鑑定人だってツラいよ
「ありがとうございます! 300万のひと声、気持ちよく頂戴いたします!」
なんていう鑑定人の声が会場内から聞こえると正直ホッとする。先週5日間に渡って行われたサマーセールは、当初の予想を遙かに上回る苦戦を強いられた。
「売れない」
「売れたが値が上がらない」
聞こえてくる声はネガティブなものばかり。インフルエンザ騒動を乗り越えてセール開催にこぎつけることができ、なおかつ一週間を通じてほぼ好天に恵まれたにも関わらず、抜けるような青空とはまるで正反対な何ともいえぬ暗いムードが漂っていた今回のセール。10頭以上連続して上場馬に声が掛からないような時間帯も決して珍しくはなく、そんな時にバイヤーの手がサッと上がると、鑑定人もつい嬉しくなって冒頭のような一言を発してしまうのだろう。その気持ちは、ただ見ていただけの私にも痛いほどよく分かる。
初日、上場番号1番から9番まで立て続けに一声もかからず次々と主取りに終わったときなどは、「今日はこのまま一頭も売れないのでは?」などということを真剣に心配した。ペナントレース開幕3連戦でノーヒットに終わったレギュラー選手が感じる”不安”とはこのようなものか。たまりかねた鑑定人が「せっかく開催にこぎつけたセールですので、ぜひとも活発なお声掛けをお願いいたします」と懇願するシーンすら見受けられた。
セールのスケジュールは、午前中が上場馬の展示&速脚披露。昼休みを挟んで13時からセリということになっている。
ただし、いつなんどき「もう一度あの馬を見せて欲しい」というお客様がやってくるかも知れないので、馬を出す方は昼休みとはいえ気を抜くことはできない。馬房の片隅でササッと昼食を済ませて、お客様が通りかかるのをジッと待つことになる。何度も書いたが、この夏の北海道は本州並みの酷暑が続いており、この週も気温30度&湿度60%というなんとも北海道らしからぬ陽気が続いていた。だから、馬房が南向きだったりすると、かなりたいへんなコトになる。
ところで、セール初日には、いくつかのTVクルーも来場。上手い具合にセールの存在をアピールしてくれると嬉しいな、と思っていたら、セリ開始前の組合理事長(だかなんだか、そんなヒト)の冒頭の挨拶の部分だけ撮って、さっさと帰ってしまった。つまりは、馬インフルエンザの関連ニュース素材が欲しかっただけなんですね。な~んだ。もう、STVさんには、ガッカリだよっ!(やっくん風)
(明日付に続く)
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