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2008年7月13日 (日)

”セリ”を造る人たち

「セールの前日にレース開催があると、前日の展示に参加できない来場者も多い。何とかならないか」

「競りの比較展示が生産者名の五十音順で行われている現状では、あからさまに有利不利が生じる。改善すべきだ」

昨日付けで「セールに関する議論を」と書いて終えてしまったが、一部の関係者による議論は闊達に行われている。冒頭に紹介したのは、セールに上場される馬に仕上げの訓練を行う馴致業者、すなわち「コンサイナー」により組織される「コンサイナー連絡協議会」における発言の一部だ。

1歳市場に上場する馬は、コンサイナーに預託し馴致してもらう例が年々増えている。正式な数字は手元にないが、今年あたりは半数近くに及ぶのではないか。そしてこの割合は今後も減ることはないと思われる。専門技術への需要の高まりもさることながら、牧場経営者の高齢化、ならびに人手不足によるところが何より大きい。近年、ますます大型化するサラブレッドは、たとえ”1歳児”とはいえ、それを馴致するとなると相当の労力を必要とする。日高管内の多くを占める小規模牧場では、手に余る作業なのである。

Ring

 

2000年、JBBA(日本軽種馬協会)が「市場上場馬馴致促進事業」の一環として、補助金制度を導入したのを契機に、コンサイナーという役割が俄に脚光を浴びることになった。補助金は生産者がコンサイナー登録した牧場に60日間以上馬を預けると、セールに上場した際に10万円を上限で受給されるというものだった。

事業開始当初は数えるほどしかいなかったコンサイナーも、現在は、育成牧場などとの兼業も含め100を越える登録がある。セレクトセールの成功により「馬はセリで買うもの」という意識が広まったことで、コンサイナーはその存在感を増しており、今後は生産牧場、育成牧場、コンサイナーの役割分担も加速するものとみられる。

かといって、コンサイナーの未来はバラ色のわけでもない。前出の「補助金」についても、最近になって上限が5万円に半減されたばかりだ。

Evergreen決して順風満帆の船出ではないが、日本におけるコンサイナーの嚆矢でもあり、前出の「コンサイナー連絡協議会」の代表をも務める藤沢澄雄・道議  なぜか私と見知った仲である  は、「コンサイナーの手で市場を活性化させることが中小牧場の復興につながる」と、精力的な活動を継続中である。理想は、セールの脚本・演出までを一手に取り仕切る”総監督”の役回りであろう。若い人が多い分野だけに、決して手の届かぬ「理想」ではあるまい。

私の知人のひとりも、浦河で育成業を営む傍らコンサイナーとしても活躍している。

昨日の電話では、明日のセレクトセールにも3頭出すのだそうだ。いずれも重賞勝ち馬の弟妹とか近親とかで、たいそう気合いが入っている様子である。

本日の函館メイン。1着同着という珍しい結果終わった巴賞は、函館記念の前哨戦としてその名が通っているものの、私にとっては「セレクトセールに行くついでに函館で見るレース」であった。競馬が終わってから、やおら函館を発たんとクルマのハンドルを握る瞬間の緊張感と期待感は今も忘れない。ところが、ここ数年はセレクトセールとも、とんとご無沙汰である。明日も知人が丹誠込めて馴致に努めた1歳馬を見に来たいのは山々だが、そうもいかぬ事情というものがある。

代わりに川崎へ行く。

その知人が南関東に送り込んだ2歳馬・ナマラスゴイが、明日の川崎1Rで2戦目を迎えるのである。前走の新馬戦とほぼ同じメンツで、なによりその新馬戦で勝たれた相手まで出てくるという誠に理解しがたいレースだが、距離が1400mに伸びたところに奇跡の出現を期待する余地もあろう。ただ、血統的には相手の方が距離伸びて良いと思われるだけに強気にはなれないのだけど…。

 

 

 

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