで「ザルカヴァ強ぇ!」でした。

 

Bonbonbonさて、明日(火曜)の大井7Rにてボンキュッボンが大井転厩2戦目を迎えます。

今回の鞍上は本村直樹騎手に変わるわけですが、ヤネよりもむしろコース変わり(内回り1500m→外回り1400m)に注目!

実は彼女、コーナーでちょっと気を抜いてしまうような癖があるような気がしなくもないんですよ。気のせいかもしれないようなレベルだけど、4回コーナーを回る1500mよりは2.5回で済む1400mでどうなるかぜひ見てみたい。もちろん外回りになって直線部分が伸びることも注目のひとつ。

転厩緒戦は見に行けなかったのだけど、明日(火曜)はちゃんと見に行きます。

 

 

 

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2008年10月 5日 (日)

「単穴ユニシス」との攻防

昨日の続き。

馬券発売のみならず、もっと広範囲におよぶ競馬運営全般までを民間委託する以外、岩手競馬再建は難しい   

オフィシャルな場においてこのような論調が表立ってきたのは、昨年8月頃であったと思う。

Kanban 

2007年8月21日の県競馬組合議会において、一部の議員から競馬運営の民間委託拡大を求める発言があったのに対し、組合側は「選択肢の一つ」と答えている。

その2ヶ月半後には、水沢競馬を擁する奥州市長が「民間企業が営業部門などを担うことで改善を図ることが望ましい」との見解を述べると、民間委託拡大への流れは必然的なものになった。そして12月にはソフトバンク、楽天、日本ユニシスの3企業が委託先として浮上する。

この段階では「本命はソフトバンクで、対抗が楽天。ユニシスは単穴程度」と、岩手在住の新聞記者から聞かされていた。

実際、ソフトバンクはばんえい競馬の業務を大幅に受託し、インターネットでのレース中継やナイター競馬開催など、経営立て直しに取り組み実績を残していたし、楽天も既にインターネットによる馬券発売業務を展開していた。昨年12月の時点で日本ユニシスは岩手競馬の情報を収集している状況にあり、「出遅れ」感は否めなかった。だから、その日本ユニシスが「提携先候補」に正式決定したと聞いた時、たいへん驚いたものである。

その後の経過は下記をお読みいただいた方が早い。

 2008年6月7日付 収益保証率0.25%の攻防
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_15d2.html

 2008年6月8日付 1着賞金10万円のインパクト
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_063a.html

 2008年9月16日付 出走手当廃止のインパクト
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-2e34.html

 

10月2日、県競馬組合の千葉英寛副管理者が都内の日本ユニシス本社を訪れたが、守秘義務契約などの諸懸案について大きな進展はなかったと見られる。今後も交渉は継続して行うとはしているものの、今月末の最終判断期限に向けて時間切れ感も漂い始めた。

競馬組合側は、ユニシス側が求めている守秘義務契約について譲歩する姿勢を見せる一方で、10月中に交渉が合意に至らない場合も想定し、現行の組合直営での2009年度開催も並行して準備するとしている。

 

~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~

岩手県競馬存廃に関する、当ブログの過去記事。

 2006年1月9日付「トウケイニセイ記念」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2006/01/post_59cf.html

 2006年3月8日付「堀江はいずこ?」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2006/03/post_e780.html

 2006年3月23日付「計画続々② ~盛岡~」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2006/03/post_7143.html

 2006年9月22日付「岩手競馬改革計画まとまる」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_e2d8.html

 2006年9月23日付「東北の雄の誇り」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_0a06.html

 2006年11月12日付「開催変わりのない競馬」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_6e7f.html

 2007年1月20日付「岩手存廃問題 続報」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_2187.html

 2007年1月29日付「岩手存廃問題 続々報」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_bf18.html

 2007年3月16日付「《速報》岩手競馬重大局面」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_61dd.html

 2007年3月16日付「《続報》岩手競馬 廃止へ」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_f85c.html

 2007年3月16日付「《続報その2》奥州市の動き」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_faac.html

 2007年3月16日付「《続報その3》賛否の議員名」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_69d8.html

 2007年3月19日付「岩手競馬① 本日ヤマ場」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_0cac.html

 2007年3月19日付「岩手競馬② サスケ議員辞職」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_f474.html

 2007年3月19日付「《速報》岩手競馬存続へ!」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_7c0e_1.html

 2007年4月9日付「ビジョン無き”競馬再生”」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_91b7.html

 2007年9月30日付「キーワードは「民間委託」」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_8878.html

 2007年10月17日付「JBCに岩手からの登録なし」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_a39b.html

 2007年10月18日付「変わらぬ依存体質」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_547c.html

 2007年10月19日付「”収支均衡”を棄てた岩手」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_6e61.html

 2008年12月4日付「収支均衡から縮小均衡へ」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_3c65.html

 2008年1月26日付「再生元年に果たせなかったもの」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_2e33.html

 2008年2月29日付「『ハヤテ』の命運は?」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_c9a7.html

 2008年6月7日付「収益保証率0.25%の攻防」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_15d2.html

 2008年6月8日付「1着賞金10万円のインパクト」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_063a.html

 2008年9月16日付「出走手当廃止のインパクト」
 http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-2e34.html

 

 

 

 

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2008年10月 4日 (土)

「先行者利得」の誤算

1日付の読売新聞岩手版は、日本ユニシスへの運営委託を検討している岩手競馬について、来年度の競馬開催が現行通りの組合直営となる可能性もあると報じた。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news/20081001-OYT8T00019.htm

来年度からの委託を決断するタイムリミットはこの10月。その10月を直前に控えた岩手県の達増拓也知事は「スケジュール的に非常に厳しい状況にある」との見通しを示した上で、ユニシスの社長と知事のトップ対談による打開策を求める議会側に対しては、「密室で決めることはあってはならない」と反論。ユニシスが具体的な事業計画を示さなければ、競馬組合主体の現行方式を継続することを強調した。日本ユニシスの社長宛に早急な対応を求める文書を達増知事名で送付したにも関わらず、「責任者が長期出張中」であることを理由に具体的なアクションを起こそうとしない日本ユニシス側に対する知事の不信感も伺わせる。

Morioka_4 

 

 

 

 

 

岩手県競馬には過去にも民間企業の手法に振り回された苦い思い出がある。

3年前の2005年9月。巨額の累積赤字を抱える岩手競馬が存廃をかけたプロジェクトが大々的に発表された。巨大IT企業ソフトバンクとの業務提携である。

増田岩手県知事(※当時)と並んで会見したソフトバンク孫正義社長は「多くのファンに情報を提供して、新時代の競馬の楽しみ方に貢献できる」と自信たっぷりにコメント。豊富な資金に高度な技術を誇るソフトバンクが、どのようなアイディアを出し、そしてどのようなシステムを導入するのか? 他の地方競馬主催者はもちろん、JRAさえも強い関心を寄せるほどの一大プロジェクトであったのである。

しかし、結果を先に書けば、当事者や周囲が期待あるいは想像したほどの効果をもたらすことはなかった。

提携の目玉は2006年4月からインターネットのポータルサイトYahooに岩手競馬のコーナーを設置することだった。レース映像が流れ、馬券も買えるという当時からすれば画期的な仕組みであったことは確かだ。

ただ、知事と孫社長との会見からわずか3ヶ月後に、既存の地方競馬在宅投票システム「D-net」をソフトバンクグループが買収すると俄に雲行きが怪しくなる。

県側は当初、ポータルサイト上でサービスを提供するのは岩手競馬のみとし「先行者利得」を享受する考えだった。だが、ソフトバンクが「D-net」を手に入れたことで、翌年4月から開始されたポータルサイト『オッズパーク』には、全国各地の競馬場名がずらりと並ぶことになる。岩手競馬は横並びでのネット発売開始を強いられパイ独占の目論見は崩れた。

契約違反を主張する県側は激しく抗議したが、ソフトバンクは採算性を盾にして話し合いはつかなかった。

結果、開幕1ヶ月間の馬券売り上げが前年比1割減の約35億円に低迷する中、注目されたネット販売額は7950万円に留まった。これは当初見込みの6割程度に過ぎなかったのである。

(明日付に続く)

 
 
 
 
 
 

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2008年10月 3日 (金)

なぜ弱い日本産短距離馬

スプリンターズSがGⅠに昇格してから20年近くが経過しようとしており、長距離のレースも、それを得意とする血統ももはや珍しいものとなり果てた。1200m戦ばかりの番組構成にも特に違和感すら覚えなくなり、まさに”総スプリンター化”さえも叫ばれる昨今である。

馬の輸入にもこの傾向は見て取れる。ここ数年、スピードに勝るアメリカ産馬の輸入頭数が減り続けているのは、「速い馬は国内で買った方がお得」という購買者心理の表れだろう。

Takeoverしかし、その割に日本産のスプリンターが強くなっていないと感じるのはなぜだろうか?

安田記念やスプリンターズSは香港やオーストラリアからの遠征馬に蹂躙され、逆に日本のエーススプリンターが香港に乗り込んでも、まるで勝負にならない現状を見るに、そう思わずにはいられないのである。

実際、1990年以降に海外の短距離GⅠを勝った日本馬はシーキングザパールとアグネスワールドの2頭のみ。いずれも外国産馬である。

逆に、日本産馬の海外GⅠ勝ちを列記すると、

 ステイゴールド  香港ヴァーズ 2400m
 シーザリオ    アメリカンオークス 2000m
 ハットトリック  香港マイル 1600m
 ハーツクライ   ドバイシーマクラシック 2400m
 コスモバルク   シンガポール国際C 2000m
 デルタブルース  メルボルンC 3200m
 アドマイヤムーン ドバイDF 1777m

という具合に意外にも2000m以上での活躍が目立つ。「日本産馬は長距離戦に強い」という印象を抱く海外の競馬関係者は決して少なくない。

短距離血統ばかりを擁し、レースも短距離ばかりになりつつある日本だが、中身はあまり伴っていないようだ。日本人の多くがテニスとゴルフを愛好するのに、世界的なテニスプレイヤー、ゴルファーが出現しない状況と似ていないとも言えない。

サクラバクシンオーに話を戻す。

Baku11 

2歳リーディング1位。総合リーディング6位。毎年のように100頭以上の種付けをこなすサクラバクシンオーが我が国のナンバーワン短距離種牡馬であることは間違いない。

しかし、その後継種牡馬となるとショウナンカンプただ一頭。そのショウナンカンプにしても、2004年こそ30頭の種付頭数を確保していたが、それ以降は10頭に満たない年が続いており、これを「後継」と呼ぶには、やや心もとない。

絶好調の今年の2歳世代から、日本レコードを2度マークした父を超えるような快速牡馬が登場してくれないものか。海外のスプリントGⅠを勝ってその豊かなスピードを世界に知らしめ、サクラユタカオーからテスコボーイへと遡る貴重な血を後世に残していくことを期待したい。

 

 

 

 

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2008年10月 2日 (木)

2歳リーディング驀進中

9月が終了時点のJRA2歳リーディングサイアーが誰だかご存知だろうか?

総合リーディングを独走するアグネスタキオンではなく、既に12頭が勝ち上がったシンボリクリスエスでもなく、なんとサクラバクシンオーなのである。いや、驚いたりしてはバクシンオーに失礼なのだが、正直いたく驚いてしまった。スマン。

これまで8頭が9勝をマークしており、函館2歳Sを2着したナムラミーティアが目下の稼ぎ頭。8勝すべてが1200m戦というのも彼らしい。

 順位、種牡馬名、勝利頭数、勝利回数、入着賞金

 1 サクラバクシンオー 8頭 9勝 125,561,000円
 2 キングカメハメハ 8頭 9勝 118,155,000円
 3 マンハッタンカフェ 9頭 10勝  115,298,000円
 4 シンボリクリスエス 12頭 12勝 110,975,000円
 5 フジキセキ 3頭 5勝 95,164,000円
 6 アグネスタキオン 6頭 7勝 93,133,000円

                (9月28日終了時点)

Baku0119歳になったサクラバクシンオーの今年の種付料は300万円。クロフネやマンハッタンカフェと並び、250万円のジャングルポケットを上回る額である。決して安くはない。

それでも生産者の人気は相変わらず。毎年150頭前後の繁殖牝馬を集めている。産駒のGⅠを勝ちはショウナンカンプの高松宮記念のみだが、抜群の勝ち上がり率と、特に1200m戦での圧倒的な強さが変わらぬ評価に繋がっている。なのに、産駒のスプリンターズS勝ちが無いのが不思議でならない。

空前にして絶後となるスプリンターズS連覇。2度の日本レコード。その実績を思えば、スプリンターズSの父子制覇が待ち遠しい。それでも、重賞5勝のシーイズトウショウをもってしてもスプリンターズSは3度走って7着、12着、8着という成績に終わっている。あるいは、あまりに見事な連覇を達成した父に競馬の神様が与えた試練なのかもしれない。

今年は重賞を連勝してきたカノヤザクラがスタンバイ。果たして父子制覇は為るのだろうか?

 

 

 

 

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2008年10月 1日 (水)

サカイ。そしてサカイ、サカイ

わけあって今朝は2時の起床。「今朝」と言うからには当然ながら午前2時ね。ハンパない眠さで泣きそう。

しかも子供の風邪をうつされたのか妙にダルく、競馬場行きを躊躇ったほどなのだが、競馬場に来て四方山話をしているうちになんとなく治ってしまった。まあ、都合の良い体質とでも言おうか。

ともあれ、鎌倉記念の川崎競馬場でござる。

さすがにこの時期の2歳重賞がメインでは客も食い足りないだろうと、前座の9Rには中央交流オクトーバースター賞が組まれた。結果は坂井英光→内田博幸の決着。一見地方馬のワンツーにも見えるが、実際は両方ともJRA所属馬だったりする。ともあれ、勝ったのは坂井英光騎手(黒帽)とゴールデンルーヴェ。

Sakai01 

続いてはメインの鎌倉記念。

ただでさえ力関係の計りにくいこの時期の2歳重賞。しかも地方交流。加えて、3勝馬ツルノゴゼン、トライアル圧勝のエスプリオールが不在という、確たる指針が何もないレースならばオッズも混戦だろうと思いきや、ノーステイオーが単勝1.3倍と一本被りの人気を集めている。

「そんなに強いかなぁ…?」なんて言ってる間にスタート。すると、そのノーステイオーがあっさりとハナを奪うと……、

Sakai02  

後続に2秒1もの大差をつけて、そのまま逃げ切ってしまった。とひょ~ん。

Sakai03  

今度は船橋の左海騎手が勝利ジョッキー。

人気薄のロマが2着に突っ込んで、ちょっとした波乱。ちなみに、ロマのヤネは川崎の酒井騎手でした。

 

 

 

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