馬は大丈夫か?
昨日に続いて、日付は12月8日だけど12月7日木曜の話。
で、この日も同じく船橋で、しかも水曜と全く同じ電車に乗って出掛ける。違うのは天候と観客数くらいか。この寒さでは仕方ないが、聞けば場内の入場者数はだいたい3800人だろうという。
ちなみに初日の月曜は3520人、火曜は3590人、水曜は交流重賞があったということもあり5230人だった。だから3800人というのは月曜や火曜よりは若干多い。とはいえ、少ないよねぇ。船橋競馬場は、外回りのサラリーマンがちょっと立ち寄ったりするには不向きな立地なので、仕方ないと言えば仕方ないか。
初日の月曜には、ついにSPATの売上げが本場の売上げを上回るという出来事が起きた。SPATが増えているのではなく、単に本場売上げが減っているのだという。船橋について言えば、新橋場外という大きな武器があるから、まだ問題は大きくなっていないようだが、ばんえいの一件でもクローズアップされたように、10年後になって「10年前から手を打っておけば…」なんてコトにならぬよう、体力に余裕のある今の内から、何らかの手を打っておきたい。
ちなみに、9Rに登場したタヤスルージュは、5番人気に推されたものの9着に敗れてしまった。やはり能検は能検、レースはレースなんですね。最後の直線では、完全に息が上がってしまっていたようなので、これは使われて変わってくると信じたい。
帰宅途中に自宅近くのリストランテに立ち寄る。例によって、店内にひとりも先客がいないことを確かめてから扉を開け、カウンターに座るなり新潟の地ビール『エチゴビール』を注文。最近、好んで飲んでいるんだけど、今日は残念ながらスタウトが品切れとのことでペール・エールにする。どちらも旨いのでさほどの問題ではない。
牡蠣のオーブン焼き、イナダのカルパッチョ、トリッパの煮込み、パルマの生ハムなんかをつまみつつビールを飲んでいると、店の主人が「有馬記念のディープインパクトは大丈夫なんでしょうか?」と話しかけてきた。
凱旋門賞で「140%」にまで仕上げられた身体が、JCでは武豊騎手自らが最終追い切りに跨って「隙のない」ところまで仕上げられて、果たして馬は大丈夫か?というのである。心配なのは勝ち負けではなく馬自身なのだ。
「ファンの投票で出走馬を決めるレースというのは、考えようによっては残酷」と彼は言う。なにせシーズン末期である。歴戦の過程で、ごくごく微妙な不安を抱えている馬もいるだろう。馬は走りたくないと言っているかもしれない。それでも、ファンは「投票」という行為を通じて、馬たちをゲートに押し込んでしまう。実際には、有馬記念も宝塚記念も近年ではフルゲートに到達することが少なく、ファン投票は事実上セレモニーに過ぎないが、それでも「走らせる馬を選ぶ」という行為を行っていることに変わりはない。
サクラスターオーやライスシャワーの事故に際し、ファンが涙を流す映像を見た彼は、「なんて自分勝手なんだ!」と強く思った。彼ら(馬)を走らせようしたのは、その馬に投票したファンではないか。「だから泣く資格などない」と彼は言う。なかなか含蓄のある言葉である。
店が混む前に、前菜とビール2本だけで帰宅。
ひと息ついてネットをチェックすると、ヒシアトラス死亡のニュースが飛び込んできた。「血管肉腫」だという。犬には良く見られる癌だが、馬、とりわけ競走馬での発症は珍しい。JRAの診療施設でも過去に症例がないとのこと。なんとも気の毒でならない。
管理する中野隆調教師が、ヒシアトラスが原因不明の病で重体であることを報道陣に開かしたのは11月23日のこと。10月9日の南部杯で2着した直後から喉がむくみ始め、瞬く間に四肢にまで広がったというから、おそらく咽頭部に発生した腫瘍から、血管を通じて体内に転移してしまったのだろう。
それにしても、今回の悲劇がまたも中野隆調教師を襲ったことに、私などはやるせなさを感じずにはいられない。ホクトベガの悲劇からもうすぐ10年になる。
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