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2008年5月 7日 (水)

世界に広がるサンデーの血

道営競馬では早くも2歳戦の幕が切って落とされている。

となれば、今年デビューする新種牡馬の動向が気になるところだが、4月末に行われたJRA認定の新馬戦2鞍の勝ち馬の父はジェリとアグネスゴールド。いずれも今年デビューの種牡馬ではなかったが、昨日の新馬(フレッシュチャレンジ)では、サンデーサイレンス系の新種牡馬・サクラプレジデント産駒のサクラシャイニーが、後続を8馬身千切るという圧巻のデビューを飾った。たかが道営の認定競走ではあるが、サクラプレジデントには大きな1勝となる。

先月30日のフレッシュチャレンジを勝ったレベルエックスの父アグネスゴールド(父サンデーサイレンス)は、現3歳世代が初年度産駒である。ミモザ賞でユキチャンのコンマ1秒差3着に敗れたコスモザガリアなどがいるものの、JRAではまだ2頭がそれぞれ1勝ずつをマークするに留まっている現状を見れば「苦戦している」と言うべきだろう。

そんな事態を関係者は事前に察知していたのか、昨年1月には、初年度の産駒がデビューする半年も前にアグネスゴールドのアメリカ移籍が発表され、種付け料5000ドルで共用されている。兄フサイチゼノン(父サンデーサイレンス)もやはりアメリカで共用されているが、種付け頭数は毎年ひと桁に留まっており、兄弟揃って厳しい闘いを強いられそうだ。”タネ馬もつらいよ”である。

サンデーサイレンス直子の種牡馬が海外に輸出されるケースは、昨今では珍しいことではない。

昨年のフランス最優秀2歳牝馬で、先日の英1000ギニーを勝ったナタゴラは、フランスに送り込まれたディヴァインライト(父サンデーサイレンス)の産駒。日本の内国産種牡馬の産駒が、イギリスのクラシックレースを制したのはもちろん初めて。そんな快挙を成し遂げたディヴァインライトだが、今季はトルコに移籍して活躍中というから、世界各国のクラブを転々とするサッカー選手を彷彿とさせる。

HatマイルCSと香港マイルを勝ったハットトリック(父サンデーサイレンス)は、強いオファーを受ける形でアメリカと南アフリカを往復するシャトル種牡馬となったし、つい最近もシンザン記念などを勝ったグレイトジャーニー(父サンデーサイレンス)がフランスに向けて輸出されるというニュースがあったばかりである。

サンデーサイレンス系の素晴らしさは、スペシャルウィーク産駒シーザリオのアメリカンオークス勝ちによってアメリカに知られ、次いでタヤスツヨシ産駒ホロウブレットのVRCオークス勝ちによってオーストラリアでも広く認知されることになったわけだが、ここへきて南アフリカでもブレイクの兆しを見せているという。

Kiseki高松宮記念はフジキセキ産駒がワンツーフィニッシュを決めたが、その前日のドバイミーティング「ドバイシーマクラシック」では、南アフリカ所属のフジキセキ産駒サンクラシークが快勝。6着のスシサンもフジキセキ産駒というオマケまでついた。ともあれ、日本産の種牡馬がドバイ国際競走で勝ち星を挙げたのも史上初であるから、フジキセキにとっては2日連続で大仕事を成し遂げたこととなる。

しかも、このサンクラシークは南アフリカ国内のGⅠでも3勝をマークしており、躍進著しい南アフリカの競馬界ではフジキセキ産駒の活躍が大きな話題になっているという。ハットトリックのオファーはまさにそうした機運によるものだろう。フジキセキのシャトル種付けを求める声が高まるのはもちろんのこと、その他のサンデーサイレンス直子をターゲットにした移籍話さえ浮上してくるのではないか。

こうした動きは閉塞感が漂う日本国内の生産界を救う可能性を波乱でいる。サンデーサイレンスの子孫の優秀さを海外の関係者が認めれば、種牡馬だけでなく、国内で生産されたサンデー系の仔馬を買う動きも出てくるだろう。そもそも、日本国内にこれほどのサンデー系種牡馬は必要ない。サンデーサイレンスの優秀さをプロパガンダするためと思って、たとえそれがディープインパクトであろうと、サンデー系種牡馬のシャトル&移籍は積極的であって欲しい。

(明日付に続く)

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