3連単にあらざれば
6月30日付「3連単という切り札」でJRAや岩手競馬が3連単の発売対象レースを拡大すると書いた2日後に園田・姫路からも同様の発表がなされた。来るべきJBC開催に向けての準備の一環だという。
馬券の種類はJRAで「単勝」「複勝」「枠複」「馬複」「拡大馬連(ワイド)」「馬単」「3連複」「3連単」の8種類。さらに南関東においてはこれに「枠連単」が加わり、国内でもっとも種類が多い9種類を誇る。勝ち馬の検討に頭を悩ませる以前の問題として「どの種類の馬券を選ぶか」に時間を割かれる向きも多いのではないか?
とはいえ今では3連単のシェアは4割にも及ぶ。それに次ぐのが馬連で2割弱というから圧倒的だ。主催者が3連単の発売対象レースの拡大に走るのも頷ける。
人気独走の3連単だが、当たる確率は 当然のことながら 低い。ハズレ続けることのストレスから、競馬から離れてしまうファンもいるという。単、複、枠連しかない時代を長く過ごした私は幸運だった。
そう考えれば、3連単がここまでシェアを伸ばした背景には マークカードの工夫なども見逃せないが ディープインパクトが大きく貢献しているように思えてならない。負ける可能性が極めて低い馬の登場により、「1頭軸固定での3連単」という馬券購入スタイルがファンの間に広く浸透した 。
近年希に見る「混戦」が続いた今年上半期のGⅠ戦線において馬券売上げが軒並み前年を下回ったのは、堅固な軸馬の不在により、3連単に慣れ親しんだ多くのファンが手を出しづらい状況を生み出してしまったのではなかろうか。
3連単のシェア増加は1日トータルの売上げ低下の要因にもなっている。たまさかの的中に恵まれれば、その日の勝負を決する配当を受け取ることになり、払戻金をさらなる馬券に環流する”コロガシ”がおきにくいという事態を引き起こしている。
それでも顧客が求める商品を揃えなければならないのは店側の宿命。多くの主催者が雪崩をうったように3連単発売対象レース拡充に走るなか、場外馬券発売施設「ニュートラックかみのやま」(旧上山競馬場)においても3連単対応の発売システムへの更新がなされる見通しとのニュースが届いた。もはや「3連単にあらざれば馬券にあらず」という空気をも感じるが、今も「かみのやま」に集う”超”のつくベテランファンの方々が3連単にかじりつく姿は、私の乏しい想像力ではイメージを掴みにくい。
その「ニュートラックかみのやま」では、本馬場内のの大型スクリーンが、老朽化を理由に姿を消すことになるのだという。
上山競馬場跡地の大半部分については市が主体となって企業誘致を進めているが、大型スクリーン周辺の約4000平方メートルについても、撤去後すみやかに工業団地向けの誘致用地に組み入れられることになる。現在の来場者は競馬開催時からの常連がほとんど。大型スクリーンは当時の面影を残す大きな記念碑でもある。その消滅は、競馬廃止の事実をより一層強くファンの心にコミットさせることになるのだろう。
※以下参照
2007年10月25日付
【上山は今①】静寂と熱狂のコントラスト
http://hirotomi.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_9ee7.html
| 固定リンク



コメント