冬の除外に思う
「待ちに待ったデビューです」
知人が社台レースホースで出資するカラドリウス(父ゴールドアリュール)の出走態勢が整ったと本人から聞いたのは、先週のことだったか。2月5日東京の第2レース。ダート1400m戦だと言う。
「それはおめでとうございます。ぜひ見に行きます」と返事をしていたのだが、驚くことにそのレースに投票した馬は、実に50頭以上にも及んでいた。もちろん除外。この頭数では仕方あるまい。
今週も東京・京都・小倉の3場開催。美浦所属の調教師が毎年頭を悩ます開催形態である。3場のうちの2場が西日本エリアでの開催ということもあって、レースの選択肢が限られる上、この時期は芝コースのフルゲート頭数が縮小される。数少ない新馬戦に出走投票が集中すれば、除外馬が溢れるのも当然だ。
今週末に東京で行われる新馬戦2鞍の除外馬は合計57頭。これが京都ではたった5頭で、小倉ではゼロである。一度除外されれば次は優先的に出られると思われがちだが、既に先週から待たされている馬もたくさんいるから、この状況だと2回の除外で済めば良い方かもしれない。
ところで、昔はレースの出走頭数に制限など無かった……と聞けば驚くだろうか?
それはなぜか。今のようなゲートを使った発馬ではなく、バリアー式だったから。つまり「後列発走」というワザが使えたのである。むろん前列より後列は圧倒的に不利。だが、戦前の競馬は、ファンのためではなく軍馬育成のためにあった。ゆえに公正確保より、忍耐強い馬の発掘の方が優先されたのであろう。
むろん現代では事情が異なる。JRAの出走可能頭数に18頭の上限が設けられたのは、人馬の安全および公正の確保。そして馬券発売システムの運用性などを考慮した末の結論だ。
だが、それは主催者の一方的な都合に過ぎない。競走馬にかかわる人は、目標となるレースを定め、そこへ向けて体調がピークになるように緻密な仕上げを施すのが仕事。それなのに、主催者の都合で出走が延ばされれば、彼らの技術も努力も水泡と化す。調整の難しい厳寒期はなおさら。ましてや、デビュー前の新馬となれば、その影響は計り知れない。
冒頭の知人のみならず、多くの馬主にとって最大の喜びは自分が所有する馬が走ることであり、デビュー戦はその最たるものであろう。なのに、予定されたデビューがかなわず、新馬戦をナマで観戦することも難しいとなれば、なんとなくシラケてしまっても無理はない。せめて新馬戦だけでも除外を緩和する妙案はないものか。この時期になると、いつも考えさせられる。









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