« 二本柳壮、”小台”へあと1 | トップページ | 馬は飛んだけどレースは普通 »

2006年12月24日 (日)

意外と空いてた有馬記念

暫定更新です。

Deep_5思ったよりお客さん入ってませんでしたね。帰り際に数字聞いたら「12万には全然届かない」って言ってたんで。……となれば勢い馬券売上げも厳しかったんでしょう。そっちの数字はあまりに気の毒で聞けなかったけど。

そのかわり、引退式に残ったお客さんの数には圧倒されました。ああなると、競馬というより”ステージ”ですね。

~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~

本更新。

13時に競馬場入りしたら、ラチ沿いというラチ沿いは大量のカメラマンで埋め尽くされていた。

ウイナーズサークルのあたりから見渡すと、ゴール板付近から始まり、1コーナーを緩やかに曲がったその先の芝1600のスタート地点まで。実に数百はあろうカメラの放列がえんえん続いている。一番ケツまで行くとなれば、有馬記念を2800m戦にしてもらうか、2000ミリレンズでも持ち出すほか手はない。途方に暮れていたところに顔見知りの方に詰めてもらって撮影位置はどうにかなった。まずはひと安心。

ちょうど6RのホープフルSが始まるところだったので、関係各位への挨拶もソコソコにとりあえずはレースに集中。そしたらファンファーレが鳴ったところで凄い大歓声ですよ。ニュービギニングが出ているとはいえ、特別レースごときで尋常ではない熱気。思わず昭和末期の競馬ブームを思いだした。

でも、場内の混み具合は、競馬ブームの頃とは比べものにならない。暫定更新でも書いたように、入場者数は昨年を3割も下回ったという。

 ディープが出る
    ↓
 いつもと違う客層の奴らが競馬場に来て混雑する
    ↓
 それなら家でおとなしく見てよう

という手合いの筋が多かったのではないか。

Padock_3かくいう私も『ありがとうディープインパクト』系の方々はちと苦手。特に若い男女。

「馬券を買わない」という彼ら(彼女ら)の競馬スタイルに違和感があることも確かなのだが、とにかくムダに騒ぎ過ぎる。パドックで「”ディープ”コール」をしたり、本場場入場の際に奇声をあげたりするのは言語道断。検量室に戻ってから、観客への怒りをあらわにする騎手もいた。

「徹夜で並ぶ熱心なファン」は、多くのメディアで好意的に紹介されていたが、競馬場周辺で毎晩深夜までバカ騒ぎを繰り返した連中もいたらしく、周辺の住人から苦情が来ただけでなく、調整ルームに宿泊していた騎手も被害を受けたという。蛯名騎手は「うるさくて夜中の2時まで眠れなかった」と疲れた表情で話していた。

帰りの電車の中でも、金子真人氏のレプリカ勝負服を来た一団が、満員の車内で飛び跳ねながら(いわゆる”タテノリ”ですね)「ディープ! ディープ!! ディープ!!!」と騒ぎを繰り広げた。一般乗客に迷惑をかけていることは言うまでもないが、それが「競馬の客」であることが、私などはたまらなく悲しい。以前ほどではないにせよ、競馬を「悪」とみなす人は世間にはまだ数多くいる。少なくとも来年以降はこうした騒ぎは起きないだろうから、そういう意味では良かったんだけど、”ディープ・フリーク”を卒業した彼らが新たに”ニュービギニング・フリーク”へと進化を遂げてしまった場合、再びこのような悲劇が繰り返されるのだろうか。

勝つ可能性のきわめて高い馬を「みんなで」応援して、奇妙な一体感に浸る。ディープ・フリークのこのような行動パターンを見ていると、サッカーにおける”サポーター”と呼ばれる人たちを想起しないか。本来、馬券を主流とした「競馬」とは、さまざまな見解や欲というエッセンスが「オッズ」を生み出し、結果として勝者と敗者にハッキリ色分けされるゲームである。ところが、彼らはみんなで勝者になることを望んだ。本来ならあり得ない構図を、ディープインパクトという傑出した能力を持つサラブレッドが、具現化してみせたと見るべきだろう。

ファン歴の長い人ほど、ディープインパクトのような馬は「勝っても配当が安い」と距離を置くかも知れない。加えて、オッズが元返しに近い単勝を「記念に」と大量に買ったり、ネットオークションに出品するといった、従来の競馬業界の常識で割り切れない人々の存在がクローズアップされると、従来からのファンが感じた「違和感」は「不快感」へと変質した。

今日の入場人員は昨年より4万5千人も少ない11万7千人。売上げに至っては昨年比88%の440億円にとどまり。JRAが”死守ライン”に設定した500億の大台をいともアッサリと割り込んだ。ちなみにシルクジャスティスが勝った1997年の有馬記念の売上げは875億円だったから、10年もしないうちに売上げが半減したことになる。もしこれが一般企業の話であれば、役員のクビで済むレベルではない。

勝つことが当たり前のような馬を大勢の仲間、あるいは他人と一緒に応援し、共同性を感じて満足を得る。従来のファンにしてみれば、自分たちとはまるで異なる振る舞いをする人々が競馬場に押し寄せたことに困惑したことだろう。JRAの露骨なディープ・キャンペーンに対する反発の背後には「変な連中を競馬場に呼び込んだ」という意識がある。だが、競馬が注目を浴びるには、反発覚悟でイベント的な共同性の演出に走らざるを得ない。もとよりJRAに選択肢などなかった。

しかし、今日の数字はJRAの経営戦略の練り直しを迫るものだ。あれほどの大人数のマスコミ関係者を競馬場に呼び集めたところで、最終目的たる入場者数や馬券売上げの減少に歯止めが掛からないのでは意味がない。ディープインパクトという不世出の名馬の引退を機に、ディープと共に自らが取った行動を検証してみるのも良いと思う。

レースについての感想は明日付で。

|

« 二本柳壮、”小台”へあと1 | トップページ | 馬は飛んだけどレースは普通 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 二本柳壮、”小台”へあと1 | トップページ | 馬は飛んだけどレースは普通 »