キーワードは「民間委託」
ある意味、スプリンターズSよりもこちらに注目していた競馬ファンは少なくなかったかもしれない。コスモバルクが出走した全国地方交流レース『OROカップ』。単勝110円の支持に応える4馬身差の圧勝は、国際GⅠホースの実力からすれば当然かもしれないが、天皇賞の注目が増えたことは間違いない。今日、競馬場でコスモバルクの走りをナマで見たファンは、天皇賞でもバルクに肩入れしたくなるだろう。
そんな盛岡の競馬ファンのうち、さらにコアなファンは本日行われたスプリンターズSのスズカフェニックスにも注目していたはずだ。高松宮記念を勝ち、今日のスプリンターズSで2番人気に推されスズカフェニックスは、岩手県遠野市の馬育成施設『遠野馬の里』で育成された”岩手育ち”の一頭だからである。
昨秋からのスズカフェニックスの活躍は、永く経営不振が続いていた「馬の里」を活気づけている。
同施設は、岩手競馬の競走馬育成を主な事業として遠野市が整備した施設だが、岩手競馬の経営不振の影響を受け経営難に陥っていた。そこで、厩舎から馬場まで屋根付きの連絡道を開設したり、屋根付き坂路コースを延長するなどした上で、施設そのものを民間に開放。3社の育成業者が参入に名乗りを上げ、うち1社がJRA関係者に活用を呼び掛けた。その呼び掛けに、栗東の橋田調教師が応じたわけだ。現在では年間約100頭がこの施設で育成されており、施設全体の経営状況は着実に上向いているという。
こう書けば、これが「民間の手法導入」の成功例であることは間違いないのだろうが、これに刺激されたのかどうか知らんが、今度は岩手競馬そのものを民間に任せられないか?という検討も始まっている。27日、岩手県と盛岡、奥州両市は、岩手競馬の抜本的な改革に向けて事務レベルのプロジェクトチームを発足させ、「競馬事業の全面民間委託」と「現状の盛岡・水沢の2場体勢の見直し」に動き出した。
とはいえ、関係者からは「なにを今さら」という疑問の声も上がっている。ある調教師は「こうしたことは既に検討しているものと思っていた。この春にあれだけ大騒ぎして、それから今日まで何をやってきたのか」と突き放す。「年度途中でも赤字なら廃止」という条件で存続を承認させたはずが、相変わらず売上げは計画値を下回り、依然として経営は赤字状態。しかし、今日現在も競馬は存続しており、そのことについて県からいっさいの説明がない現状に、「ルールが有名無実化している」と指摘する声も少なくない。
そもそも、民間委託の可能性を探るにしても、引き受け手探しは困難を極めることが確実だ。年間200億円以上の売上を管理しなければならない事業を引き受けることができる企業は限られる。果たして「馬の里」のように上手くいくかどうか。先行きは不透明といわざるを得ない。
ちなみに、遠野の馬ネタについては、私よりもっと詳しいカメラマンの方がいらして、そちらの方のブログなんかを参照していただきたいのだが、リンクの許可などを頂いておりませんので、また次の機会にでも。
ところで、ここまで書いた以上、今日のスズカフェニックスの結果は残念としか言いようがない。さらに、武豊騎手の「馬の状態に問題があった」というレース後のコメントにも プロとして本当にそう感じたのだろうけど 、何とも釈然としない思いが残った。私はスズカフェニックスの馬券を買っていないが、買ってた人はおそらくもっと釈然としないだろうと思う。


































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