2012年2月 3日 (金)

冬の除外に思う

「待ちに待ったデビューです」

知人が社台レースホースで出資するカラドリウス(父ゴールドアリュール)の出走態勢が整ったと本人から聞いたのは、先週のことだったか。2月5日東京の第2レース。ダート1400m戦だと言う。

1400m  

「それはおめでとうございます。ぜひ見に行きます」と返事をしていたのだが、驚くことにそのレースに投票した馬は、実に50頭以上にも及んでいた。もちろん除外。この頭数では仕方あるまい。

今週も東京・京都・小倉の3場開催。美浦所属の調教師が毎年頭を悩ます開催形態である。3場のうちの2場が西日本エリアでの開催ということもあって、レースの選択肢が限られる上、この時期は芝コースのフルゲート頭数が縮小される。数少ない新馬戦に出走投票が集中すれば、除外馬が溢れるのも当然だ。

今週末に東京で行われる新馬戦2鞍の除外馬は合計57頭。これが京都ではたった5頭で、小倉ではゼロである。一度除外されれば次は優先的に出られると思われがちだが、既に先週から待たされている馬もたくさんいるから、この状況だと2回の除外で済めば良い方かもしれない。

ところで、昔はレースの出走頭数に制限など無かった……と聞けば驚くだろうか?

それはなぜか。今のようなゲートを使った発馬ではなく、バリアー式だったから。つまり「後列発走」というワザが使えたのである。むろん前列より後列は圧倒的に不利。だが、戦前の競馬は、ファンのためではなく軍馬育成のためにあった。ゆえに公正確保より、忍耐強い馬の発掘の方が優先されたのであろう。

むろん現代では事情が異なる。JRAの出走可能頭数に18頭の上限が設けられたのは、人馬の安全および公正の確保。そして馬券発売システムの運用性などを考慮した末の結論だ。

だが、それは主催者の一方的な都合に過ぎない。競走馬にかかわる人は、目標となるレースを定め、そこへ向けて体調がピークになるように緻密な仕上げを施すのが仕事。それなのに、主催者の都合で出走が延ばされれば、彼らの技術も努力も水泡と化す。調整の難しい厳寒期はなおさら。ましてや、デビュー前の新馬となれば、その影響は計り知れない。

Gate  

冒頭の知人のみならず、多くの馬主にとって最大の喜びは自分が所有する馬が走ることであり、デビュー戦はその最たるものであろう。なのに、予定されたデビューがかなわず、新馬戦をナマで観戦することも難しいとなれば、なんとなくシラケてしまっても無理はない。せめて新馬戦だけでも除外を緩和する妙案はないものか。この時期になると、いつも考えさせられる。

 

 

 

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2012年2月 2日 (木)

GO! GO!! 『ゴーゴーカレー』

今日のお昼はコチラでした。

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実は、先日ふと思うところがあって買った5−5の枠連が10万馬券に化けたので、それにあやかって……というのは真っ赤な嘘で、今日ヨドバシカメラに行ったら、たまたまこの店が目に留まったので、立ち寄っただけのこと。

ともあれ、バナナマン設楽さんも絶賛の『ゴーゴーカレー』。

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ドロッと濃い目のカレールー、ソースがかけられたトンカツ、そして千切りキャベツといういわゆる「金沢カレー」のチェーン店。ステンレスの皿に盛られたこれらをフォークで食べるのが金沢スタイルだというが、ゴーゴーカレーはこのスタイルを忠実に踏襲している。

ここんとこ私がハマっている銀座『ポール』のカレーも、実にこのスタイル。

Pole  

最近の私の食事のルールに従って、まずお代わり自由の山盛りキャベツをまず先に食べてから、やおらカレーと向き合う。月曜限定のビーフカレーは、トロけるような牛肉の煮込みが絶品。大きな牛肉の塊を頬張ると、まず赤ワインの風味が鼻腔をくすぐり、しかるのちに口の中でホロホロと肉が崩れる。これを至福と言わずに何と言うのか? ダイエットなんかクソくらえという気がしてくる……と書くと叱られるから、「ダイエット中でもこれだけは譲れない」とでもしておこうか。

これ以上書くと家人から怒られそうなので、ゴーゴーカレーに話を戻す。

「ゴーゴー」というネーミングは、「GO!GO!」という意味のみならず、メジャーリーグで活躍中の松井秀喜選手の背番号にちなんでいる……というエピソードは、世間に広く知られているようなので割愛。むかし大井にいたゴーゴーゴジラも同様。ま、どうでもよいですけど。

ちなみに1994年の京成杯3歳Sの覇者「ゴーゴーナカヤマ」のネーミングの由来は、中山馬主協会の役員「5人」で共同所有するという話があったからだとか。その昔私が一口を出資した某馬のお母さん「ゴーゴーイチ(父ミスターシービー)」の場合は……やっぱ豚まんですかね?(笑) 馬の世界にもいろんな「ゴーゴー」がある。

 

 

 

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2012年2月 1日 (水)

女傑と名門牧場

日本のクラシックレースを4走した記録を持つ馬は、スウヰイスーやミスオンワードなど5頭いる。もちろんすべて牝馬。なかでも盛り上がったのは、無敗の牝馬2冠馬ミスオンワードがダービーと菊花賞に出走した、1957年のクラシックだろう。

前年の2歳牝馬チャンピオンのミスオンワードは、桜花賞とオークスの2冠を制して通算成績を8戦全勝とすると、その勢いのまま翌週のダービーに駒を進めた。近年で言えば、ブエナビスタがオークスを勝った翌週にダービーに出てきたと思っていただければ、その盛り上がりぶりが想像できるだろう。サドラーズウェルズやヌレイエフの近親という良血の持ち込み馬という血統的背景も後押しして、連闘になるにも関わらずダービーでは3番人気に推されるが、結局はヒカルメイジの17着と惨敗してしまう。

それからちょうど半世紀後の2007年。ミスオンワードと同じく2歳牝馬チャンピオンとなったウオッカは、桜花賞では2着に敗れたものの、オークスではなくダービーに的を絞って同世代の牡馬に挑む道を選ぶ。ミスオンワードと同じく3番人気に支持されると、のちの菊花賞馬アサクサキングス以下を相手にせず、戦後初めてとなる牝馬のダービー馬に輝いた。

Vodka1  

先週末から今週にかけて、日高の牧場の売却話が相次いだ。オンワード牧場とカントリー牧場。いずれも、オーナーブリーダーとして日本の競馬界にその名を刻んできた名門である。

オンワード牧場はミスオンワードとオンワードゼアが活躍したのを機にに、衣料メーカー「オンワード樫山」創業者の故・樫山純三氏が1960年に開場した牧場だが、後継者がいないことを理由に売却を決意。所有する繁殖馬と育成馬は既に他の牧場に売却済みで、牧場自体も2月末に別の牧場へ売り渡す予定だという。写真は2002年の東京ハイジャンプを勝ったオンワードメテオ。その4代母がミスオンワードだ。

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一方のカントリー牧場は1963年の創業。タニノハローモア、タニノムーティエ、タニノギムレット、そしてウオッカでダービーを勝ち、一昨年の菊花賞もビッグウィークで勝った。比較的コンスタントに活躍馬を送り出しているようにも思えたのだが、既に売却先として岡田スタッドの名前が挙がっているという。

2008年秋の天皇賞では、大激戦の末にウオッカがダイワスカーレットをハナ差で退けて優勝した。

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牝馬の天皇賞制覇は、ヘヴンリーロマンスやエアグルーヴなど近年にもいくつか記録が残る。だが、天皇賞での牝馬のワンツーフィニッシュとなると、1958年のセルローズ&ミスオンワード以来のこと。これまた50年ぶりの出来事だった。

50年の年月を隔てて似通った活躍ぶりを見せた2頭の女傑。オーナーブリーダーという形態の維持が難しい時代であることは承知しているし、それゆえに牧場売却の話にも驚くことはなくなった昨今だが、ミスオンワードとウオッカのゆかりの牧場が揃って消えると聞けば、やはりそれなりの衝撃を覚えるもの。時代の転換点だと割り切るのは容易いが、3冠馬の誕生だとか海外遠征での勝利といった華やかな話題ばかりに気を取られ、浮かれている場合ではないのかもしれない。

 

 

 

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