非サンデー系の逆襲
今年の3歳勢は、サンデーサイレンス系種牡馬がそろってスランプに陥ってしまい、世代全体に低レベル現象を引き起こしている。
桜花賞を勝ったのは、フレンチデピュティ(※右写真)産駒のレジネッタ。2着こそフジキセキ産駒のエフティマイアが入ったが、3着ソーマジック(父シンボリクリスエス)、4着ハートオブクィーン(父ジョリーズヘイロー)と非サンデー系の種牡馬が掲示板上位を占めた。
翌週の皐月賞にしても、アグネスタキオン産駒のキャプテントゥーレとゴールドアリュール産駒のタケミカヅチがワンツーを決めてサンデー系の面目を保ったが、その結果はあくまで”波乱”に過ぎず、ダービーの大本命に躍り出るような存在ではない。
こうした傾向は2歳戦のうちから顕著に現れていて、朝日杯FSで掲示板に載ったサンデー系はキャプテントゥーレただ1頭。阪神JFに至っては掲示板に載ることすらなかった。
サンデーサイレンスがシーズン途中に体調を崩した2002年種付世代(2006年の3歳世代)から、実はサンデー系の活力は下がり始めていたとの見方もある。この世代の3歳クラシックにおけるエース格はアドマイヤメインとフサイチジャンクの2頭。他の世代ほどのインパクトには遠く及ばない。古馬になって同世代からマツリダゴッホというGⅠホースが誕生することになるが、彼がクラシック戦線で主役を張ることは無かった。
ちなみにその前年の世代(2005年3歳世代)を見れば、2歳と3歳のGⅠレース10鞍(アメリカンオークス含む)でサンデー系産駒が7勝の荒稼ぎ。ディープインパクトという傑出した能力を持つ馬がいたという指摘もあろうが、ディープの3冠レースを見れば、その2着馬、3着馬もサンデー系産駒であったのだから、本質的に差違はない。近年のサンデー系産駒の状況を「危機的」とまでは言わないまでも、「やや不振」と見ることはできる。
昨年以降、3歳のGⅠを勝った馬の父を見ると、ダイワスカーレットとキャプテントゥーレのアグネスタキオン産駒2頭を除けば、
ブライアンズタイム(ヴィクトリー)
→ タニノギムレット(ウオッカ)
ホワイトマズル(アサクサキングス)
フレンチデピュティ(ピンクカメオ、レジネッタ)
コジーン(ローブデコルテ)
といった名が並ぶ。さらに、昨年の阪神JFを勝ったトールポピーの父はジャングルポケット(その父トニービン)。ここに来て、サンデー以前に導入された血統資源が存在感を増していることに気づきやしないか。
そもそも、繁殖牝馬からしてサンデー偏重が顕著になっている現状からすれば、良血と言われる繁殖牝馬ほど、サンデー系種牡馬を配合できないジレンマに陥るのは当然の帰着点。「血の飽和」が生産活動に負の影響を及ぼすことは、歴史が証明してきた通りで、サンデー系に頭を押さえられていた非サンデー系種牡馬の台頭は、ある意味「予想通り」とも言える。
サンデー系種牡馬の淘汰はさらに進み、一部有力馬に人気が集中するだろう。サンデー系種牡馬の輸出や用途変更が進んでいることについては昨日付でも書いたが、ディープインパクトやダイワメジャーといったビッグネームのスタッドインに伴い、そういう流れはさらに加速するものと思われる。
(明日付に続く)
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